株式会社アドバンスフロー 代表取締役
中塚 章浩
著書「面接の疑問 Q&A」・Twitter
パーソルテンプスタッフ株式会社に約6年在籍し、現在は派遣会社「株式会社アドバンスフロー」の代表取締役。
のべ約2,000名もの転職支援を行い、求職者が希望する仕事を得られるよう尽力。人材業界16年の経験から「派遣はしっかりとした情報が得られれば得られるほど、理想の職場を見つけられる」と確信し、多くの人が情報を得られるよう、記事の監修も行う。
「もしかしてピンハネされているのでは?」
派遣社員であれば、一度は派遣会社の取り分について、疑った経験もあるのではないでしょうか。
派遣会社に対して疑念を抱いたまま働くのも、健全ではありません。
この記事では、マージンの意味や内訳について解説していきます。
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目次
派遣料金とは?
派遣料金とは、派遣先企業から派遣会社に払う金額(料金)のことです。派遣料金は派遣会社によって多少の違いがあります。
具体的には、業務経験や就業地域、職場環境、就業条件などによって変動します。参考に、派遣サービス業を展開しているマンネットの派遣料金について確認してみましょう。
【一般スタッフA】
仕事内容:軽作業/清掃/販売員ホール/洗い場/事務など(経験・能力等不問の仕事)
拘束時間:8時間
休憩時間:1時間
実働時間:7時間
派遣料金:12,000円~(1,714円/h)【専門スタッフ】
仕事内容:調理師/管理栄養士/飲食店マネージャー/内装施工・管理通訳・翻訳/各種講師
拘束時間:7時間
休憩時間:45分
実働時間:6.25時間
派遣料金:20,500円~(3,280円/h~)
派遣会社の取り分とは?
派遣先企業から派遣会社に支払われる派遣料金の内訳は、派遣会社が受け取る金額と派遣社員が受け取る金額で構成されています。派遣会社が受け取る金額が、派遣会社の取り分と呼ばれることが多いです。
一般に皆さんが受け取る派遣料金は、派遣先から支払われる料金の約70%が相場です。例えば、就業先から支払われる派遣料金が時給2,000円なら、皆さんの受け取る給与は時給1,400円です。
このケースでは、時給600円に相当する金額が派遣会社の取り分となります。
派遣社員の取り分は?
派遣料金の全てが派遣社員の取り分(賃金)になるわけではなく、派遣料金から派遣会社の取り分を除いた金額が、派遣社員の取り分(賃金)になります。派遣料金は、派遣社員への支払いも含めた金額として算出されているのです。
料金表はスタッフへの支払いも含めた金額ですので、派遣先と弊社スタッフの間で支払いのやり取りは一切発生しません。
派遣会社の取り分が多すぎると思われた事例
派遣会社から支払われる賃金が低いと感じている方もいることでしょう。中には、派遣会社の取り分が多いことが原因であると、マージンの取りすぎを疑っている方もいるかもしれません。
派遣料金の金額を知ると、現在の給料について不満を覚える派遣社員もいるようです。
今、派遣で働いています。偶然知ってしまったのですが、派遣元は派遣先への時給2800円に対して私への時給1200円です。また、昇給もしましたが派遣先の時給2850円に対して私への時給1220円です。これって妥当な金額ですか?私の時給が随分低いような気がして正直ショックでした。
派遣会社の取り分はすべて派遣会社の利益になっている?
