派遣のクーリング期間って何? 抵触日との関係性と注意点

「“派遣のクーリング期間”っていう言葉は聞いたことはあるけど、具体的にどういうものなの?」
このような疑問を抱えていませんか?

派遣会社に約6年勤務した「#就職しよう」編集部の中塚が、派遣のクーリング期間について解説します。

この記事があなたのお役に立てば幸いです。

鈴木様
<アドバイザー>
社会保険労務士
ドラフト労務管理事務所

代表社会保険労務士 鈴木圭史

社会保険労務士資格を取得後、人材派遣会社の本社勤務を約9年経験。
その後「問題を解決のドラフトをご提案する」という理念を元にドラフト労務管理事務所を設立。

経験を活かし派遣元責任者講習の講師を担当しており、派遣元・派遣先の双方の立場を理解した講義には定評がある。

また、派遣業界向けの労務監査を重点業務としていることや海事代理士として陸上労働者だけでなく海上労働者の働き方改革の支援も推進していることが強みである。

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派遣の抵触日とは?

派遣社員としての3年の契約期間が経過した翌日を「抵触日」とし、抵触日から3ヶ月と1日以上の期間を空けることで、再び同じ派遣先企業で就業することが可能となります。

派遣社員には「派遣3年ルール」といわれる制度があり、派遣先企業の同一の部署で3年を超えて働くことができません。

例えば、2020年7月1日に派遣社員を派遣を開始した場合は、契約期間は最長で3年後の2023年6月30日となり、翌日の2023年7月1日が抵触日となります。

【参考リンク】
厚生労働省「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

派遣のクーリング期間とは?

派遣のクーリング期間とは、派遣社員が抵触日を迎えた後に、同じ派遣先企業で再度働くために必要となる空白期間のことを指します。

「派遣の抵触日のリセット」と呼ばれることもあります。

派遣のクーリング期間は「派遣の抵触日から開始して3ヶ月と1日以上の期間を空けること」と定められています。

例えば、2023年7月1日が抵触日の場合は、2023年7月1日から10月1日がクーリング期間となります。

なので、同じ派遣先企業の同一部署に派遣スタッフを配置したい場合は、2023年10月2日から新たに派遣社員の派遣が可能となります。

また、クーリング期間には、「個人単位のクーリング期間」と「事業所単位のクーリング期間」があります。

【個人単位のクーリング期間】
  • 個人単位のクーリング期間は、1人の派遣社員が派遣先企業での派遣開始日から3年働いた抵触日から開始となる
  • 3年の派遣契約を満了し退職してから、3ヶ月と1日以上の期間を空ければ同じ派遣先企業で派遣社員として働くことができる
【事業所単位のクーリング期間】
  • 事業所単位のクーリング期間は、派遣会社が派遣先企業にスタッフの派遣を行った日から3年間経過した日の翌日が抵触日となり、クーリング期間が開始する
  • 例えば、派遣先企業にAさんを1年派遣した後、後任のBさんを同じ部署に配属する場合、Bさんは最長2年しか就業できない。その後3ヶ月と1日以上クーリング期間を経過するとBさんを再び派遣することや、Bさんの後任として新たにCさんを派遣することが可能となる
  • ただし、派遣先企業が継続して派遣社員の受け入れを希望する場合は、クーリング期間を設けずに契約を延長することが可能となる
鈴木様 社会保険労務士 鈴木圭史のアドバイス!
個人単位のクーリング期間は文字通り、派遣社員自身に紐づくものであり派遣元会社ごとに設定されるものではありません。

よって、何らかの事情により所属の派遣元会社の変更がたまたまあったけど派遣先会社が同じで業務などが同一であれば所属派遣元会社に変更があっても通算されることにご留意ください。(2022年2月執筆)

【参考リンク】
厚生労働省「平成27年労働者派遣法改正法の概要」
パソナ「労働者派遣法のルール|Q25.いわゆる「クーリング期間」とは?」
マンパワー-事業所単位の派遣期間制限と個人単位の派遣期間制限との関係

クーリング期間に入ると派遣社員の有給はリセットされる?

