【社労士監修】派遣社員も生理痛で休める?生理休暇の取り方と注意点

記事監修者寺島戦略社会保険労務士事務所
寺島 有紀
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「派遣として働きたいけど、生理痛でひどくなっても休めないんじゃ…」

と不安を抱えていませんか?

この記事では、「派遣社員の生理休暇」について解説します。

派遣社員の方が、無理せず仕事ができるようになることを願っています。

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派遣社員も生理痛で休むことはできるの?

生理日の就業が著しく困難な女性は、正社員、派遣社員関係なく生理休暇を取れることになっています。

ところが、現状では、なかなか言い出すことができずにいる女性がいることも事実です。

本来であれば生理痛で休むことは可能なため、派遣会社などに相談してみてはいかがでしょうか。

生理休暇とは

生理休暇とは、仕事に支障をきたすような生理痛を伴う場合、雇用形態にかかわらず休暇を取れる仕組みのことを指します。

労働基準法では、どのようなルールとなっているのか、詳しくお伝えします。

生理休暇は労働基準法で認められている

生理休暇は、女性の社会進出が勧められた1947年から導入されている制度です。

労働基準法第68条により、「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した時は、そのものを生理日に就業させてはならない」と定められています。

また基本的に生理休暇を取得した日については、有給扱いにしなければならないという決まりはないため、無給とされていることがほとんどです。

雇用形態に関係なく、派遣社員やアルバイトなどであっても、制限なく休暇を申請できます。

生理痛で休む時の言い方

生理休暇を申請する際に、どのような方法をとればいいのかだけでなく、メールで欠勤連絡する際の例文や、出社当日にひどくなってしまった時などの伝え方について紹介します。

生理痛で休む時に、慌てずに対処できるように準備しておきましょう。

派遣先企業の申請方法にそって電話やメールで欠勤を伝えよう

普段体調を崩して会社を休む時のように、派遣先企業の休暇申請方法に沿って、電話やメールを使って、生理痛で欠勤したいことを伝えることになります。

直接会社に赴いて伝える必要はないので、朝起きて、生理痛がひどくて仕事ができそうにない場合は、無理せず派遣先企業へ連絡をとるようにしましょう。

生理痛で休むことをメールで伝える時の例文

お疲れ様です。フルネームです。

今朝より生理による腹痛がひどく、出社が難しい状態です。大変申し訳ありませんが、本日は欠勤させていただけないでしょうか。

ご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

メールで生理休暇をお願いする場合は、正直に現状を伝えて、休んでしまうことに関して謝罪の意を伝えましょう。

生理休暇は法律でも定められた女性の権利なので、派遣先企業は断ることができません。

出社した当日に生理痛がひどくなった場合

出社したその日に生理痛がひどくなってしまった場合は、生理痛の症状が悪化したことを派遣先企業の上司に伝えて、早退させてもらいましょう。

無理に働いて体調を崩してしまう前に、少しでも早く体を休めることを優先させましょう。

生理休暇に診断書の提出は必要ない

生理休暇を申請する際には、診断書などの提出は必要ありません。

法律上でも診断書等を提出する義務はないため、生理痛がひどいことを派遣先企業に伝えて休暇を取るようにしましょう。

もし当日言いにくかった場合は体調不良で休むことを伝えておいて、体調が戻り、出社した際に生理痛の事を伝えることも可能です。

派遣2日目・3日目など早期で生理休暇が必要があるときはどうしたらいい?

入社したばかりの2日目や3日目などであっても、生理休暇を申請することは可能です。

派遣されたばかりで気まずく感じるかもしれませんが、体調の悪化が続いて勤務の進行を遅らせてしまうよりも、早く体を休めて復帰した方が、派遣先企業も仕事の調整をしやすくなるでしょう。

2日連続もしくは3日目も生理痛が続いた場合に休みは取れる?

いくら生理休暇があるといっても、何日も続けて休むことはできないと思っていませんか?