派遣会社の取り分すべてが、派遣会社の利益になっているわけではありません。
派遣会社の取り分には、人件費や諸経費なども含まれているのです。
派遣会社の営業担当者やコーディネーターなどの人件費、オフィス・登録センター賃借料、募集費用等をはじめとする諸経費が13.7%。これらすべてを差し引いた残り1.2%程度が派遣会社の営業利益となります。
このように、派遣料金のわずか1.2%ほどしか派遣会社の営業利益になっていません。派遣会社が派遣社員の利益を搾取しているわけではない点は知っておきましょう。
派遣会社の取り分に関するマージン率とは
派遣会社の取り分を考えるうえで、マージンやマージン率という言葉が登場します。マージンの意味やマージン率の計算式などについて解説していきます。
マージン(率)の意味
マージンとは、派遣料金から派遣社員に支払う賃金を差し引いた金額です。つまり、派遣会社の取り分がいくらになるか知りたいとき、マージンを確認すればよいとわかるでしょう。
さらに、マージンに関連してマージン率(派遣マージン率)という用語もあり、取り分と関係しています。厚生労働省の資料によると、マージン率は下記の通り定義されています。
労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を当該労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合
マージンの内訳
一般社団法人日本人材派遣協会によると、2020年5月時点におけるマージンの内訳とそれぞれの割合は下記の通りです。
社会保険料:10.9%
派遣社員有給休暇費用:4.2%
派遣会社諸経費:13.7%
営業利益:1.2%
マージンの内訳を占める項目として最も多いのが、派遣会社諸経費であることがわかります。
マージン率の計算方法
リクルートスタッフィングによると、マージン率の計算式は下記の通りです。
マージン率(%)=[労働者派遣に関する料金の額の平均額(1日8時間あたりの額)-派遣労働者の賃金の額の平均額(1日8時間あたりの額)]/労働者派遣に関する料金の額の平均額(1日8時間あたりの額)×100
マージン率の推移
派遣会社の取り分に関する相場を知るために、具体的なマージン率の値を知りたい方もいることでしょう。
一般労働者派遣事業者のマージン率は2013年が31.3%であり、2018年が35.4%となっており、年々増加傾向にあると読み取れます。
ちなみに一般労働者派遣事業とは、登録者の中から派遣契約期間のみ契約を締結して、労働者を派遣する登録型派遣事業です。
今後も上昇が続くとすれば、マージン率は40%に近い値に推移していくと予想できます。
マージン率には公開義務がある
法律によると派遣元事業主は、労働者派遣事業を行う事業所ごとのマージン率を関係者に知らせることを義務づけられています。つまり、派遣会社にマージン率を聞くことは、タブーではないということです。
派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る派遣労働者の数、労働者派遣の役務の提供を受けた者の数、労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を当該労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合として厚生労働省令で定めるところにより算定した割合、教育訓練に関する事項その他当該労働者派遣事業の業務に関しあらかじめ関係者に対して知らせることが適当であるものとして厚生労働省令で定める事項に関し情報の提供を行わなければならない。
マージン率の情報提供方法
マージン率については、インターネットで情報を共有するのが原則とされています。
- 情報提供の方法は、事業所への書類の備付け、インターネットの利用その他の適切な方法(パンフレットの作成等)により行うこと。特に、マージン率は、常時インターネットの利用により広く関係者、とりわけ派遣労働者に必要な情報を提供することを原則とすること。
- 情報提供は、少なくとも、毎事業年度終了後可能な限り速やかに前年度分の実績を公表すること。
マージン率に関する情報提供の状況
厚生労働省の調査によると、2018年度におけるマージン率等の情報提供の状況(方法)は下記の通りです。
インターネット:23%
書類の備え付け:58%
その他:4%
その他の例としては、「パンフレット・会社案内への掲載」「社内イントラネットの活用」「ハローワークの求人票への記載」などが含まれています。
インターネットよりも書類による提供方法が主流となっているようです。
マージン率以外の情報も公開対象
派遣元事業主が情報を提供すべき事項はマージン率だけではありません。厚生労働省によると、情報提供すべき事項は下記の通りです。
- 派遣労働者の数
- 派遣先の数
- 派遣料金の平均額
- 派遣労働者の賃金の平均額
- 労使協定を締結しているか否かの別等
- 派遣労働者のキャリア形成支援制度に関する事項
キャリア形成支援制度に関する事項についても提供義務があります。派遣社員としてのキャリア形成に関心がある方は、派遣会社に詳細を確認してみるとよいでしょう。
マージン率の重要性
マージン率は派遣会社の取り分に関する指標ですが、実際のところ派遣先会社や派遣社員は重視しているのでしょうか?
