「派遣社員の給料は本当に働きに見合ったものなの? 」
と悩んでいませんか。
この記事では、派遣社員がどれくらいなのか、正社員との給料差や手取りなどに解説します。
この記事で、派遣社員の給料に不安なく働けることに役立てば幸いです。
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目次
派遣社員に与えられる年収は安すぎ?
派遣社員に与えられる給料は本当に安すぎるのか、まずは男性派遣社員と女性派遣社員の年齢別平均年収をみていきましょう。
画像引用元:平均年収.JP「男女別でみた派遣社員の年収を解説」
男性派遣社員の年齢別平均年収
男性派遣社員の年収は、
- 20代…286万円~324万円
- 30代…342万円~364万円
- 40代…368万円~389万円
- 50代…382万円~392万円
- 60代…362万円~393万円
少しずつ年齢にあわせて増加する傾向にあります。どの派遣会社に所属するかどの職種を選ぶかによって給料は変化しますが、最低年収は20代前半の286万円、最高年収は60代前半の393万円ほどが目安ととなるでしょう。
女性派遣社員の年齢別平均年収
女性派遣社員の場合、
- 20代…270万円~294万円
- 30代…301万円
- 40代…290万円~294万円
- 50代…282万円~289万円
- 60代…280万円~282万円
30代を境に40代、50代となるにつれて年収が減少していくのがわかります。
男性と比べると20代ではそこまで大きな年収差はありませんが、40代から60代にかけて70万円から110万円ほどの年収差が生まれます。
年齢による年収の低下と男性との年収差が気になる場合は、30代を境に正社員を目指してみるのもひとつの選択肢となるでしょう。
正社員との給料を比較
派遣社員の年収が分かっても、正社員と比べてどれほどの差があるのか気になるのではないでしょうか。
そこで、男性正社員と女性正社員の年齢別平均年収を調べて、派遣社員の給料と比較してみました。
画像引用元:doda「年代・年齢別で見る平均年収の特徴は?」
男性正社員の年齢別平均年収
男性正社員の年齢別平均年収は、派遣社員と同じく年代別で年収が増加していく傾向にあります。
長く働いてきた経験によるスキルアップであったり、役職に就いたりすることで平均年収が上がっていくことが予想されます。
女性正社員の年齢別平均年収
女性正社員の年齢別平均年収も、年代別で給付額が増加していることがわかります。
男性正社員と比べると、
- 20代、50万円ほどの年収差
- 30代、10万円ほどの年収差
- 40代、160万円ほどの年収差
- 50代、250万円ほどの年収差
あくまでも平均のため全ての会社で男女格差があるわけではありませんが、女性正社員の方が男性正社員と比べて年収が少なくなりやすいのが現状です。
派遣社員と正社員の年収差
派遣社員と正社員の最低年収についてはさほど大きな差はありません。
しかし、年代が大きくなるにつれて給料アップされていく正社員に比べると、派遣社員の給料が増加していく直にはかなりの差があります。
女性の場合は年代を重ねるごとに年収が上がる正社員と、年収が下がっていってしまう派遣社員の間にはまさに真逆の違いがありました。
より多く稼ぎたいと考えるのであれば、派遣社員に比べて最高年収で200万円から300万円以上、上回る正社員の方が向いているといえるでしょう。
派遣社員と正社員の年収に差が生まれる理由
なぜ派遣社員と正社員の年収に差が生まれるのか、契約によって生まれる様々な給料の違いを紹介していきます。
契約から生まれる給料の違い
そもそも正社員と派遣社員の間で給料の差が生まれる原因には、契約の違いがあります。
長く勤務することを前提とされている正社員だからこそ得られる賞与や昇給、給料が支払われる正社員の月給制と派遣社員の時給制などの違いなどから検証していきます。
正社員の月給制の特徴
正社員の給付方法は月給制がほとんどのため、働いた時間によって給料が変化するというわけではありません。
そのため月の実務労働時間の影響を受けないことから、無断欠勤したなどのよっぽどのことがない限り減給はないと考えていいでしょう。
派遣社員の時給制の特徴
派遣社員の場合は時給制となるため、働いた時間だけ給料が変化することになるので、お金を稼ぐためにはできるだけ長い勤務時間の場所を選ぶ必要があります。
ところが正社員とは違い、会社を休んだりした場合はその分だけ給料が差し引かれることになるため、正社員との給料差が生まれるひとつの理由となっています。
賞与が異なる
派遣社員は基本的に正社員が対象とされる賞与を得ることができません。
そのため新社員などに比べると多くの給料をもらっていた派遣社員も、年月が経つにつれて賞与の有無によっても差が生まれます。
つまり、月給制かつ賞与がもらえる正社員はより安定した収入が得られるようになっています。
昇給が異なる
派遣社員は決められた仕事の中で業務を行うことになるため、正社員のような昇給はありません。
正社員は年齢を重ねたり役職が変わったりすることで給付額も変化していくことになるため、年代ごとでもらえる平均年収は増加していきます。
昇給することによって増加し続けていく仕組みこそが、派遣社員との年収差を生む大きな要因であるといえるでしょう。
都道府県で派遣社員の給料が変わる?