実際に生理休暇を申請する際に、どれだけの日数制限があるか解説します。

生理休暇の制限はないから月1でも4日目でも休める

生理痛は痛みを感じない方もいれば、何日も続いてしまうようなケースもあるため、生理休暇の制限は設けられていません。

そのため月1の休暇や、生理痛が発生してから4日目まで休みをもらうということも可能です。

3日休んでも治らないような生理痛が起きてしまった時でも、遠慮せずに現状を派遣先企業に伝えて、休暇を取らせてもらうようにしましょう。

生理休暇を取るときに注意しておきたいこと

生理休暇がいくら法律で守られている休みだからとはいえ、適切に使っていかないと、損をしてしまったり、派遣先や派遣会社から信用を失ってしまったりすることになりかねません。

生理休暇を取るときに注意しておくべき事柄について、それぞれ紹介していきます。

外出はしないようにする

生理休暇を取った場合は、途中で症状が軽くなったとしても、外出は控えたほうがいいでしょう。

生理休暇をとっているにも関わらず、買い物をしていたり、運動をしていたりする姿を誰かに見られてしまうと、「具合が悪いと嘘をついた」と勘違いされかねません。

生理休暇を取る時は、できるだけ不要不急な外出は避けて、家でゆっくりしておくようにしましょう。

体調不良でよく休んでいたら働く気がないと疑われてしまう

普段から生理痛以外で体調不良を訴えて何度も休んでいたら、生理休暇を申請した時に「休んでばかりで働く気がないのでは…」と疑われてしまった方もいるようです。

もし普段の体調不良が、自己の体調管理で対策が取れる場合は、もしもの時に休暇が取れるように、体調を整えるようにしていきましょう。

体調管理をしていても、体調不良を起こしやすい方は、事前に派遣会社に休む頻度などに関して相談しておくことをおすすめします。

何日も続く場合は有給として扱われなくなることもある

日数制限は設けられていない生理休暇ですが、有給にしなければならないという決まりはありません。

すべての生理休暇を無給として取り扱う会社や、ひと月1日のみを有給対象とし、残りの生理休暇は無給扱いとする会社が多いです。

生理休暇の扱いは、企業によって異なるため、有給扱いになるのかどうかについては、派遣会社に聞いておくといいでしょう。

休み明けはお礼をしておこう

休暇をもらった場合は、生理休暇に限らず、派遣先企業の上司はもちろんのこと、同じ部署の仲間にサポートしてもらったことについて、お礼をしておきましょう。

生理休暇を使うことは悪いことではありませんが、一言お礼などを伝えておかないと、「休みが取れて当たり前だと思っているのでは?」と思われてしまうかもしれません。

生理痛を直接男性に伝えたくない時の対処方法

生理休暇がいくら法律で認められているといっても、直接の上司が男性だった場合、伝えにくいと感じるのではないでしょうか。

直接男性に伝えたくないという時に役立つ方法を紹介します。

女性の上司に相談してみよう

男性の上司に伝えにくいと感じた場合は、女性の上司に相談してみることもひとつの方法です。

女性であれば気持ちを汲んでくれる人もいるので、男性の上司との間に立ってもらって、間接的に伝えてもらってみてはいかがでしょうか。

ただし、生理痛に関してあまり痛みを感じない女性の場合、逆に 「痛くても私は我慢してきたのに!」と関係に溝ができてしまうことも考えられますので、親身に相談に乗ってくれそうな人を探しましょう。

もし相談に乗ってくれそうな人がいなかったら、派遣会社に相談してみましょう。

事前に月経前症候群(PMS)の診断書を会社に提出しておく

生理痛という言葉を使いたくない時は、事前に月経前症候群(PMS)の診断書を会社に提出して休む理由を事前に伝えておく方法もあります。

日頃から生理痛がひどくなりやすいということを会社自体に伝えておけば、仕事を休む時にも対応してもらいやすくなります。

医師の診断書があれば、男性・女性問わず多くの人に理解されやすくなるでしょう。

生理休暇が取りづらい場合の対策

生理休暇を取りたくても、周りの人も忙しそうで、なかなか生理休暇を取りづらいと悩まれていませんか?