厚生労働省は、派遣先会社と派遣社員に対して、派遣会社を選択するうえで重視していることを調査しました。
それぞれの調査結果を確認してみましょう。
派遣先会社
回答した派遣会社のうち、マージン率に関する事項を重要視している会社の割合は、下記の通りです。
マージン率の水準:6.2%
マージン率に係わる詳細情報の開示:3.4%
同調査によると、派遣先が最も重要視していた要素は「派遣料金の水準」でした。マージン(率)よりも実際に支払う額に目が行ってしまいがちなのでしょう。
派遣社員(雇用期間1ヶ月超)
回答した派遣社員のうち、マージン率に関する事項を重要視している社員の割合は、下記の通りです。
マージン率の水準:3.7%
マージン率に係わる詳細情報の開示:3.4%
同調査によると、派遣社員が最も重視していた要素は「賃金水準」でした。
派遣会社にマージン率の公開が義務づけられている一方、現状では派遣社員がマージン率を重視していないことがわかります。
マージン率の上限と下限
マージン率の上限や下限に関しては規定が定められていません。そのため、最低賃金を下回らなければ、違法になることはないでしょう。
中には、IT系や医療系の派遣では、マージン率が50%近く設定されるケースもあるようです。地方では、マージン率を高めにしなければ事業が立ち行かなくなる可能性もあります。
業種やエリアなどによって前提条件が異なるケースもあり、マージン率の比較が難しいこともあるのは知っておきたいところです。
派遣会社における取り分の使い道
派遣会社のマージンがすべて営業利益にはならないと知っても、本当に正しく使われているのか疑問に思っている方もいるかもしれません。たしかに、諸経費に使われていると聞いても、納得はしづらいことでしょう。ここからは、派遣会社の取り分について、具体的な使い道を明確にしていきます。
取り分の使い道1.有給休暇費用
派遣会社の取り分には、派遣社員の有給休暇費用も含まれています。
派遣労働者の有給休暇費用
派遣労働者が有休を取得した際の賃金は派遣会社が負担しています。
派遣社員が有給を取得したときに賃金がもらえるのは、派遣会社が取り分から負担する額を事前に確保してくれているおかげだとわかります。
取り分の使い道2.広告宣伝費
派遣会社の取り分は広告宣伝費にも活用されています。
派遣会社は、多くの求職者に求人を見てもらうために、求人広告を出すこともあるでしょう。その際に、利用できるのがインターネット上の求人関連サービスです。
広告宣伝費の例
たとえば、株式会社リクルートが提供しているリクナビ派遣がよい例でしょう。幅広いプロフィール層のユーザーが来訪するほか、有力サイトとの連携やSEO対策によってユーザー獲得を強化しているサービスです。
リクナビ派遣の掲載料金は下記の通り構成されています。
掲載料金=参画期間+基本枠数+おすすめPICK UP本数+そのほかオプション商品
たとえば、48週参画5枠(関東)の掲載料金は42,000円~とのことです。掲載料金まで考えると、派遣会社と派遣社員のマッチングが実現するのは、取り分から使われる広告宣伝費のおかげだと考えられるでしょう。
取り分の使い道3.福利厚生費
派遣会社の取り分は福利厚生費としても活用されています。
福利厚生費とは、給与や賞与などの労働対価に加えて、従業員やその家族に提供する報酬です。福利厚生は、主に法定福利厚生と法定外福利厚生に分けられます。
福利厚生の種類
法定福利厚生は、法律で企業の費用負担が義務付けられている制度です。具体的には雇用保険や健康保険、子育て拠出金などが該当します。
その一方で法定外福利厚生は、会社が独自で定める制度です。社員食堂や託児施設、社員旅行などに関する制度がよい例でしょう。
したがって、派遣社員が仕事を継続しやすい環境を整えてもらえるのは、取り分に含まれる福利厚生費が関係していると考えられます。
参考:ProFuture株式会社「そもそも「福利厚生」とは何か? 種類や6つのメリット、企業事例を解説」
福利厚生の例
参考にスタッフサービスグループの福利厚生の例を確認してみましょう。スタッフサービスグループでは、派遣社員が安心して就業できるように各種福利厚生制度を用意しています。
- 労働者災害補償保険、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の各種社会保険を完備しております。
