【現役派遣会社が教える】20代で派遣はもったいない?正社員から派遣になるメリットデメリット

記事執筆者
20代向け派遣会社勤務SUGURO

某大手派遣会社で、20代やIT系の人材派遣の営業担当として、派遣先企業への営業や派遣社員との面談・フォロー、同行などの業務を行う。現在も同派遣会社で働きながら、ブログを運営している。

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「20代で派遣ってどうなの?」
「正社員から派遣ってもったいない?」

と思っていませんか。

この記事では、20代での派遣はどうなのか、派遣のメリットやデメリットと一緒にご紹介します。

20代で派遣を検討している皆さまが、この記事で少しでも派遣について知っていただければ幸いです。

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20代で派遣社員になるのはもったいない?

正社員から派遣社員への転職は、もったいないということはありません。

派遣と聞くと、給料が低い、雇用が不安定、キャリア(正社員)が作れないという理由から「せっかくの正社員雇用なのにもったいない」と考えてしまいがちです。

しかし、きちんとポイントを踏まえれば、働き方のひとつとして有効に活用が可能です。

今回は実際の経験談も踏まえて正社員から派遣社員へ転職するメリット・デメリットを解説します。

今、悩んでいる方はぜひ転職活動の参考にしてみてください。

20代で正社員から派遣社員になるデメリットとは?

派遣社員は時給制だったり、雇用期間の定めがあったりと正社員と違うところがたくさんあります。

その違いをメリットと捉えるかデメリットと捉えるかは人それぞれですが、ここではまず正社員から派遣になる以下3点のデメリットを紹介していきます。

  1. 雇用が不安定になる
  2. 未経験の場合、収入が減少する可能性があるく
  3. 収入が不安定になる可能性がある

1.雇用が不安定になる

派遣は、派遣期間があるため正社員と比べて雇用が不安定になります。

派遣期間とは、派遣先と派遣元の間で交わされる契約期間で、一般的には1ヵ月~3ヶ月ほどです。

契約期間は随時更新が多いのですが、職場でのトラブル、能力不足等の理由でそのまま契約期間満了で終了もあり得ます。

2.未経験の場合、収入が減少する可能性がある

派遣社員で働く場合、就業先の勤務未経験だと収入が下がることがあります。

例えば派遣先企業がコールセンターとして、1年間コールセンター経験があるなど同じ仕事をしていないと経験とは認められません。

間接的に業務に活かせる経験をしていても、顔合わせの際に好印象になる程度です。

3.収入が不安定になる可能性がある

派遣は時給制であることが多いため、月の労働時間によって収入が変わるため、毎月の収入が不安定になります。

特に派遣先企業が祝日もお休みだと、ゴールデンウイークや、年末年始など大型連休のある月は収入が大きく減少し「こんなはずでは…」と後悔することもあり得ます。

20代で正社員から派遣社員になるメリットとは?

20代で正社員から派遣社員になるメリットとしては、自由度の高さやキャリアの選択肢の広がりなどが挙げられます。

具体的には次の3点となります。

  1. 自分の時間が確保しやすい
  2. 多様な業務に携わることでスキルが身に付く
  3. 派遣会社のフォローを受けることができる

1.自分の時間が確保しやすい

派遣社員の最もメリットとなり得るポイントは、自分の時間が確保しやすい点にあります。

派遣先企業が残業をお願いする場合、所属会社が違う派遣社員より自社の正社員にお願いする方が頼みやすく、残業にならない場合が多いです。(※そもそも契約上残業なしの場合もあります。)

特に事務系の派遣の仕事だと、ほぼ残業はない場合も多いです。

2.多様な業務に携わることでスキルが身に付く

派遣社員で働くメリットのひとつとして、多様な業務に関わりスキルを磨きやすいという点があります。

正社員だと複数業務に携わるには、部署異動しかありません。異動不可だったり、ポストがなかったりする場合は転職あるのみです。

しかし派遣社員は契約更新の際に、転職をせず別業務の派遣先企業を変えることが可能です。

3.派遣会社のフォローを受けることができる

派遣社員のもうひとつのメリットは、派遣会社のフォローを受けられる点です。

派遣会社によりますが、派遣社員は担当営業と連絡や面談をして、様々な相談ができます。

正社員だと相談役は上司になりますが、言いにくい事も多いでしょう。

派遣会社の担当営業は、直接業務に関わっていないため上司より気軽に相談できます。

20代で派遣社員として働く人の割合は?