派遣社員だからこそできる、生理痛対策が取れる方法を紹介します。

生理痛に合わせて仕事を調節する

生理痛がひどくてもなかなか会社を休めないという方は、比較的生理痛が起きにくい期間に集中して業務を行って、生理痛が発生した時は軽めな仕事を残しておくように調節してみてはいかがでしょうか。

派遣契約によっては、出社日数も調整できる場合もあるので、派遣会社に相談してみましょう。

あらかじめ生理の周期に合わせて、休暇を取るといった方法もおすすめです。

生理痛を和らげられる方法を実践してみよう

生理休暇が取りづらい時は、生理痛自体を、和らげる方法を実践してみてはいかがでしょうか。

場合によっては痛みも和らいで、休暇を取らずに、仕事に取り組めるようになるかもしれません。

血行を良くするために体を動かす

生理痛は、血行が悪いと悪化してしまうこともあるため、ストレッチなどで全身を伸ばしてみたり、足を動かしたりして、血行を良くするようにしていたら和らぐかもしれません。

個人差もあるため、和らぐ度合いも異なりますが、一度試してみてはいかがでしょうか。

ゆったりした服装を選ぶ

生理痛を起こしている時に、締め付けのある服装で過ごしていると、より痛みを強くしてしまうことになりかねないため、ゆったりとした服を着ることをおすすめします。

締め付けのないボトムを選ぶだけでも、痛みが緩和されることもあるので、普段からぴっちりとした服装をしている方は、ゆったりとした服装に変えてみてください。

カイロでお腹を温める

生理痛の時は、お腹が冷えると痛みがひどくなることもあるため、夏場であっても会社内のクーラーでお腹が冷えて、生理痛が悪化することもあります。

お腹が冷えてしまう時は、カイロを貼って温める方法があります。カイロを入れるポケットが付いた下着のサニタリーパンツなどもあるため、活用してみましょう。

実際は生理痛を我慢して出社している女性がほとんど

法律上では、雇用形態にかかわらず生理休暇を申請できることになっていますが、実際は、会社に生理痛で休むことに遠慮してしまって、我慢して出社している女性も多くいらっしゃいます。

特に派遣社員の方は、期間に定めがある契約ということもあり、生理休暇に対して遠慮がある方も多く、生理休暇があまり使われていないのが実情です。

また、残念ながら生理休暇にあまり理解を示していないような会社もあるようです。

とはいえ、生理休暇を取ることは女性の権利でもあるので、本当に辛い時は、無理せずに利用するようにしましょう。

生理休暇を利用する人が増えれば、社会の理解も広まっていくことでしょう。

派遣が生理痛など体調不良で会社を休む頻度はどれくらいなら許される?

派遣社員が生理痛で体調不良を訴えて、会社を休む頻度については、派遣先が口出しすることはできません。

しかし、日頃から欠勤が多くなってしまったり、1週間休んでしまったりするような状態の時は、業務に支障をきたすことにもなりかねません。

自分が行なっている仕事を管理して、休んだ時にサポートしてもらえるような体制を整えておきましょう。

何も対策を取らずに休んでしまうと、派遣社員が担当していた仕事を、どのように行えばいいのか、分からなくなってしまう危険性があります。

日頃から体調不良で休みがちな方は、派遣会社や派遣先と、事前に話し合っておくことをおすすめします。

生理痛で体調を崩して休みすぎるとクビになる?

生理痛で体調を崩すことが多く、休みすぎるとクビになってしまうことはあるのでしょうか?