派遣社員の給料は全国で統一されてはいません。都道府県の経済状況や規定によって給付額も異なってくるため、都道府県によってどのような違いがあるのか調べました。
画像引用元:平均年収.JP「派遣社員の都道府県別(東京大阪名古屋福岡等)平均年収」
あなたがお住まいの地域ではどのような平均年収になっていたでしょうか。
派遣社員の、平均年収の最高額は東京の512万円で、 最低額は沖縄の293万円となっています。
人口や派遣社員の人数などによっても年収額は変化しますが、東京と沖縄のように220万円ほどの差が生まれることもあるため、住んでいる地域の給料相場は調べておきましょう。
派遣社員としてもらえる給料の仕組み
派遣社員として働くにあたって、どのような仕組みで給料が支払われるのか知っておけば、悪徳業者などに騙される心配もなくなるでしょう。
正しい給料の仕組みを理解して、手取りはいくらになるのか事前に確かめておきましょう。
給料の計算方法
基本的に派遣社員が与えられる給料の計算方法は、「時給×就業時間×勤務日数」で導き出すことができます。
例えば時給が1,300円で7時間の就業時間であった場合の、1ヶ月文の給料は、
1,300円×7×20=182,000円となります。
勤務時間が長い職場を選べば同じ時給でも稼ぐことはできますが、1日では8時間、1週間では40時間が法定労働時間となっている点にご注意ください。
※残業手当については不明瞭な点がないのか、就業規則を確かめておきましょう。
最終的にもらえる手取りはいくら?
手取りとは月給から所得税や社会保険金額などを差し引いて、手元に入る給付額のことをいいます。
つまり時給1,300円で7時間の就業時間をした場合で計算した182,000円から、社会保険料と所得税の合計とされる15%程度が引かれることになります。
・社会保険料と所得税
182,000×0.15=27,300円
・給付額から社会保険料と所得税を差し引いた手取り額
182,000円‐27,300=154,700円
今回のケースでは手取りで154,700円となりましたが、あくまでも単純計算をした額のため、どのような部分が引かれるのか派遣会社に確認しておくようにしましょう。
社会保険料の一部である、厚生年金は将来の年金額に影響を与えます。
社会保険料というひとくくりで天引きされると、単純に手取りが減っているという印象になってしまいますが、厚生年金保険料が天引きされることは、将来の年金額の増額につながります。
具体的な増加額は、毎月の給料によって異なります。年金定期便などで、派遣で働いている期間がどれくらい年金額にプラスに反映しているか確認してみましょう。
派遣社員はどの職場の給料が高い?
派遣社員と一言でいっても、様々な職種があるためそれぞれで給料も異なってきます。
実際にどのような違いがあるのか、職種別の年収を紹介しながら、給料差が生まれる理由を述べます。
派遣社員の業種別年収
いくつかピックアップされた業種別の年収を比較してみましょう。
画像引用元:マンパワーJOB NET「派遣社員の業種別年収」
派遣社員の業種別年収を見ていくと、女性人気の高い事務仕事は250万円ほどの平均年収となっています。
最低額は介護サービスで240万円ほどの年収となりますが、情報処理関係で440万円ほど、医師関係では590万円ほどと、専門性の強い職種ほど年収が高額になります。
職種別で給料差が生まれる理由
職種別でなぜ給料差が生まれるかというと、専門の高い仕事は特別な資格などが必要となるためその分給付額が高く設定されています。
逆に事務作業などの派遣社員の数が多い仕事は安くなりがちです。
派遣社員の給料をアップするための方法
派遣社員だからといって給料アップを望めないわけではありません。働く場所を変える方法や、現在働いている職場でそのまま給料アップを目指せる手段について解説します。
それなりの努力は必要になりますが、給料アップを望む方はチャレンジしてみてください。
資格を取って時給のより高い仕事や職場を選ぶ
派遣社員では専門性の高い職種の給料が高額となっているため、看護師や通信技術者などの資格を取得して、時給のより高い職場を選ぶことで給料アップを目指す方法もあります。
派遣社員は長期雇用が前提とされる正社員とは違い、3年という短い期間での勤務となるため、同じ職種や職場でただ同じ仕事を繰り返していても給料アップはあまり見込めません。
時給の高い勤務地を探す
都道府県によって年収額も変化する派遣社員は、時給平均が地域によって高くなることもあるため、平均年収が高い地域の派遣会社に所属するという手段も取れます。
とはいえ平均年収や時給が高い場所でも、会社の契約内容によっては減少してしまうこともあるので、仕事探しは慎重に行うようにしましょう。
できる業務が増えたら勤務先と交渉してみる
派遣社員として働いていく中で、その会社で行われている他の業務が行えるほどの技術が身に付いた場合は、仕事の範囲を広げてもらって時給アップを目指すという方法もあります。
正社員では相談しにくい内容でも、派遣社員の場合は契約更新などの時に派遣会社を通じて交渉できるため、自分の実力をアピールしてみてはいかがでしょうか。
派遣社員のメリットとデメリット
派遣社員の給付について、メリットとデメリットを紹介します。
