紹介予定派遣に試用期間はある?一般的な派遣との違いやデメリットも解説

この記事の管理者株式会社アドバンスフロー
代表取締役 中塚 章浩

大手人材会社にて約6年勤務。 派遣業務、転職エージェント業務、新卒採用代行業務など、幅広い業務を経験。面接ノウハウが評判・Twitter(@shushokushiyou)

「紹介予定派遣の試用期間はあるの?」

とお悩みではありませんか?

派遣会社に約6年勤務した#就職しよう編集部の中塚が、紹介予定派遣の試用期間について解説します。

この記事で、あなたが抱えていた派遣の悩みや不安を、少しでも解消できれば幸いです。

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紹介予定派遣の試用期間はある?

紹介予定派遣とは、一定の派遣期間が経過したら派遣先の企業で直接雇用する流れの派遣形態です。派遣期間中に通常の試用期間で行う内容を済ませているので、基本的に本採用後の試用期間はありません。

採用後に試用期間を設けると厚生労働省による行政指導の対象となるため、派遣された企業で採用後に再度の試用期間を言い渡されたら、派遣会社やハローワークなどに相談するようにしましょう。

派遣期間がどれくらいか、採用の可否をどう決めるかなどは会社によって異なるので、紹介予定派遣を利用する際は派遣先のシステムをよく確認することが重要です。

紹介予定派遣は1ヶ月で辞めることはできる?

結論からいえば、数か月ある紹介予定派遣を1ヶ月で辞めることは可能ですが、あまりおすすめはできません。

紹介予定派遣にエントリーし、面接などの選考を通過すると派遣先での派遣期間がスタートします。おそらく1ヶ月も働けば、派遣先の雰囲気や仕事内容の適性をだいたいは確かめられるでしょう。

仮にその時点で「合わない」と感じたとしても、辞退を申し出るのは少し早いです。働いた期間が短すぎるため、派遣先の企業にも派遣会社にも「堪え性のない人だ」などと思われてしまうでしょう。

例外として、「最短派遣期間は1ヶ月」という条件を提示している企業であれば、条件を守ったうえでの辞退になるので問題はないです。

派遣期間が終了する2週間~1ヶ月前くらいに、派遣先の担当者から正式に入社する気があるかを確認されます。そのタイミングで辞退すれば、悪い印象を持たれることなくスムーズに辞められるでしょう。

紹介予定派遣の期間短縮や延長は可能?

紹介予定派遣で働ける期間の最短は何か月?

紹介予定派遣での派遣期間は、最短で1日、最大で6ヶ月まで設定可能です。しかし、1日では労働者も派遣先も相手のことが何も確認できないため、「1日の派遣期間」というのはほぼありません。

ほとんどの企業は「派遣契約は31日以上」「派遣期間最短2ヶ月」など、1か月単位で派遣期間を設定しています。つまり、最短の派遣期間は1か月です。

一般的に、3ヶ月程度で採用の可否を判断する企業が多いです。ただ、派遣先の企業・派遣会社・労働者すべてが合意すれば、派遣期間を最初の設定より短縮して直雇用に切り替えることも可能です。

6ヶ月を超える期間の同一労働者の受け入れは違法

紹介予定派遣の派遣期間は最長6ヶ月で、それを超える期間を設定するのは違法です。派遣先で直接雇用した後で試用期間を設けることと同様、違反すると厚生労働省の行政指導が入ります。

いたずらに派遣期間が長くなるのは労働者にとって不利であるため、このような措置が取られています。

派遣先との面談などで派遣期間を確認し、6ヶ月を過ぎても直接雇用について派遣先の担当者が何も言ってこない場合は、派遣会社やハローワークに相談しましょう。

企業側が雇用を断る場合は不成立の理由の明示が必要

紹介予定派遣は、派遣期間満了後の直接雇用を100%保証するものではありません。そのため、派遣期間中の態度や能力などをみて、企業側が雇用を断る場合があります。

雇用を断る場合は、そう判断した理由を企業から派遣会社へ通知しなければなりません。通知方法は

  • 書面
  • ファクシミリ
  • 電子メール

のいずれかです。

こうした義務があることで、企業側による不条理な断りを防げます。企業が明示した理由は、派遣会社と労働者が以降の対策を立てるのに役立つでしょう。

紹介予定派遣の試用期間終了後、企業側からの直雇用を辞退すると気まずい?