クーリング期間に入り、派遣会社と派遣社員の雇用契約が終了したら、これまで3年間の就業実績がリセットされるため、残っていた有給休暇もリセットされます。

残っている有給休暇をすべて使用したい場合は、派遣の契約期間を終える前に使用する必要があります。

また、有給休暇をまとめて使用する場合は、事前に派遣会社や派遣先企業に確認が必要な場合もありますので、早めに相談するとよいでしょう。

鈴木様 社会保険労務士 鈴木圭史のアドバイス!
クーリング期間に入ったから年次有給休暇がなくなるわけではありません。年次有給休暇は派遣社員と派遣元会社との契約で発生するものだからです。

クーリング期間になり派遣社員と派遣元会社の雇用契約が終了(=退職)となれば終了日(退職)以降に取得はできないという理屈になるでしょう。
このニュアンスにご注意ください。(2022年2月執筆)

派遣会社を乗り換えて同じ派遣先企業で就業する場合も3年ルールは通算される?

有期雇用の派遣社員が、同じ派遣先企業の同一部署で働く場合、途中で派遣会社A社から派遣会社B社に乗り換えたとしても3年ルールの日数は通算されてカウントとなりますのでご注意ください。

【参考】アデコ-Q6 派遣先における個人単位の期間制限の通算

クーリング期間後に同じ派遣先企業と契約することは可能?

クーリング期間の終了後に、以前と同じ派遣先企業の同一部署に配属されることは可能ですが、その保証はありません。

クーリング期間を経過後、再び派遣社員として同じ派遣先企業の同一部署に雇用される可能性がある場合は、事前に派遣会社からの打診があることが多いです。

一般的には3年間の派遣期間が終了したあと、3ヶ月と1日以上のクーリング期間を設けて再契約することは少なく、他の派遣社員を新たに配置する場合が多いです。

鈴木様 社会保険労務士 鈴木圭史のアドバイス!
「派遣のクーリング期間後に再び同じ派遣先企業で就業する方」はあまり聞いたことがないですね。

人材不足の昨今、派遣元会社は派遣社員との契約内容を無期雇用に切り替えそもそものクーリング期間の問題が発生しないことが多いような印象です。

また、3ヶ月と1日後に都合よく同じ派遣先会社で同じ仕事について欠員があるかというとなかなか簡単ではないでしょう。(2022年2月執筆)

クーリング期間を繰り返して派遣社員を配置することは違法?

派遣会社や派遣先企業がクーリング期間を利用して、派遣社員の配置を続けることは違法ではありません。

ただし、派遣社員を繰り返し雇用することは「労働者のキャリアップ」の観点から不適切であるとされています。

【参考】
パソナ「労働者派遣法のルール|Q26.「事業所単位の派遣期間制限」を延長する場合に必要な手続き(過半数労働組合等の意見聴取)とは?」
厚生労働省「派遣先の皆様へ」

クーリング期間中の雇用保険(失業手当)は受給できる?

クーリング期間終了後、すぐに以前と同じ派遣先企業の同一部署での雇用が決まっている場合はクーリング期間中の雇用保険(失業手当)の受給は難しいです。

派遣社員が退職した場合、原則として自己都合退職(一般受給資格者)の扱いとなり、雇用保険の受給まで、「3ヶ月間の給付制限期間」が必要となります。

「抵触日より3ヶ月と1日以上」クーリング期間終了後、すぐに以前と同じ派遣先企業の同一部署での雇用が決まっている場合は、雇用保険の受給時期よりも早く派遣社員としての就業日を迎えることになるため、雇用保険を受給することはできません。

【参考】
パソナ「派遣社員も失業保険が貰える!? ~受給条件や手続きの流れについて~」
ハローワーク「離職された皆様へ」

産休・育休を取った場合、抵触日やクーリング期間はどうなるの?

派遣社員として就業中に産休や育児休暇を取得する場合、派遣社員としての契約期間は継続しているため抵触日やクーリング期間が延長されることはありません。

鈴木様 社会保険労務士 鈴木圭史のアドバイス!
産休・育休を取得することは派遣元会社・派遣先会社ともに不利益な取扱いをしないことと省令に記述があります。人材不足の昨今、派遣元会社も復帰を期待することが多いように感じます。
産休・育休の復帰に積極的な派遣元会社が派遣元会社選びのポイントともいえるでしょう。

なお、派遣元会社選びの目安のひとつに「優良派遣事業者認定制度」が厚生労働省の委託事業として制度化されています。2021年9月現在で156社が取得をしています。たくさんある派遣元会社でどこがとなれば一つの目安となるでしょう。
現在、派遣元会社を選定中のみなさまは一つの目安としてご検討頂ければ幸いです。(2022年2月執筆)

派遣社員のテレワーク(自宅勤務)は抵触日やクーリング期間に影響がある?