生理休暇と契約の関係性について、お伝えします。

契約期間中の解雇は基本的にできない

生理休暇で休むことが多くあったとしても、生理休暇は労働基準法上認められている従業員の権利です。

そのため、生理休暇で多く休むことを理由として契約期間中の派遣社員の解雇は認められないと考えられます。

ただし、契約更新時に生理休暇が多くて勤務を続けることが難しいと判断された場合は、そこで契約が終了になることもあります。

生理痛がひどくなりやすい方は、事前に派遣会社に伝えて、生理休暇に関してしっかりと対応をとってくれる派遣先企業を探しましょう。

生理休暇を派遣先が認めなかったら罪になる?

生理休暇を派遣社員が申請しても、派遣先が認めなかった場合、罪となるのでしょうか?

労働安全衛生法の観点から、生理休暇を派遣先が認めなかった際の、罰則などについて解説します。

労働安全衛生法違反で罰金が発生する

派遣社員が生理痛を理由に、休むことに関して「ずる休み」などと言って、派遣先が生理休暇を認めないことは、労働基準法第68条、120条1号によって違法行為とみなされます。

生理日の就業が困難な女性が、休暇を請求した際は、会社は認めなければならないと定められているため、派遣先が生理休暇を認めない場合、30万円以下の罰金を支払わなければなりません。

もし派遣先が生理休暇を認めてくれない場合は、派遣会社もしくは弁護士や社会保険労務士などの第三者に相談するようにしましょう。

まとめ

この記事をまとめると、

生理休暇は法律で認められている女性の権利
女性派遣社員が生理痛で休むことは、男性には理解しづらい事柄かもしれませんが、生理痛がひどくなる方にとっては、仕事もできなくなるほどの痛みをともなう方もいます。

女性が働きやすくなるためには、生理痛を起こした時に、無理せず体を休めることも重要となるため、生理休暇は法律で認められている女性の権利です。

生理休暇を遠慮せずに利用しよう
生理痛がひどくて仕事に支障をきたすような場合は、生理休暇を活用するようにしましょう。

派遣先が生理休暇を認めない行為は違法行為となるため、痛みの強いときは遠慮をする必要もありません。

とはいえ、長期間休んだり、仕事を代わりに行なってもらったりする場合は、しっかりとお礼を伝えて、派遣先や派遣会社に、こころよくサポートしてもらえるように意識していきましょう。

記事監修者寺島戦略社会保険労務士事務所
所長 寺島 有紀

社会保険労務士
一橋大学商学部 卒業。
新卒で楽天株式会社に入社後、社内規程策定、国内・海外子会社等へのローカライズ・適用などの内部統制業務や社内コンプライアンス教育等に従事。在職中に社会保険労務士国家試験に合格後、社会保険労務士事務所に勤務し、ベンチャー・中小企業から一部上場企業まで国内労働法改正対応や海外進出企業の労務アドバイザリー等に従事。
現在は、社会保険労務士としてベンチャー企業のIPO労務コンプライアンス対応から企業の海外進出労務体制構築等、国内・海外両面から幅広く人事労務コンサルティングを行っている。
HP:寺島戦略社会保険労務士事務所

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この記事の執筆者
「法人派遣マッチング」ならびに
転職エージェント「♯就職しよう」運営
株式会社アドバンスフロー 代表取締役 中塚 章浩

大手人材サービス会社在籍で2,000名以上の就業に携わり、
「自分に合った派遣会社や人材紹介会社を選ぶ重要性」 を肌で感じてきました。この記事の執筆を通して、派遣会社や人材紹介会社を選ぶ際のミスマッチを少しでも解消できればと思っています。
現在、派遣会社と企業をつなぐ「法人派遣マッチング」と求職者と企業をつなぐ「転職エージェントサービス」を運営しており、それらから得られる最新情報をお伝えするべく、随時、記事の編集や更新も行っています。

経歴
パーソルテンプスタッフ株式会社に在籍後、2010年に株式会社アドバンスフローを設立し、求職者向け情報サイト「♯就職しよう」を運営。現在、#就職しようの執筆とともに、転職・就職などHR領域に関するサービスを多数展開中。 ・執筆者の詳しい経歴はコチラ
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