- 一定条件を満たせば有給休暇や介護休暇など、各種休暇の取得が可能です。
- 安全衛生及び健康確保のために、一定の基準を満たす派遣スタッフに対して健康診断を実施しています。
- 一定の条件を満たせば、産休や育休を取得することが可能です。
- セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティハラスメントなどに関するお悩み・ご相談についての専用窓口を開設しています。
- ご自宅のPCやスマートフォンでExcelやWord、PowerPointなどのOA講座、ビジネスマナーやITスキル講座などを学習していただけます。
取り分の使い道4.教育訓練費
派遣会社の取り分は教育訓練費としても活用されています。
教育訓練費が必要な背景について確認してみましょう。
派遣元は、雇用するすべての派遣社員に対し、段階的な教育訓練を実施することが義務付けられています。特に入社から3年間は、フルタイム勤務の派遣社員一人につき8時間以上となる教育訓練計画を実施していくことが求められ、入職時訓練は必須となっています。この教育訓練は派遣社員に費用負担を求めず無償で実施し、かつ教育訓練の時間は労働時間として扱い、賃金を支給しなければならないものです。さらに実施状況についても毎年の報告が義務付けられている派遣元に厳しい制度となっています。
派遣社員が教育を無償で受けられるのは、派遣会社の取り分から教育費を補ってもらっているからだと考えられます。
教育訓練の例
アデコが実施している具体的な教育研修についても確認してみましょう。
【就業開始時研修】
対象者:初めてアデコで派遣就業を開始される方
研修方法:eラーニング
研修内容:派遣のしくみ、派遣社員としての心構え、ビジネスマナー基礎、個人情報・機密情報の取り扱い、キャリア開発についてなど
研修時間:0.5時間
研修給与:法令に基づいて、就業を開始されるお仕事の時間給にてお支払いします。【年次研修】
対象者:1~3年の継続就業が見込まれる方
研修方法:eラーニング
研修内容:ビジネスマナー実践、ビジネス文書・Eメールの書き方、タイムマネジメント、コミュニケーション、チームワーク、プレゼンテーション、問題発見、ビジネス英語、Word2013、Excel2013、PowerPoint2013、Access2010など
研修時間:8時間/年
研修給与:法令に基づいて、ご就業中の時間給にてお支払いします。
研修中に時間給で給与がもらえる仕組みです。
その点をふまえると、派遣会社の取り分に含まれる教育訓練費は、結果として賃金として支払われているという考え方もできるかもしれません。
取り分の使い道5.社会保険料
一般的に派遣労働者の社会保険料は、保険料のおよそ半分を雇用主の派遣会社が負担してくれます。
その点、派遣会社のマージンには社会保険料も含まれています。社会保険の例としては、健康保険、厚生年金保険、雇用保険などがあります。
健康保険は私傷病や出産などに対して給付を行う制度で、厚生年金保険は老齢・障がい・死亡に対して給付を行う制度で、雇用保険は失業給付を支給する制度です。
社会保険の加入資格
派遣会社に社会保険料を支払ってもらえる一方、社会保険には加入資格がある点を把握しておく必要があります。
パーソルテンプスタッフの例で確認してみましょう。
【健康保険・厚生年金保険】
1週間の所定労働時間が30時間以上および1ヶ月の所定労働日数が15日以上(雇用元の一般社員の4分の3以上)で2ヶ月を超える契約期間がある場合、加入いただきます。
また、1週間の所定労働時間が30時間未満または1ヶ月の所定労働日数が15日未満(雇用元の一般社員の4分の3未満)の場合であっても、以下のすべてに該当する場合、加入いただきます。(短時間労働者区分として加入)
1. 1週間の所定労働時間が20時間以上
2. 賃金の月額が88,000円以上
3. 1年以上の雇用が見込まれる
4. 厚生年金保険の被保険者数が501人以上の企業(所属会社毎に判断)で就業する【雇用保険】
1週間の所定労働時間が20時間以上で31日以上の雇用が見込まれる場合、加入いただきます。
取り分の使い道6.会社運営費
広告宣伝費や教育費、福利厚生費などのほかにも、派遣会社を運営するためにさまざまなコストがかかります。