派遣社員に対する給付の特徴をつかめば、納得のできる給料体系なのか判断する基準として役立つことでしょう。
派遣社員の給付に対するメリット
派遣社員は正社員と比べて給付額が総合的に少なくなる反面、ライフスタイルに合わせた職場を選びやすく、勤務地や勤務時間などの条件を設定して働きやすくなっています。
その他にも契約が満期になって終了したとしても、派遣会社が次の職場を探すサポートをしてくれます。
スキルアップや資格取得などをしていけば、たくさんの職場で様々な経験を積んで行けることがメリットとなるでしょう。
実力さえあればより給付額の高い職場を紹介してもらえるため、能力に見合った見返りがあることも魅力のひとつです。
派遣社員の給付に対するデメリット
派遣社員のデメリットは派遣期間に上限があるため、正社員のように同じ職場でずっと働くことはできません。
スキルや実力が認められれば契約更新の可能性もありますが、実力が発揮できなかったり、資格を持っていなかったりすると、給付額の高い職場で働くことは難しくなります。
いい意味でも悪い意味でも、実力で左右される派遣社員のシビアな部分です。
派遣社員の給料に関する Q & A
派遣社員の給料に関して、派遣会社などに寄せられる代表的なQ&Aをまとめて紹介します。
多く寄せられる質問に対して具体的な回答を知れるため、派遣社員の給与についてより詳しい情報を集める方法として、様々なサイトのQ&Aを活用することをおすすめします。
派遣社員で働いたとき給料明細はもらえるの?
派遣社員問わず所得税法231条によって会社側が支払明細書を交付しなければならないと定められているため、給料明細をもらうことは可能です。
居住者に対し国内において給与等、退職手当等又は公的年金等の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その給与等、退職手当等又は公的年金等の金額その他必要な事項を記載した支払明細書を、その支払を受ける者に交付しなければならない。
派遣社員は産休は取れるの?
産前6週間から産後8週間(双子以上は14週間前から取得可能)の休みをもらえる産休は、派遣社員であっても条件を満たしていれば取得できます。
法律においても最低でも産後8週間を経過していない女性を働かせてはならないと定められているため、産休中に契約が終了する以外の理由で解雇されるようなこともありません。
また「1年後も雇用継続の見込み」と仮定して構成できる形を取れるように平成29年に規制が緩和されているので、妊娠をした際は派遣元にしっかりと報告するようにしましょう。
派遣社員で、派遣先から「早上がり」を指示された場合も給料はもらえるの?
派遣社員として働いていて、勤務先から「早上がり」するように指示された場合でも、派遣先の都合で決められたことなので、その日の給料分は全額もらえます。
派遣業務が辛くて、急にやめると給料はどうなるの?
もし派遣先の業務が辛いと感じて急にやめることになったとしても、働いた分だけは給料をもらえます。
しかし、仕事を続けることで得られる予定だった残りの金額をもらうことはできません。あくまでも実働稼働分の給料となります。
派遣の給料を先払いできるの?
派遣の給料はほとんどの会社の場合先払いしてもらうことはできません。
契約時に決められた日程で給料が支払われることになるため、派遣社員として働く際は前借りができない点にはご注意ください。
派遣社員が時給アップする時の相場は?
派遣社員の時給アップの相場は50円です。ただし、1年に1度程度しか対応してくれないでしょう。もちろん、全ての派遣会社がアップしてくれるわけではありません。
時給アップをしてもらえるかは、派遣元企業に相談を!
派遣社員はボーナスをもらえるの?
2020年4月1日に派遣法が改正されたことにより、派遣社員もボーナスがもらえる場合が増えてきました。
まとめ
この記事をまとめると、
ただし3年という短いスパンで比較的自由に仕事を選んだり時間を設定したりできます。
まさにプライベートや家族の時間を大切にしたい方に向いている働き方のひとつといえるでしょう。
資格を持っていればより高額な給料が与えられる職場で働くことも可能です
様々な経験を積んでみたいという方は、派遣社員として働いてみてはいかがでしょうか。
社会保険料の一部である、厚生年金保険料は天引きされると、将来、自分が受け取れる公的年金の増額につながります。
また、厚生年金は報酬比例といって、自分の収入が増えれば将来の受取額も増えるという性質があります。
自身で資格取得をすることで、高額な給料の職場で働けることもメリットですが、給料が上昇すると、将来の老後の年金額にもさらにプラスの効果があります。
ぜひ、それも含めて自己研鑽をしながら派遣の業務に取り組んでみてくださいね。
代表 金子 賢司
CFP ®資格・TLC(生命保険協会認定FP)・損害保険トータルプランナー
東京都出身。一般企業に在職中にFP技能士3級を取得し、その後保険会社に従事し独立。現在は、生きていく中で発生する保険や資産運用などのお金にまつわる問題を気軽に相談できる専門家として、相談業務やセミナー等の活動を行っている。
家計の相談・マネーセミナー講師
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