2019年時点で、派遣社員である20代は15万人ほどで、20代の労働人口約729万人に対して約2.1%を占めています。

派遣社員数(対労働人口割合) 非正規労働者数(対労働人口割合)
20代 155,000人(2.13%) 2,041,000人(28%)
30代 235,000人(2.21%) 2,478,000人(23%)
40代 307,000人(2.03%) 3,954,000人(26%)

※参照:厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査」を元に弊社が表を作成

この結果をみると、20代で派遣社員として働く人の割合は低めになっています。

理由としては20代は新卒採用もあり、ポテンシャルで採用している企業も多いため、正社員で働ける就業機会が他の年代と比較して多いという点があります。

20代で正社員から派遣社員に転職はしやすい?

結論から言うと、20代で正社員から派遣社員への転職は、専門職の派遣でなければ、かなりやりやすいと言っていいでしょう。

実際の現場で派遣社員に求められるポイントは技術や経験ではなく、きちんとした挨拶やビジネスマナーができるかどうかです。

その点、実際に正社員として社会人経験を積みつつも、まだ吸収力のある若い20代の社員は重宝される傾向にあります。

転職の理由が人間関係のトラブルを起こしていたり、勤怠不良など出ない限り採用してもらえるでしょう。

20代から派遣社員で働いて将来は大丈夫なの?

派遣社員の将来性は派遣で働く際の最重要ポイントです。将来性については不安定な側面もありますが、どの様な目的で派遣として働くのかによります。

実際に20代派遣社員の中でも、何かの目的のために期限を決めて自発的に働いている人、派遣のデメリットを十分理解した上で自分で対策を講じている人は、問題なく未来を形成できています

反対に惰性で働いている、派遣で繋いでいるという人は将来を見据えたアクションを起こしましょう。

20代で派遣で働くならば押さえておきたいポイントは?

派遣社員として働く際に抑えておくポイントはお金、時間、将来という次の3点です。事前にチェックしておきましょう。

1.月給制か時給制か把握しよう

殆どの派遣社員は時給制になると思いますが、場合によっては月給制になることもあります。

まず自分がどの給与形態なのか確認しましょう。

また、月給制と言っても、遅刻や欠勤が給与に影響しない完全月給制と、控除になってしまう月給日給制があるので、注意が必要です。

2.就業場所や労働時間を確認しよう

派遣先は必ず自宅近くとは限らないので、派遣先の就業場所は確認しましょう。

事前の職場見学や顔合わせが本社で自宅近くだったのに、実際に働く場所とは違うというケースもあります。

また、労働時間は何時間労働なのか、残業はあるのか、ある場合はだいたいの平均でどれくらいなのか把握しておきましょう。

3.将来的なキャリアを考えよう

派遣社員は将来性においては、正社員よりも見劣りしていしまいます。

そのため、将来自分がどうなりたいのか、しっかり考えた上で就業することをお勧めします。

多様なスキルを身に付けて次のステップに行きたいのか、生活はある程度に抑えて自分の時間を優先するのか、派遣会社の担当営業と密に話をして二人三脚でキャリア設計をしていきましょう。

20代におすすめの派遣会社3選

実際に派遣社員として働く場合、派遣会社選びには注意が必要です。

全くフォローしない会社や、賃金が安い会社など様々なので、ここでは安心して働ける派遣会社を紹介します。

1.アデコ

アデコ(Adeco)
画像引用元:「アデコ」公式サイト

アデコ株式会社は世界に展開している最大手の総合人材派遣会社です。

すべての職種において、派遣求人を持っており、元々が外資系企業であるため、特に翻訳・通訳など専門的な職種も多く、将来的に自分のスキルをアップさせるための環境が整っています。