社員の人件費、システム維持・改善費、オフィスの家賃など、事業運営に必要な経費があります。
派遣会社が事業を継続するうえで、さまざまな費用がかかっていることを知ると、派遣料金から一定の取り分が引かれていることに納得できるのではないでしょうか。
派遣会社のマージン率を比較
法律によってマージン率の公開が義務づけられていることを知って、各派遣会社のマージン率や取り分の内訳に興味が湧いた方もいるかもしれません。
ここからは各派遣会社のマージン率を取り分の内訳とともに紹介していきます。比較しやすいようにマージン率の一覧表も作成したので、派遣会社を選ぶ際にぜひ参考にしてみてください。
スタッフサービスのマージン率
スタッフサービスは、「きっと見つかる理想のお仕事」をテーマに掲げている派遣会社です。
スタッフサービス(池袋第一オフィス)のマージン率と派遣料金(1日・8時間)の内訳は下記の通りです。
マージン率:32.6%
派遣料金:16,213円
派遣労働者の賃金:10,926円
有給休暇:393円
社会保険:1,549円
教育訓練+募集費等:292円
販売費+管理費+利益:3,053円
販売費+管理費+利益は、従業員給与や交通費、通信費、事務所経費、文書作成費、郵送費、システム費、利益等の合計額を示しています。
教育訓練として資格取得支援を行っているほか、キャリアに関する相談窓口も開設しており、無料で相談することも可能です。
パーソルテンプスタッフのマージン率
パーソルテンプスタッフは、幅広い年齢層の勤労意欲をカバーしている派遣会社です。
パーソルテンプスタッフ(新宿オフィス)のマージン率と派遣料金(1日・8時間)の内訳は下記の通りです。
マージン率:30.2%
派遣料金:18,744円
派遣労働者の賃金:13,080円
諸経費・利益:16.2%
有給休暇費用:3.0%
社会保険料:10.4%
通勤交通費:0.6%
教育訓練に関しては、「キャリア形成スキル研修」「ビジネス・ヒューマンスキル研修」「テクニカル・専門スキル研修」など、各自の経験やスキルに応じてバランスよく段階的に学べる機会を提供しています。
福利厚生としては、社会保険をはじめ有給休暇や育児休業、ストレスチェックなどの仕組みが見受けられます。
アデコのマージン率
アデコは「いつまでも、求められる私へ。」というテーマを掲げている派遣会社です。
アデコのマージン率と派遣料金(1日・8時間)の内訳は下記の通りです。
マージン率:33.7%
派遣料金:21,116円
派遣労働者の賃金:14,003円
育児支援サービスでは、提携の保育施設やベビーシッターの利用料金について割引を受けられるほか、福利厚生サービスでは、旅行やグルメ、エンターテイメントなどの割引も受けられます。
毎年健康診断を実施しているので、健康面からも安心して働きやすいでしょう。キャリアコンサルティングは、1回30分の電話が無料です。
ちなみに、アデコの無期雇用派遣プログラムである「ハケン2.5」では、入社当日から有給休暇が10日間付与されます。
ランスタッドのマージン率
ランスタッドは、労働市場の健全で効率的な発展に貢献している人材サービス会社です。
ランスタッド(東京本社)のマージン率と派遣料金(1日・8時間)の内訳は下記の通りです。
マージン率:41.7%
派遣料金:36,360円
派遣労働者の賃金:21,202円
ランスタッドでは、オフィスや販売、物流、ITエンジニアなど、さまざまな職種の実績があり、各平均額は全てを合わせて計算した金額です。
教育訓練に関しては、入職時教育訓練や年次訓練職能研修、年次訓練職種変換研修、年次訓練階層研修があり、いずれも賃金が支給されます。
ヒューマンリソシアのマージン率
ヒューマンリソシアは、優良派遣事業者に認定されている派遣会社であり、海外ITエンジニア派遣にも対応しています。
ヒューマンリソシア(札幌支社)のマージン率と派遣料金(1日・8時間)の内訳は下記の通りです。
マージン率:30.6%
派遣料金:13,503円
派遣労働者の賃金:9,375円
教育訓練の内容はビジネスマナーや仕事力、マインドキャリア、ビジネスリテラシー、ケースドラマ、ワード、エクセルなどのカテゴリーがあります。
