派遣社員が早く帰らされるって本当?契約と異なる労働時間になる理由と対処法

「派遣先企業が契約を守った労働時間で働かせてくれるか不安・・・」

とお悩みではありませんか?

派遣会社に約6年勤務した「#就職しよう」編集部の中塚が、派遣の早く帰らされるケースについて解説します。

この記事で、労働時間が異なるときの対処方法を身につけていただければ幸いです。

目次

派遣社員が早く帰らされるのはどんな時?

派遣社員が派遣先企業に早く帰らされるケースは、どんな時に起こりうるのか紹介します。

派遣先企業によって違いはありますが、どんな時に早退させられる可能性があるのか知っておけば、焦らずに対応できるようになります。

台風や大雪などの天候が悪い時

台風や大雪などで交通機関のマヒなどのおそれがある場合、定時より早く帰ることになるケースもあります。

また、自然災害が原因の早退の場合は不可抗力とされるため、休業手当の対象とはなりません。

しかし、災害とされないような悪天候で集客が減るからといった理由で派遣社員が早退させられる場合は、休業手当の対象となる可能性があります。

取引先のキャンセルなどによる仕事の減少があった時

取引先のキャンセルなどによって派遣先企業の仕事の減少があった場合、派遣社員に回せる仕事がないということで早く帰らされるケースもあります。

仕事の減少による早退の場合は、有給休暇として認めてもらえる場合もあれば、休業手当で対応してくれる派遣先企業もあります。

現在はコロナによる仕事の減少の影響が大きい

新型コロナの感染拡大により、仕事が減少したことで早退させられるケースも増えてきています。

ただし、コロナウイルス感染の疑いがある派遣社員を派遣先企業の判断で休業させた場合などは、「使用者の責に帰すべき事由」とされるため、派遣会社は休業手当の支払いを行わなければなりません。

一方で、政府から休業要請を受けたり、新型コロナウイルスの感染者が出たりした場合などは派遣先企業の責任とはならないため、派遣社員が休業手当の対象とはならない点にはご注意ください。

派遣先企業のパワハラで早く帰らされることもある?

派遣先企業の勝手な都合を押し付けられて派遣社員が早く帰らされることは、非常に少ないケースではありますが、存在することは事実です。

実際に、どのような派遣先企業の理不尽な理由で派遣社員が帰らされたことがあるのか、一部を紹介します。

もしも、派遣先企業から本当に不当な理由で早退させられるようなことがあれば、派遣会社に相談するようにしてください。

ちょっとしたミスをしただけで帰らされたことも

派遣社員が業務に大きな支障をきたさないようなちょっとしたミスをしただけで、派遣先企業から強制的に帰らされたというケースも残念ながらあります。

派遣社員に何度も注意していたことが改善されなかったために、契約更新時に契約が終了するということはありますが、少しのミスを犯しただけで早退させたり、休ませたりする行為は派遣先企業として許される行為ではありません。

正社員にだけ仕事を回して派遣社員は早く帰らせることも

派遣先企業によっては、正社員で十分に仕事が回るからと派遣社員を早く帰らせるケースもありました。

派遣社員に仕事を回せないのは、派遣先企業の人事がうまく機能していないことがほとんどです。

派遣先企業に労働時間を守った仕事をさせてもらえない時は、派遣会社に報告をして職場環境を改善してもらうように働きかけてもらうことも可能です。

バイトやパートも契約時間より短くなることはある?

派遣バイトはもちろん、直接雇用のバイトやパートも派遣社員と同じように、契約時間より短い時間の労働になってしまうこともあります。

自然災害などのやむを得ない理由で早く帰らされることがほとんどですが、会社の都合を押し付けるパワハラのようなことをしてくるようなバイト先やパート先も多少ながら存在します。

日雇い派遣も契約時間より早く終わることもある

日雇い派遣であっても、契約時間よりも仕事が早く帰されることもありえます。

派遣先企業の責任が及ぶ会社都合の派遣社員を早退させることに関して、日雇い派遣であっても休業手当の対象となります。

コロナ禍で正社員であっても就業時間より早く帰ることもある

コロナ渦で派遣社員が所定労働時間より短い時間で帰ることがあるとお伝えしましたが、正社員でも同様に早く帰るケースもあります。

正社員の場合は、就職した会社によってコロナに対する考え方も異なるため対応も違ってきます。

派遣社員の場合は、派遣先企業と派遣会社の双方で考え方が異なる場合もあるため、コロナで早く帰ることになった場合にどのようなサポートをしてもらえるのか、不安に思う方は派遣会社に確認してください。

早上がりではなく勤務日数が減らされることもある?