派遣期間を通して「この企業は合わない」と判断する労働者は一定数いるので、企業は直雇用を断られることに慣れています。ほとんどの場合は、辞退の申し出はあっさり受け入れられるでしょう。

直雇用を辞退してもペナルティはありませんし、労働者に認められた正当な権利でもあるので、気まずさを感じる必要はありません。

とはいえ、企業側に対する礼を失すると、以降の派遣に支障をきたす場合があります。直雇用を断る際は、

  • 理由を正直に伝える
  • 仕事自体はきちんとこなす
  • 無断欠勤や遅刻などをしない
  • 企業の悪口を言わない

など、社会人としての常識を忘れないようにしましょう。

紹介予定派遣の試用期間制度は法律で禁止されている?

違反すると労働者派遣法に基づいて厚生労働省が行政指導を行う

厚生労働省が定めた「派遣先が講ずべき措置に関する指針」で、紹介予定派遣で雇い入れた労働者に対して試用期間を設けてはいけないとあります。これに違反すると厚生労働省による行政指導が入るため、派遣先の企業はその決まりを遵守しなければなりません。

紹介予定派遣の派遣期間が試用期間の意味合いを持っており、その間にお互いの相性や労働者の人柄や能力などは判断できているはずです。直雇用後に試用期間を設けるのは、雇用契約上、労働者にとって不利になります。

もし、紹介予定派遣で雇用された企業で再度の試用期間を設定されたら、派遣会社やハローワークに相談するようにしましょう。

派遣先と結ぶ労働条件通知書の記載事項とは?

紹介予定派遣であることと派遣期間

派遣先の企業から労働条件通知書を受け取った際は、「今回の派遣が紹介予定派遣であること」と「派遣期間」が明記されているかを、真っ先に確認しましょう。

自分では紹介予定派遣のつもりでも、通知書に記載がなければ通常の派遣と同じ扱いになってしまいます。その場合は当然、派遣期間が満了しても直雇用の話は出てきません。

派遣期間は企業によって異なりますし、試用期間的な意味合いもあるため、期間は正確に把握しておきましょう。

有給や退職金など就業条件の扱い

労働条件通知書には、「今回の派遣が紹介予定派遣であること」と「派遣期間」のほか

  • 就業場所
  • 業務内容
  • 業務時間(始業時刻と終業時刻)
  • 休憩時間
  • 休日や休暇
  • 賃金の計算方法
  • 賃金の締め日と支払日
  • 解雇を含む退職に関する事項

を記載するよう、労働基準法で定められています。このうち、「休日や休暇」「賃金の計算方法」を特に注意して確認しましょう。

というのも、企業によって「直雇用後の有給や退職金の計算に、派遣期間を入れるか入れないか」が分かれるからです。

派遣期間中に労働者と雇用関係にあるのは、あくまで派遣会社です。そのため、派遣先の企業は、直雇用した日から勤務日数のカウントを始めれば問題はありません。

ただ、「直雇用後の有給や退職金の計算に派遣期間を入れる」という特約を、派遣先の企業と労働者が結ぶことは可能です。その場合は、労働条件通知書にその旨を記載する必要があります。

紹介予定派遣の手数料とは?