福利厚生としては、メンタルヘルスサポートを行っており、ストレス要因を分析できる「メンタルヘルスチェック」や、カウンセラーに相談できる「電話相談窓口」を利用可能です。
パソナヒューマンソリューションズのマージン率
パソナヒューマンソリューションズは、一人ひとりにベストなキャリアビジョンを全力でサポートしている派遣会社です。
パソナヒューマンソリューションズ(大阪支店)のマージン率と派遣料金(1日・8時間)の内訳は下記の通りです。
マージン率:27.1%
派遣料金:18,272円
派遣労働者の賃金:13,321円
福利厚生としては、ベネフィット・ステーションを利用できるほか、産業カウンセラー・臨床心理士などによる相談窓口を利用できます。
教育訓練に関しては、入職時研修や職能別・階層別研修などを実施しており、賃金も支払われます。ビジネススキルサポートとして、OA資格取得対策講座を提携研修先で受講することも可能です。
アヴァンティスタッフのマージン率
アヴァンティスタッフは、オフィスワークや金融業界、貿易関連に特化した人材派遣会社です。
アヴァンティスタッフ(本社)のマージン率と派遣料金(1日・8時間)の内訳は下記の通りです。
マージン率:30.3%
派遣料金:18,899円
派遣労働者の賃金:13,164円
マージンには、社会保険料や教育研修費、福利厚生費、そのほかの会社経費などが含まれています。
マンパワーグループのマージン率
マンパワーグループは、派遣や紹介予定派遣、正社員、外資系企業などに関する最新の求人情報を提供している派遣会社です。
マンパワーグループ(高崎オフィス)のマージン率と派遣料金(1日・8時間)の内訳は下記の通りです。
マージン率:30.7%
派遣料金:15,438円
派遣労働者の賃金:10,698円
マージンには、法定福利費や法定外福利費、教育訓練費、事業経費などが含まれています。
教育訓練は、入職時研修やOAスキルトレーニング、業務スキルトレーニング、パーソナル研修などです。パーソナル研修は、自主学習を希望する登録者を対象としており、賃金は支払われません。
福利厚生に関しては、社会保険や有給休暇、健康診断などの制度を用意しているほか、入院保険の申し込みまで受け付けています。
テクノプロ・コンストラクションのマージン率
テクノプロ・コンストラクションは、建設現場をトータルに支えるエンジニアを紹介できるプロフェッショナル集団です。
テクノプロ・コンストラクション(北海道支店)のマージン率と派遣料金(1日・8時間)の内訳は下記の通りです。
マージン率:30.0%
派遣労働者の賃金:約65~75%
派遣会社諸経費、社会保険料、教育研修費など:約25~35%
教育訓練の種類は、入社導入研修やCAD研修、安全衛生ヒヤリハット研修、施工管理スキル研修、ビジネススキル研修などがあり、いずれも賃金が支給されます。
福利厚生としては、社宅借上制度や帰省旅費補助、従業員持株会、財形貯蓄制度、慶弔見舞金制度などに対応しています。
メイテックのマージン率
メイテックは、人と技術のサービスで最適な解決策を提供している派遣会社です。
メイテック(仙台エンジニアリング)のマージン率と派遣料金(1日・8時間)の内訳は下記の通りです。
マージン率:37.5%
派遣料金:39,786円
派遣労働者の賃金:24,867円
教育訓練中派遣労働者賃金:約1~1.5割
間接社員賃金、各種保険料、その他福利厚生費:約2割
営業利益:約1割引用:メイテック「令和2年度 派遣事業運営情報資料」
教育訓練の種類は、導入研修やフォローアップ研修、ステップアップ研修などがあり、いずれも賃金が支給される体制です。
社会保険は、雇用保険や労災保険、厚生年金保険、健康保険、介護保険などを完備しており、福利厚生は、リフレッシュ休暇や借上社宅制度、年次有給休暇などに対応しています。
派遣会社のマージン率をまとめた一覧表
派遣会社のマージン率をまとめた一覧表は下記の通りです。
派遣会社名 | マージン率 |
---|---|
スタッフサービス(池袋第一オフィス) | 32.60% |
パーソルテンプスタッフ(新宿オフィス) | 30.20% |
アデコ | 33.70% |
ランスタッド(東京本社) | 41.70% |
ヒューマンリソシア(札幌支社) | 30.60% |
パソナヒューマンソリューションズ(大阪支店) | 27.10% |