会社の都合などで早上がりではなく、「明日は休んでいいよ」と伝えられて勤務日数事態が減らされるようなことも少なからずあります。

仕事が減少したことなどによる会社都合で、勤務日数が減らされることに関しては休業手当に該当することになります。

しかし、給料をそのまま減給してしまうような派遣先企業も残念ながら存在しています。

めったに起きることではありませんが、勝手に勤務日数が減らされたり、給料がカットされるようなことがあったりしたら派遣会社に迷わずに相談してください。

コロナの場合は派遣会社や派遣先企業の状況によって休業手当に該当する場合もあれば、該当しないこともあるので、事前に派遣会社に確認を取ることをおすすめします。

派遣先企業から早く帰らされたら給料はどうなるの?

派遣先企業から早く帰らされたら、給料はどのようになるのかについて詳しい情報をお伝えします。

ここでは会社都合によって早退させられた場合のケースを紹介します。

派遣会社が派遣社員の給料の6割を負担する義務がある

派遣社員が契約時間よりも短い定時前の時間で、会社都合によって帰らされた場合、派遣会社は派遣社員の給料の6割を保証する義務があります。

派遣会社の就業規則によっては、早退した日の給料の全額負担をしてくれるケースもあるため、派遣会社登録時に休業手当についても調べておくことをおすすめします。

逆に派遣先企業に残業を押し付けられることもあるの?

仕事が減って勤務時間や日数が減らされることもあれば、逆に業務などが増えて残業を押し付けられてしまうというケースも少なくありません。

残業に関しては契約上で決められていれば派遣社員にも応じる義務が発生しますが、規定された時間を超える残業や、契約上にない残業を派遣先企業が派遣社員にさせてはいけません。

規約に反する残業を押し付けられた場合は、派遣会社に相談をして対処してもらうようにしてください。

仕事が少なく暇だから早上がりするのは大丈夫?

仕事が少なくて暇だからと、派遣社員側から早上がりする行為は基本的にNGです。

体調不良や、子供や親の看病が必要になった場合などは認めてもらえますが、「暇だから」や、「遊びに行く」などの勝手な都合での早上がりは、派遣会社や派遣先企業からの信頼を失うことになります。

派遣先企業の仕事が暇で辛く感じたり、辞めたいと思ったりした時は派遣会社に派遣先企業の環境改善または、新しい求人探しをしてもらえるように相談してください。

残業や勤務時間短縮は違法行為になるの?

派遣先企業が強制的に、派遣社員に残業をさせたり勤務時間の短縮を行なったりする行為は違法にあたるのか解説します。

就業規則や社会的なルールを守った上で、派遣社員が安心して働けるように派遣会社と派遣先企業は、派遣社員に職場の提供を行わなければなりません。

派遣社員に残業をさせるためには36協定が必要

36協定とは、派遣社員を「1日8時間、一週間に40時間」の法定時間を超えて働かせる残業を負わせる場合、派遣会社が労働組合と結ばなければならない協定のことを指します。

36協定を派遣会社が結んでいれば、月45時間・年360時間までの上限の範囲で派遣社員に残業をさせても罪に問われることはありません。

臨時的な特別の事情があるケースであったとしても、労使の合意が得られれば、年720時間、複数月平均80時間以内、月100時間未満を超える残業はできません。

ただし月45時間を超えられるのは年間6ヶ月までと定められています。

派遣会社が派遣社員にサブロク協定を結んでいない状態で残業をさせたり、36協定を超えるような残業をさせたりした場合、派遣会社は労働基準違反をしたとみなされます。

契約にないシフトカットや残業は違法行為とみなされる

36協定をいくら結んでいても、「残業あり」を条件とした雇用契約を結んでいなければ、派遣会社や派遣先企業が派遣社員に残業をさせてしまうと違法行為とみなされます。

また、派遣先企業がシフトカットを行なった場合は、本来支払われる給料の6割の支払いを派遣会社が行わなければなりません。

もしシフトカットを行って派遣会社から適切な給料が払われなかった場合は、違法行為になります。

定時より早く上がるときは派遣会社に連絡するべき?

会社都合でも自己都合でも、早退することになった時は必ず派遣会社に連絡するようにしてください。

定時より早く上がる場合の給料について、休業手当の対象になるのか判断することはもちろんのこと、派遣先企業が契約を破った行為を行っていないか確認することにもつながります。

派遣会社に早く上がることを伝えていなかった場合、休業手当が支払われないなどの可能性もあるため、早退するその日に派遣会社に連絡をすることが大切です。

派遣先企業に無理やり早く帰らされた時の対処

派遣契約時間より短い時間で、派遣先企業に無理やり早く帰らされた時に効果的な対処方法を紹介します。

派遣先企業にされるがままにならないためにも、早めに対処をして不当な扱いを受けないように準備しておくことをおすすめします。

派遣会社に契約通りの時間で働けるように相談する

派遣先企業に無理やり早く帰らされた場合は、派遣会社に報告をして、契約通りの時間で働けるように派遣先企業に働きかけてもらうことができます。

派遣先企業に派遣会社から指示を出してもらえば、職場環境の改善を行ったり、契約内容を変更して労働時間を確保してもらったりなどの交渉をしてもらえます。

もし、派遣先企業が派遣会社の指示を聞かない場合は、派遣社員は派遣会社に新しい派遣先を探してもらうこともできるため、派遣先企業に強制的に帰らされるようなことがあれば早めに派遣会社に相談をしてください。

派遣社員は残業を断れるの?