取り扱い職種 オフィスワーク・事務系/金融系/営業・販売・サービス系/IT系/クリエイティブ系/メカトロニクス・エレクトロニクス系/建築・土木・プラント系/研究開発系/メディカル・ヘルスケア系/製造・物流・軽作業系/その他
取り扱い雇用形態 派遣/紹介予定派遣/プロジェクト契約社員/無期雇用派遣
取り扱い地域 全国47都道府県
運営会社 アデコ株式会社
求人検索ページ 「アデコ」求人検索ページ
本社所在地 東京都千代田区霞が関3-7-1 霞が関東急ビル
許可番号 派遣事業:派13-010531
有料職業紹介:13-ユ-010386

「アデコ」の口コミを見る

2.テンプスタッフ

テンプスタッフ
画像引用元:「テンプスタッフ」公式サイト

オフィスワークに強みがあり、創業40年の長い実績を有するテンプスタッフは、担当営業のフォローが手厚い会社です。

将来的なキャリアの相談から今現在の小さな悩みまで、細かいフォローは初めて派遣で働く人にもお勧めです。

担当と一緒にキャリア形成ができる会社です。

取り扱い職種 オフィスワーク/翻訳・通訳/金融・証券/テレマーケティング/営業/販売・接客/IT・CAD・クリエイティブ/音楽・映像製作/研究開発・メディカル・医事/作業・物流・整備/保育・介護/栄養士・調理師
取り扱い雇用形態 派遣/受託業務スタッフ/紹介予定派遣/正社員/契約社員
取り扱い地域 全国47都道府県
運営会社 パーソルテンプスタッフ株式会社
求人検索ページ 「テンプスタッフ」求人検索ページ
本社所在地 東京都渋谷区代々木2-1-1 新宿マインズタワー
許可番号 派遣事業:派13-010026
有料職業紹介:13-ユ-010486

3.パソナ

パソナ
画像引用元:「パソナ」公式サイト

女性に特化したサービスも展開させるパソナは、テンプスタッフ同様、40年の歴史を持つ老舗派遣会社です。

高時給・好待遇なお仕事が多く、フォローもきちんとしています。

子育て中の女性にとって安心して仕事をできる環境が整っており、多様な働き方ができる会社です。

取り扱い職種 事務・オフィスワーク・他/外国語事務/営業・販売・接客・他/テレマーケティング/IT・CAD・クリエイティブ/製造・作業/ヘルスケア・産業保健/医療・保育・介護/医薬・臨床・研究開発
取り扱い雇用形態 派遣/紹介予定派遣/契約社員(受託業務)
取り扱い地域 全国47都道府県
運営会社 株式会社パソナ
求人検索ページ 「パソナ」求人検索ページ
本社所在地 東京都港区南青山3-1-30
許可番号 派遣事業:派13-304674
有料職業紹介:13-ユ-010444

「パソナ」の口コミを見る

【FAQ】20代で派遣に関するよくある質問

20代の男性が派遣社員を選んでも大丈夫?

20代の男性が派遣社員を選ぶこと自体は珍しくありません。

正社員ではなく派遣社員を選ぶ理由が明確であれば、派遣社員として働きだしてすぐ後悔するということはないでしょう。

ただ、将来をふまえると慎重な姿勢で考える必要があります。

エンジニア職や看護職といった給与が高い職種でない限り、派遣契約では正社員のような安定給与は望めません。

スキルアップのことを考えると、派遣社員は雑務寄りの仕事が中心になったり、重要な会議で議論する経験を積みにくいというデメリットもあります。

「なぜ派遣社員を選ぶのか?」「いつまで派遣社員を続けるつもりなのか?」「その先はどうしたいのか?また、実現可能そうか?」

このように、派遣社員を選ぶ目的を明確にしておけば、理由なく長く働いてしまい取り返しがつかなくなるということは減らせるでしょう。

20代後半の女性で派遣社員って実際どうなの?

