「派遣社員として働くために、契約期間がどれくらいになるのか不安・・・」
とお悩みではありませんか?
目次
派遣社員の契約期間とは
派遣社員は、長期雇用を目的とした正社員とは違い、契約期間が設けられています。
抵触日を迎えるたびに新しい契約が必要になる、派遣社員の契約期間はどれくらいのものになるのか、最長時の契約期間と最短時の契約期間について紹介します。
自分が理想とする契約期間はどれくらいの長さなのか、参考として考えてみてください。
最長契約期間
2015年の労働者派遣法改正により、派遣の最長契約期間は3年と決められました。そのため、3年以上同じ職場で働きたいと考えるのであれば、直接雇用を結ばなければなりません。
派遣社員の安定した雇用を促進するためのルールなので、派遣社員はこの規則に則って3年に1度、抵触日を迎えることになります。
最長契約の延長も可能
制約では最長で3年までとなっていますが、労働者の過半数で組織されている「過半数労働組合」へ意見聴取をすることで、追加して3年間、派遣社員としての契約を延長できる仕組みも作られています。
最短契約期間
こちらも2015年の労働者派遣法改正により、日雇い雇用が禁止された派遣の契約は、31日以上と決定されました。
つまり派遣社員としての契約の最短は、1ヶ月契約となります。
1ヶ月契約は、派遣先がきちんと業務をこなせる実力があるのか確かめる期間として使われることも多く、派遣社員側としても、長期の契約を結べる職場であるかどうか判断する場としても、重宝されています。
契約期間中の変更はできる?
派遣社員の契約期間中の契約変更ができるのかについて、延長と短縮両方のケースを例にしてまとめます。
会社もしくは派遣社員の都合で、契約期間の変更はできるのでしょうか?
契約期間の延長
派遣社員の契約期間の延長については、派遣会社と派遣先だけでなく、派遣社員の同意も必要となります。
原則契約期間の変更はできないようになっていますが、延長の場合は3ヶ月ごとに行われる、契約を更新するか終了するかの判断の際に、新しく更新されることになるでしょう。
ただし最長契約期間である、3年以上の延長はできません。
契約期間の短縮
契約期間の短縮についても、原則では契約期間中の変更を行うことはできません。
契約期間については派遣会社が調整することになるので、期間の短縮を望む場合は、派遣先に伝えず、派遣会社に相談するようにしましょう。
契約破棄は自由にできるのか?
派遣社員側が派遣先との契約を破棄することは、自由にできるのでしょうか?契約破棄についてのルールについてまとめました。
途中破棄や退職は原則できない
派遣契約は、業務を始める前に契約期間が定められた雇用契約を締結していることになるため、原則では契約期間中で途中退職をする、契約破棄を行うことはできません。
自由度が高いとイメージされがちな派遣社員ですが、「仕事に飽きたから」などの理由で、 好きなタイミングの契約破棄ができない部分にはご注意ください。
途中破棄・退職ができる特別なケース
契約期間中の途中破棄や、退職は原則禁止されていますが、家族の転勤や、病気を患ってしまい、勤務の継続が困難になってしまった場合などのケースであれば、途中退職が認められる場合もあります。
派遣の1ヶ月契約の可否
本来ならできるだけ長く派遣先との契約を続けたいと考えますが、なぜ1ヶ月といった短い間での契約が存在しているのでしょうか。
1ヶ月契約に必要な条件と、1ヶ月契約が必要とされる理由についてお伝えします。
1ヶ月契約には31日以上の勤務契約が必要
派遣先と1ヶ月契約を結ぶ際は、最短契約として認められる、31日以上の勤務契約が必要となります。
1ヶ月契約だからといって、「2月は28日しかないから、その期間だけの契約を」ということはできません。
30日以下の1ヶ月契約は違法になる
もし派遣として30日以下の1ヶ月契約が行われた場合は、企業側に「許可の取り消し」や「業務改善命令」、もしくは「事業停止命令」などが課されることになります。
あくまでも企業側が罰せられることになるため、もし30日以下で働いていたとしても、派遣社員が罰せられることはありません。
日雇い派遣で働けるケース
日雇い派遣は原則禁止されていますが、
などの条件を満たしていれば、日雇い派遣を活用できます。
1ヶ月更新がある理由
1ヶ月更新があるひとつの理由としては、31日以上雇用される見込みが必要とされる社会保険の、加入義務を回避できるところにあります。
社会保険の加入が回避できれば、その分の支払いをしなくて済むということです。
ただし試用期間として初回だけ1ヶ月の更新は認められていますが、それ以外の契約は禁止されています。
派遣先の一方的な契約変更は違法になる?