派遣社員が派遣先企業から残業を指示された場合、どのような条件下であれば残業を断れるのか解説していきます。

派遣社員であっても、契約内容によっては残業をしなければならないことがある点にはご注意ください。

契約上に残業についての記載がない場合は断れる

派遣会社の就業規則や、派遣先企業との契約上に残業についての記載がない場合は、派遣社員は残業をする義務がないため、派遣先企業からの残業を断ることが可能です。

通常であれば、派遣会社から契約前に残業に対応できるかどうか確認されるので、残業をしたくない方は事前に派遣会社に伝えて、残業のない派遣先を探すことが重要です。

契約上の1日や1ヶ月の残業時間を超過する場合も断れる

派遣社員が残業を行う際に、派遣会社の就業規則で「一週間で6時間以内の残業であれば可」というような文言があった場合は、1週間で6時間を超過するような残業について断ることが可能です。

1日何時間、1ヶ月で何時間などの決まりがある場合は 、派遣先企業もそのルールに則って派遣社員に仕事を割り振らなければなりません。

派遣社員が残業したら残業代はもらえるの?

派遣社員が残業を行った場合、派遣会社は派遣社員の残業代をしっかりと支払わなければなりません。

派遣社員が残業を行った場合、どれぐらいの残業代が支払われるのか、残業代の計算方法についても解説します。

残業代の計算方法

労働基準法では、派遣社員も含めた労働者に派遣先企業が1日8時間、一週間で40時間を超えるような仕事を与えた場合、派遣会社は通常賃金の25%以上を割増した賃金を支払わなければなりません。

計算方法は
時間給×1.25(割増)×残業した時間

で残業代が算出されます。

割増される率に関しては派遣会社によっては25% よりも高く設定されていることもあるため、残業代が気になる方は登録している派遣会社が残業した時にどれぐらい割増されるのか確認してください。

派遣先企業の所定労働時間に関するやってはいけないこと

派遣先企業が所定労働時間に関して、派遣社員にやってはいけないことをそれぞれ解説していきます。

違法行為として扱われる可能性のある行為なので、労働時間の管理を正しく理解するためにも事前に把握しておくことをおすすめします。

早上がりを残業で相殺しようとする行為

早上がりした時間は残業に当てれば相殺できると思われがちです。

しかし、残業は1日の労働時間が8時間を超えた時点で残業代を支払わなければならないため、たとえ派遣社員が早上がりしたとしても残業させた時間とは関係ないため、派遣会社は残業代を支払わなければなりません。

労使協定で、予め1ヶ月の総労働時間が一定の枠内におさまったならば残業代を計算しなくても済む、「1ヶ月単位の変形労働時間制」といった特例を結んでいれば、残業代を支払わなくて済むこともあります。

ただし、急な早上がりをさせて残業で相殺させる行為は認められるものではありません。

強制的に早上がりを有給消化扱いにする行為

有給休暇は派遣社員であっても、派遣先企業などの都合による労働者の希望や同意のない有給の消化は認められません。

逆に、派遣社員に早上がりを指示した際に、派遣社員から有給消化の希望があった場合に関しては派遣先企業が断ることは違法となりません。

派遣社員の希望があったから必ず有給消化を認めなければならないというわけではなく、あくまでも強制的に派遣会社や派遣先企業が有給を消化させる行為が禁止とされています。

派遣会社と派遣社員、派遣先企業の三者の間でトラブルにならないように有給の消化について取り決めておくことが大切です。

始業時間より早く来させる行為

就業時間より早くこさせる行為は、場合によってはパワハラになる危険性があります。

就業時間よりも派遣社員に早く来てもらうためには、なぜその派遣社員が早く来なければいけないのか、派遣社員自身がその指示に納得していなければなりません。

業務の適正な範囲内であれば大きな問題になることはありませんが、派遣社員が嫌がっているのにも関わらず無理やり朝早く来させてしまうのはやってはいけない行為になります。

派遣社員から早退や残業は希望できる?

派遣先企業が勝手な早退や残業をさせてはいけないとされていますが、逆に派遣社員が早退や残業を希望することはできるのでしょうか?