20代後半の女性が派遣社員をすること自体は、特に珍しいことではありません。

仮に今後結婚して、パートナーの扶養範囲内で働くことを希望するなら、派遣社員として働くのは現実的な選択肢です。

一方、年下の正社員から指示を受けることに違和感を感じたり、収入面の不安があるという場合には今後のキャリアプランを考え始めるべき時期でもあります。

派遣社員として長く働いていると、いまから正社員として仕事に責任を持つことに不安を感じるかもしれません。

そのような場合、次の派遣先探しでは「紹介予定派遣」を利用してみるのは有効な手段のひとつです。

紹介予定派遣は「派遣社員として最大6ヶ月勤務し、派遣先と本人の双方が希望すれば正社員登用される」という契約です。

派遣社員として数ヶ月は働いているためミスマッチが少なく、正社員になってからもスムーズに仕事を進められます。

30代派遣は「派遣が決まらない」と聞くけど、本当?

残念なことに、30代になると20代の頃より派遣先が決まりにくくなると言われています。

これは本当の話なのか?と言うと、実態としては異なります。

というのも派遣に限らず、求人募集に年齢制限を設けることは労働基準法で禁止されているのです。

30代で派遣先が決まらず、20代なら決まるとすると年齢制限を設けていることになりますから、事業者は法令違反となってしまいます。

つまり、年齢そのものが理由ではなく、それ以外の理由によって他の派遣者が採用されているということです。

学校を卒業してからの職歴が10年前後ありますから、仕事で得たスキル・経験、これから新しい仕事を学ぶ意欲があるかどうかも見られるのが30代です。

仕事に対する意欲があり、先入観を持たずになんでも学ぼうとする20代の候補者がいたとすれば、年齢に関係なくこの候補者が選ばれやすいでしょう。

30代だから派遣が決まらないと根拠のない噂に惑わされず、これまでの職歴や仕事への取り組み方を存分に活かす姿勢をアピールしてみましょう。

派遣でしか働いた事がない自分はこのままで大丈夫?

派遣でしか働いたことがないことを不安に思うのであれば、自分がなぜ派遣社員として働いているのか?をあらためて見つめ直してみることをおすすめします。

派遣社員と正社員では、明確にメリット・デメリットが異なります。

年齢を重ねていくにつれ、徐々に正社員になるのが難しくなるのも事実です。

それでも派遣社員を選んでいる明確な理由があり、自分にとって派遣社員のデメリットを上回る理由だと思えるのであれば派遣社員として働き続けても問題ありません。

逆に、もし派遣社員を選んでいる理由が「楽だから」「これまでも派遣だったから」と、なんとなくの理由なのであれば、大丈夫とは言えません。

例えば、年齢を重ねるにつれ、3年おきに新しい派遣先に馴染むことが苦痛に感じるようになるかもしれません。

派遣社員として働くデメリットを理解し、それでも自分が派遣社員を選ぶ理由はなんなのか?を明確にすることで、このままで大丈夫なのかどうかの答えが出ることでしょう。

まとめ

この記事をまとめると、

20代で派遣社員として働く際には、きちんとした将来設計を作り、派遣会社をどこにするのか選ぶことが大事です。

自分のスキルを身に付けるチャンスでもあるので、きちんと情報を集めて転職をしましょう。

この記事が、あなたの今後の就職活動のお役に立てば幸いです。

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この記事の執筆者
「法人派遣マッチング」ならびに
転職エージェント「♯就職しよう」運営
株式会社アドバンスフロー 代表取締役 中塚 章浩

大手人材サービス会社在籍で2,000名以上の就業に携わり、
「自分に合った派遣会社や人材紹介会社を選ぶ重要性」 を肌で感じてきました。この記事の執筆を通して、派遣会社や人材紹介会社を選ぶ際のミスマッチを少しでも解消できればと思っています。
現在、派遣会社と企業をつなぐ「法人派遣マッチング」と求職者と企業をつなぐ「転職エージェントサービス」を運営しており、それらから得られる最新情報をお伝えするべく、随時、記事の編集や更新も行っています。

経歴
パーソルテンプスタッフ株式会社に在籍後、2010年に株式会社アドバンスフローを設立し、求職者向け情報サイト「♯就職しよう」を運営。現在、#就職しようの執筆とともに、転職・就職などHR領域に関するサービスを多数展開中。 ・執筆者の詳しい経歴はコチラ
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