アヴァンティスタッフ(本社) | 30.30% |
マンパワー(高崎オフィス) | 30.70% |
テクノプロ・コンストラクション(北海道支店) | 30.00% |
メイテック(仙台エンジニアリング) | 37.50% |
派遣会社の取り分と同一労働同一賃金について
働き方改革の一環として、2020年4月から施行した同一労働同一賃金という制度が注目されています。派遣会社の取り分に対して影響が出るのでしょうか。
同一労働同一賃金の概要から説明して、派遣会社の取り分との関係を解説していきます。
同一労働同一賃金の概要
同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
同一労働同一賃金の制度によって、非正規雇用労働者は自身の待遇について事業主に説明を求められるようになりました。事業主は求めに応じて、待遇差の内容や理由を説明しなければなりません。
同一労働同一賃金が対象とする非正規雇用労働者には派遣労働者も含まれており、派遣社員の不合理な待遇が改善されやすくなると予想できます。
派遣会社の取り分と同一労働同一賃金の関係
派遣会社の取り分と同一労働同一賃金の関係を知るには、衆議院のサイトで公開されている質問主意書が参考になります。
派遣元が本義務を履行するためには、派遣労働者の賃金の値上げをしなければならない場合があり、その際に考えられる原資となるべきは、まずは派遣料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を差し引いたマージンである。しかし、このマージンに関する情報(マージン率)は、法令により情報提供義務が課されているため(法第二十三条第五項、施行規則第十八条の二)、派遣先との関係から、派遣元が自由にマージンを設定することは事実上むずかしく、いきおい業界平均水準に収斂されていくものと思われるため、新たな本施策実施のための原資として余力があるとは考えにくい。
結果として賃金を値上げする鍵は、派遣会社の取り分ではなく派遣料金であり、派遣料金の値上げ要請が必要になると考えられます。
IT系の派遣会社のマージン率はどれくらい?
IT系の派遣会社のマージン率は、厚生労働省の調べではソフトウェア開発などのITで約41%となっています。
この約41%という数字は、例えば事務職などの事務用機器操作で約28%と他の職種と比べてもIT関連の業務の派遣のマージン率はかなり高い数字となっています。
派遣会社では派遣先企業の要望に応じた人材を募集し探して提案するので、マージン率は専門的な職種で人材の確保が難しいものほど高い傾向になるのが一般的です。
参考:平成25年度 労働者派遣事業報告書の集計結果「厚生労働省」
派遣のマージン率開示には規制があった?
派遣のマージン率の開示においては平成24年10月1日に施行された労働者派遣法改正法によりマージン率の開示が義務付けられました。
この度令和3年にも、この労働者派遣法が改正されておりそこではマージン率をインターネットで原則的に開示する必要が出てきました。
今までは派遣会社にマージン率の開示がなかったのですが、この改正により派遣を利用する企業も派遣で働きたい労働者も派遣会社を選ぶ指標の一つとなりました。
ただし、マージン率が高いから悪い派遣会社、低いからいい派遣会社という訳ではなくマージン率が高くてもその分派遣社員に福利厚生の充実などで還元している場合もあるのでそれだけでは判断はできません。
まとめ
この記事をまとめると、派遣会社の取り分は、すべてが派遣会社の利益になるわけではなく、派遣社員の福利厚生費や教育費などに使われていることがわかりました。
派遣会社の取り分は、内訳が各社で異なっており、個別に確認が必要です。ただ、マージン率の公開が法律で義務付けられたにもかかわらず、取り分の割合を重視している派遣社員はまだ少ないようです。
マージン率とともに、福利厚生や教育の内容について詳しく公表されているケースも多く、いずれの情報も派遣会社を選ぶときに参考になります。
これから派遣の仕事を検討しているのであれば、派遣会社のマージン率と関連情報を事前に確認するとよいでしょう。
この記事が、あなたの就職活動のお役に立てば幸いです。
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