2020年1月以降、新型コロナウイルスの影響で派遣社員の方でもテレワーク(自宅勤務)を行う場面が増えています。

勤務形態がテレワークとなり派遣先企業ではなく、自宅で就業することになっても抵触日やクーリング期間に影響はありません。

60歳以上の派遣社員は抵触日やクーリング期間の対象外?

60歳以上の派遣社員は3年ルールの適用外となり、同じ派遣先企業で3年以上勤務し続けることが可能です。

その他にも下記の条件に当てはまる方は「派遣の抵触日」の制限を受けずに働くことが可能となります。

派遣期間制限を受けない人
以下の人たちは派遣期間制限を受けません
・派遣会社に無期雇用されている人
・60歳以上の人
・終期が明確な有期プロジェクト業務で働く人
・日数限定業務(1か月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下である)で働く人
・産前産後休業、育児休業、介護休業を取得する労働者の業務をする人
【引用元】マンパワー-派遣の抵触日とは? 3年ルールとその注意点を解説

アルバイトやパートとして働く人にも抵触日は存在するの?

抵触日は、派遣社員のように「契約期間の定めがある方のキャリアの形成を実現するため」に設けられた制度です。

そのため、パートやアルバイトで契約期間の定めがない働き方のケースでは抵触日は存在しません。

クーリング期間を待たずに同じ派遣先企業で働き続ける方法はある?

派遣のクーリング期間を待たずに同じ派遣先企業で働き続ける方法を3つご紹介します。

いずれの場合も、派遣社員、派遣会社や派遣先企業の3者の話し合いや合意が必要となります。

①派遣先企業内で部署を移動する

派遣社員として3年以上働いた派遣先企業でも、部署異動を行えば同じ派遣先企業で働き続き続けることが可能です。

たとえば、派遣先企業の「経理課」で3年働いた後に「営業部」に異動する場合、同じ派遣先企業で就業を継続することが可能となります。

ただし、以下のような場合は都道府県労働局の指導対象となるためご注意ください。

  • 契約上は部署異動しているが、実際は以前と全く同じ業務を行っている場合
  • 3ヶ月と1日以上のクーリング期間を終えた後、以前の部署に戻って働くなどの行為

【参考】厚生労働省「派遣先の皆様へ」

②派遣会社との契約を有期雇用から無期雇用に変更する

派遣会社との契約を無期労働契約(雇用期間の定めがない契約)に切り替えると、派遣の3年ルールの対象外となるため、同じ派遣先企業で3年以上働き続けることが可能です。

有期雇用の派遣社員から、無期労働契約に契約変更するためには、以下の条件を満たす必要があります。

【無期転換申込権】
  • 派遣会社との有期労働契約期間が通算5年以上になる方
  • 契約更新を1回以上行っている方
  • 現時点で派遣会社との有期労働契約が締結されている方
    ※契約期間が6ヶ月以上ない状態が続いた場合、それ以前に働いていた契約期間は通算から除外となりますのでご注意ください

【参考】厚生労働省「無期転換ルールハンドブック」

③派遣先企業との直接雇用契約に切り替る

派遣先企業と直接雇用の契約に切り替えると、「派遣の3年ルール」といった制限を受けなくなり安定した環境で働くことが可能となります。

派遣先企業から「直接雇用としてこれからも長く働いてほしい」という打診があった場合は、検討をおすすめします。

ただし、派遣社員は派遣会社と雇用契約を結んでいるため、直接雇用に切り替える場合は、必ず派遣会社の担当者、派遣社員、派遣先企業の三者間で話合いを進める必要があります。

また、派遣社員から直接雇用として採用される場合は、労働条件が一部変更となる場合もあります。給与、交通費、休暇などの労働条件を事前に確認することが大切です。

まとめ

この記事をまとめると、

【派遣の抵触日とは】
  • 派遣社員としての3年の契約期間が経過した翌日を「抵触日」といいます。
【派遣のクーリング期間とは】
  • 派遣の抵触日から開始して3ヶ月と1日以上の期間をクーリング期間といいます。
  • クーリング期間を経過すると、同じ派遣先企業の同一部署で再び働くことが可能となります。
派遣の抵触日やクーリング期間は、派遣社員の「キャリア形成」の観点から定められた法律です。

今の派遣先企業の仕事を3年以上続けたいと考えている場合は、「派遣先企業との直接雇用」や「派遣会社との契約を無期雇用」に切り替えるといった方法があります。まずは派遣会社の担当者に相談してみましょう。

この記事があなたのお役に立てば幸いです。

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