派遣会社は紹介予定派遣で派遣した人材の直雇用が決定すると、求人を出した派遣先の企業から紹介手数料を受け取ります。

手数料の受け取り方には「上限制手数料」「届出制手数料」の2パターンがあり、厚生労働省に有料職業紹介事業の開業を届け出る際にどちらかを選ばなくてはなりません。

上限制手数料では「支払われた賃金の10.8%相当額」を上限に、届出制手数料では「求職者の年収の50%」を上限に徴収可能です。とはいえ、届出制手数料として年収の50%も支払われる例はほとんどなく、10~30%が相場とされています。

参考サイト:一般財団法人 日本職業協会

紹介予定派遣とは

そもそも紹介予定派遣とは、どのようなシステムなのでしょうか。

紹介予定派遣は、人材派遣業での派遣形態の1つです。労働者が派遣先の企業に直雇用(正社員・派遣社員)されることを前提として、一定期間人材を派遣します。直雇用の可能性が高いうえ、派遣先の企業とのミスマッチを減らせるシステムのため、労働者にとって魅力的なシステムです。

ただ、一般的な派遣業より取得しなければならない資格や認可が多いため、紹介予定派遣を行っている派遣会社は少ないのが現状です。また、紹介予定派遣を受け入れる企業数もまだ少なく、労働者にとっては狭き門と言えます。

一般的な派遣と紹介予定派遣(職業紹介)の違いとは?

一般的な派遣と紹介予定派遣にはいろいろ違いがありますが、最も大きな違いは「派遣先の企業に直雇用(正社員・派遣社員)されることが前提」という点です。

登録型派遣とも呼ばれる一般的な派遣では、労働者は派遣会社と雇用契約を結びます。派遣先の企業が労働者を直雇用したいと思っても、労働者の契約相手はあくまでも派遣会社なので、派遣期間中の直雇用はできません。

ほかにも、選考や派遣期間でも違いがあります。

一般的な派遣では事前面接が禁止されていますが、紹介予定派遣では直雇用が前提になっているので、面接などの事前選考が認められています。さらに、一般的な派遣の派遣期間が最大3年であるのに対し、紹介予定派遣では最大でも6ヶ月です。

紹介予定派遣のデメリットとは?

企業側が採用しない(更新しない)可能性がある

派遣期間満了後の直雇用が前提の紹介予定派遣ですが、企業側が「この人はウチの会社に合わない」と判断し、採用されずに派遣終了となる可能性があります。

直雇用が成立するには、労働者側・企業側双方の同意が必要です。派遣期間中に労働者のスキル不足や良くない人柄・態度などが発覚した場合、企業側から雇用契約を断られることは十分考えられます。

「紹介予定派遣は直雇用を100%保証するものではない」ということは、しっかり頭に入れておきましょう。

直雇用されても途中解約(クビ)になることがある

晴れて派遣先の企業に直雇用されても、それで安泰ということもありません。必ずしも、正社員として直雇用されるとは限らないからです。

試用期間代わりの派遣期間があったとしても、派遣社員から直雇用をスタートさせたいと考える企業は少なくありません。派遣社員としての直雇用だった場合、派遣期間の途中で解約されたり、派遣期間が更新されず契約終了となったりする可能性があります。

どういう待遇で直雇用されるかは、紹介予定派遣に応募する際によく確認しておきましょう。

派遣のままの方が給料が良い場合もある

派遣先の企業に正社員や派遣社員として直雇用されると、多くは給料が時給から月給に切り替わります。それによって、派遣期間中より給料が下がる可能性があるので注意が必要です。

紹介予定派遣を含む派遣社員の時給は、正社員やアルバイト・パートより高く設定される場合がほとんどです。月給に切り替わった給料を働いた時間で割ると、紹介予定派遣の頃より時給が低くなったという人は意外といます。

とはいえ、直雇用されればボーナスや残業代が支払われ、別の方向から給料が増える可能性もあります。企業の報酬体系については事前に把握しておきましょう。

まとめ

紹介予定派遣では派遣期間が試用期間的な意味合いを持っているため、直雇用後の試用期間は認められていません。さらには、派遣期間満了後の直雇用が前提であるので、効率よく職を決めたい労働者にとって魅力的なシステムといえます。

しかし、一般的な派遣より選考が厳しめで、直雇用が正社員待遇とは限らないなどのデメリットもあります。

紹介予定派遣の仕組みやデメリットも把握したうえで、自分に合っていると思ったのなら、積極的に探して応募してみましょう。

この記事が、あなたの転職に役立てたなら幸いです。