派遣先が正当な理由がないにも関わらず、勝手な契約変更を行った場合は違法となるのでしょうか?
会社都合による勝手な契約変更は禁止されている
会社都合による勝手な契約変更は、派遣社員側のルールと同じく禁止されています。もし契約変更を行う場合は、派遣会社はもちろんのこと、派遣社員の同意も必要とされます。
派遣会社との打ち合わせもなくいきなり派遣先から契約を短縮されたり、退職をほのめかされたりした場合は、派遣会社に迷わず相談するようにしましょう。
中途解約は違約金の対象になる
派遣会社側が勝手な都合で中途解約を行なった場合は、派遣契約が1年以上継続もしくは、3回以上の契約更新を行っている状態であれば、
30日前までの告知あるいは、30日以上の賃金相当分の損害賠償を支払うことが義務付けられています。
会社都合で解約されたら派遣会社は保証してくれる?
派遣社員が会社都合で解約された場合、本来働く予定だった期間の間、平均賃金の6割以上に当たる休業手当の支払いが義務づけられています。
派遣会社はその支払額を、派遣先に請求できるようになっています。
本来はこのようなことはあってはなりませんが、経営不振などはいつ起こるかわからないため、途中解約される危険性もあることを忘れないようにしましょう。
契約期間の終了や更新時期
派遣社員の契約期間の終了や更新について、どんなタイミングで報告されるのかについてまとめました。
派遣先が間違ったタイミングで報告を行っていないか見極めるためにも、事前に覚えておきましょう。
契約更新のタイミング
契約期間の更新を行う場合は、派遣会社側が1ヶ月前に告知することが義務付けられています。
3年以下の契約であれば、契約を更新してもらえることもあるため、可能性はゼロではありません。
同じ職場の契約を更新したいと考えている時は、その旨を派遣会社にも伝えて、日々の業務に力を入れて取り組みましょう。
契約終了のタイミング
契約の終了をする場合は、30日前に派遣先からの告知が必要となります。告知もなく契約が終了されたり、契約期間中に契約終了が告げられるようなことがあれば、派遣会社にまずは相談しましょう。
法的手続きが必要な場合は、弁護士などに相談してみるのもひとつの方法です。
派遣社員を辞める時の注意点
派遣社員として、勤務を辞めたいと思った時の注意点をそれぞれ紹介します。
規則やルールに則った方法での退職を心がけましょう。
やむを得ない事情がない限り途中解約はやめておこう
途中解約は基本的に禁止されていますが、派遣社員が途中でやめたとしても特にペナルティはありません。
しかし、やむを得ない理由以外での途中解約をしてしまうと、自分自身の信用をなくしてしまうだけでなく、派遣会社側も、派遣先から悪いイメージを持たれてしまいかねません。
派遣会社にもよりますが、相談もなく派遣先に途中解約を申し出た場合は、次の仕事が紹介されづらくなったり、最悪の場合、解約になったりすることも考えられます。
更新日を迎える前に早めに契約終了することを伝えよう
もし契約終了をしたいのであれば、次の更新日を迎える前に、早めに派遣会社に伝えるようにしましょう。
派遣会社からすると代わりの人員を準備しなければならなくなるため、遅くても一月前には相談しておくことをおすすめします。
ギリギリになればなるだけ、派遣先と派遣会社両方に迷惑をかけることになってしまいます。
転職したい時のベストなタイミング
新しい職場への転職を行う時は、どのタイミングがベストなのでしょうか。派遣先にも派遣会社にも、出来る限り迷惑をかけない転職の方法を選びましょう。
円滑に契約終了できるタイミングを見極めよう
転職を行う時のタイミングは、円滑に契約終了ができる抵触日です。契約をしっかり終えた上での転職希望であれば、誰にも迷惑をかけずに済みます。
どうしても一刻も早く転職を行いたいという方は、派遣会社に相談してみることから始めましょう。
勝手に自分の口から派遣先へ伝えることは、トラブルとなる危険性があるため、避けるようにしてください。