派遣社員がどのような時に早退や残業を認めてもらえるのか解説していきます。

やむを得ない理由があれば早退は認めてもらえる

派遣社員から早退を願い出る場合、体調不良や家族の看病が必要になったなどのやむを得ない理由がなければ基本的に認めてもらえません。

早退をしたい日が先に決まっているのであれば、事前に派遣会社に報告をしてその日は早退させてもらうようにしておくとスムーズです。

残業をする時は必ず派遣先企業の許可が必要

定時までに自分の仕事が終わらない時などに、派遣社員が残業を望む場合、派遣先企業の許可が必要になります。

派遣社員が残業をすると、時間分の残業代を派遣会社が支払わなければならなくなるため、派遣先企業の指揮担当者にあたる社員に確認を取るようにしてください。

派遣先の指揮担当者は派遣社員が残業をしたことを派遣会社に伝えてくれます。

自分1人で判断して後で残業したことを伝えても、正式な残業として認めてもらえない場合もあるため、残業を希望する時は必ず派遣先企業に確認することが重要です。

大手派遣会社の早上がりと残業への対応

大手派遣会社が早上がりや産業に対してどのような対応をしているのか、それぞれ紹介していきます。

早上がりや残業への決まりは派遣会社によって異なるケースもあるので、自分が登録している派遣会社はどのような対応をとっているのか、一度確認しておくことをおすすめします。

フルキャストの対応

フルキャストではコンプライアンス活動に力を入れています。

就業後のアンケートなどで、派遣先企業の仕事で問題が起きていないか確認を行ったり、派遣社員が気軽に希望や意見を出せる「キャスト目安箱」が設置されています。

また、コンプライアンス体制を作るためにコンプライアンス専門部署を設けるなど、派遣社員がトラブルに巻き込まれることなく仕事ができるようなサポートが充実しています。

派遣先企業で働いていて何か仕事について問題が起きた場合は、フルキャストに報告をして対応してもらうようにしてください。

パソナの対応

パソナでは早退についての相談に乗ってくれることはもちろんのこと、 パソナの36協定提出内容と派遣契約に基づいた、

  • 1日8時間
  • 1ヶ月45時間
  • 年間360時間

の範囲内で過重労働にならないよう派遣先企業に働きかけています。

その他にも欠勤や有給休暇、業務内容や業務量の変更についてパソナへの報告が必要となっているため、派遣先企業が勝手な判断で仕事を増やしたり減らしたりできないような環境づくりが行われています。

ヒューマンリソシアの対応

ヒューマンリソシアでは、派遣社員が仕事上の悩みや不安を抱えていることに関しての相談や、福利厚生などの多くのサポートを行なっています。

早退や残業についても、派遣社員が相談しやすいように就業後のフォローも一貫してサポートしてくれます。

リクルートスタッフィングの対応

リクルートスタッフィングでは、残業について月45時間、年360時間が条件として取り決められています。

臨時的かつ特別の事情がある場合に限定して、年720時間以内、時間外労働と休日労働の合計が月80時間以内に収めることを派遣先企業に求めています。

また派遣社員が45時間を超える時間外労働ができるのは6ヶ月までとされています。

早上がりについて詳しく知りたい方は、リクルートスタッフィングまでお問い合わせください。

スタッフサービスの対応

スタッフサービスでは、残業のない派遣先企業もあれば、月末や年度末の繁忙期に残業が多くなりやすいような派遣先企業もあります。

法律上割増金の対象となる残業についてはしっかりと残業代が支払われる仕組みとなっているので、残業があるような派遣先企業でも派遣社員が働きやすいようにされています。

早退で欠勤になった時などについてはQ&Aなどを活用すれば詳しく知ることができるので、調べてみることをおすすめします。

テンプスタッフの対応

テンプスタッフでは、就業後のキャリアアップやお悩み相談までトータル的なサポートをしてくれるため、残業や早退についても適切な対応をしています。

残業代や早退した時の休業手当などについて詳しい情報を得たいときは、テンプスタッフに直接連絡することで、詳しく教えてもらえます。

まとめ

この記事をまとめると、

派遣先企業が派遣社員を早く帰らせるのは会社都合だけじゃない
仕事が減少したことで派遣会社から早く帰らされることもありますが、台風や豪雪などの不可抗力が原因とされる早退になるケースもあります。

会社都合の場合は休業手当の対象となりますが、派遣先企業の責任に問われない内容の場合は休業手当が支給されない点にはご注意ください。

強制的な早上がりや残業をさせられそうになった時は派遣会社に相談しよう
派遣会社によって会社都合の早上がりで支給される休業手当や、残業代の内容が異なる場合もあるため、派遣先企業から強制的に早上がりや残業をさせられた時は派遣会社に相談してください。

就業規則や36協定などの決まりを破ることは派遣先企業の違反行為ともなるため、派遣社員として働いていくためにも労働時間に関する情報を把握しておくことをおすすめします。