派遣社員で働く時に失敗しない契約期間の選び方
派遣社員で働くなら、2から3ヶ月の短期契約を結ぶのか、半年から1年以上の長期契約を選ぶのか、失敗しない契約期間の選び方を紹介します。
短期契約と長期契約、自分がどちらに向いているのか見比べてみましょう。
短期契約がおすすめの方
派遣社員として短期契約の仕事に向いているのは、様々な職務経験を積んだり、空き時間を有効活用したりしたいという方々です。
短期の仕事であればより多くの仕事に挑戦できるチャンスができると同時に、自分の都合に合わせて時間が融通しやすくなるため、プライベートを重視して働きたいという時におすすめです。
長期契約がおすすめの方
長期契約の場合は、
安定した収入
などのメリットがあります。長期契約をすればその間の収入を確保することもでき、3年契約の後、会社に気に入られれば、直接雇用も狙える点は魅力に感じるのではないでしょうか。
また同じ職場で働くことで、勤務先の職務に関する知識やスキルが身につくだけでなく、チームワークなども生まれるため、働きやすさやスキルアップを目指す場合にも、長期契約はおすすめです。
1ヶ月契約はどんな時にするの
1ヶ月契約や日雇いを選ぶときは、大抵、社会保険の加入が義務とならない職場で働きたいという時に選ばれます。
例えば副業として、お小遣い稼ぎに1ヶ月契約や日雇いをしている方もいます。
また初回だけ1ヶ月契約を結んで、業務体験をする期間として活用されるケースもあるため、試しに働いて、派遣先の様子をみたいという時にも便利です。
契約期間が満了になったら失業保険はもらえる?
契約期間が満了になった際に、仕事探しの資金となる失業保険がもらえるのかどうか、失業保険をもらうための条件について解説します。
派遣社員が失業保険をもらうための条件
派遣社員が失業保険をもらうためには、
以上の2つの条件を満たしていれば、契約満了後に失業保険を受け取れます。
ただし失業保険をもらうためには、就職する意思があると判断されなければなりません。詳しい手続きについては、お近くのハローワークをご利用ください。
失業保険を活用して今後の転職や契約に役立てよう
失業保険は、 新しい派遣先や転職先を探すための資金として活用できるため、スキルアップを図りながら最大限活かせるように有効活用しましょう。
何度も利用するような保険ではありませんが、もし途中で契約が終了してしまった際にも、条件を満たしていれば申請できます。
途中退職になった場合は、慌てずに仕事探しに専念してください。
派遣の契約期間中に有給消化はできるか?
派遣の契約期間中の有給消化については、ケースバイケースです。
例えば一人事務の場合、休んでしまうと仕事が回らなくなってしまって、有給が使えないといったケースも存在します。
有給休暇について不満に思っていることや、疑問点などがあった場合は、派遣元の派遣会社に早めに相談するようにしましょう。
派遣の契約期間中に妊娠や結婚(ご主人の転勤)などが起きた場合はどうなる?
これについても、派遣先によってケースバイケースです。
妊娠の辛さにも個人差があるので、育児休暇を取ったり、途中退職などを行なったりしたい場合は、派遣元の派遣会社とはやめによく相談しましょう。
まとめ
この記事をまとめると、
派遣社員の契約期間は最短で31日以上、最長で3年までの業務となるため、それ以下や、それ以上の業務になってしまいそうな時は、派遣会社に相談して対応してもらうようにしましょう。
契約期間の変更と途中退職は原則できない
派遣の契約期間について、派遣先もしくは派遣社員だけの判断で、契約期間の変更を行ったり、途中退職を行なったりすることはできません。
やむを得ない事情などがある場合は、派遣会社に報告を行い、派遣先と派遣社員も含めた同意がなければ違法行為となってしまいます。
報告義務や契約期間の遵守など、働く側も雇う側も、円滑に業務を行えるように規則を守って行動していきましょう。
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