派遣会社の乗り換えは法律的に問題ないの?乗り換えを行うときの注意点と対策

「今の派遣先企業の仕事を続けながら、派遣会社を変えることはできるの?」

とお困りではありませんか?

派遣会社に約6年勤務した「#就職しよう」編集部の中塚が、派遣会社の乗り換えについて解説します。
この記事で、派遣会社を乗り換える時の不安を解消していただければ幸いです。

目次

派遣会社の乗り換えはできるの?

派遣社員が同じ派遣先企業の仕事を続けながら、派遣会社の乗り越えを行うことは可能です。

しかし、乗り換え方を間違えてしまうと現在登録している派遣会社とのトラブルに発展する危険性もあるため、法律に抵触してしまうのか、乗り換えのタイミングなどについて以下で解説していきます。

派遣会社の乗り換えは法律違反にならない?

派遣会社の乗り換えは法律違反とはされていません。

しかし、場合によっては乗り換え先の派遣会社に損害賠償が発生するケースもあるため派遣社員の希望で派遣会社を乗り換えるケースと、派遣先企業が派遣会社の変更を希望しているケース別で解説していきます。

誰が乗り換えを行いたいのかによって、問題点が異なります。

派遣社員の希望で派遣会社を乗り換えるケース

派遣社員の希望で派遣元を変えて同じ派遣先で働く場合は法律的に問題がないのか解説するとともに、注意点を紹介します。

まずは乗り換えについての基本的な部分を把握することをおすすめします。

派遣会社の乗り換えは法律的には禁止されていない

派遣会社の乗り換えや移籍は、法律的には禁止されていません。

今登録している派遣会社の契約更新を断って、新しく登録する派遣会社と適切な手続きを行って契約していけば、違法行為として扱われることはありません。

できるだけ途中退職などの問題になるような行為は避けて、正しい方法で派遣会社の乗り換えをすることが大切です。

派遣会社の就業規則によっては乗り換えNGと決められている場合もあり

今登録している派遣会社の就業規則などによって、「契約満了後に何ヶ月の間は、移籍先の派遣会社の契約で、同じ派遣先企業で働いてはならない」などの決まりがある場合があります。

もし、派遣社員が現在登録している派遣会社のルールを無視して、派遣会社の乗換を行って同じ派遣先企業で働き始めてしまうと、トラブルに発展する可能性もあります。

派遣会社との契約違反は損害賠償などの請求の可能性も出てくるため、派遣社員として乗り換えを行うときは、決まりを守って行動に移すようにしてください。

派遣先企業が派遣会社の変更を希望しているケース

派遣先企業が派遣会社の変更を希望しているケースでは、場合によっては損害賠償だけでなく、都道府県労働局などから指導を受けることになる可能性もあるため、どのような危険性があるのか解説します。

派遣先企業からの派遣会社の乗り換えは、クレームやトラブルに発展しやすいリスクも持っています。

乗り換え先の派遣会社が損害賠償を請求されることもある

派遣先企業が、今登録している派遣会社から他の派遣会社へ、派遣社員に乗り換えてもらうという行為は現在登録している派遣会社から「引き抜きをされた」と不信感をもたれてしまいかねません。

特に、無断で派遣社員に派遣会社を変えてもらって再度契約してしまうと、乗り換え前の派遣会社から規約違反を起こしたとして、乗り換え先の派遣会社が損害賠償を請求される可能性もあります。

派遣先企業が派遣社員の乗り換えを希望する際は、派遣社員はもちろんのこと、現在登録している派遣会社と乗り換え先の派遣会社との間で交渉を行い、同意してもらわなければなりません。

派遣社員の選定扱いとなる可能性がある

派遣先企業が、派遣社員に対して現在登録している派遣会社から他の派遣会社へ移籍してもらって再度契約を結ぶ行為は、派遣先企業と派遣社員の間に雇用関係が生まれたとして、派遣会社との二重雇用を禁止する特定行為とみなされる危険性があります。

特定行為を行ったことで罰則を受けることはありませんが、都道府県労働局から是正をするように指示されたり、派遣先企業の雇用責任が問われたりすることにつながります。

派遣会社を乗り換える最適なタイミングはいつ?

派遣社員が、派遣元を変えるタイミングとして適切なのはいつなのかについて解説します。

今登録している派遣会社との不要なトラブルを避けるためにも、派遣元を変えても問題のないタイミングで派遣会社の乗換を行うようにしてください。

契約更新のタイミングで派遣会社を乗り換えよう

派遣社員は契約の更新を6ヶ月または、3ヶ月に一回行のタイミングで契約の更新を行います。

契約更新のタイミングであれば、派遣社員は契約継続を断ったり、新しい派遣会社に移籍したりすることが可能になっています。

契約更新時であれば今登録している派遣会社も、派遣社員の退職や派遣会社の移籍を認めなければなりません。

つまり、派遣会社が派遣社員を引き止めることのできない契約更新時のタイミングは、派遣会社の乗り換えを行うタイミングとして最適だといえます。

派遣会社を変えたら3年ルールが来ても同じ職場で働ける?

派遣社員が仕事を辞めることになる、3年ルールの抵触日を迎えて派遣会社の乗り換えを行った場合、同じ派遣先企業で働くことは基本的にできません。

しかし、ある条件を満たしていれば3年ルール後も同じ派遣先企業で働くことも可能です。

3年ルールの概要から、抵触日を迎えた後の同じ派遣先企業で働く方法などについて紹介していきます。

そもそも「3年ルール」とは?

派遣の「3年ルール」とは、派遣社員が同じ派遣先で働ける期限が3年までと決められているルールのことを指します。

派遣期間に制限を設けることで、3年以上働いた派遣社員をそのまま派遣先企業が直接雇用することを促進したり、派遣社員のキャリアアップをしやすくしたりするために3年ルールは作られました。

また、個別単位の抵触日よりも事業所単位の抵触日が優先され、同じ派遣会社の派遣社員が契約していた期間と通算されることになるため、個別単位が3年を迎える前に退職するケースもある点にはご注意ください。

3年ルールが来ても同じ派遣会社・同じ派遣先企業で働くには?

基本基本的に派遣社員は、同じ派遣先で3年以上派遣社員として働くことはできません。

しかし、3年ルールを迎えても同じ派遣先企業で働ける方法も存在しています。

どの方法もある程度の条件は必要となりますが、派遣社員のまま同じ派遣先企業で3年以上働く方法を紹介していきます。

クーリング制度を活用すれば同じ派遣先企業で働ける

派遣のクーリング制度では、派遣社員が3年の契約満了を迎えた抵触日から3ヶ月と1日以上たてば同じ派遣先で働けるようになっています。

ただし派遣社員が派遣されていない状態でなければならなかったり、クーリング期間後すぐに派遣社員が同じ派遣先企業で働いたりすることは、労働者派遣法の趣旨に反しているともいわれています。

同じ派遣先でも部署が変われば契約できる

派遣社員がクーリング期間を待たずして同じ職場に戻る抜け道として、同じ職場の違う部署で契約を行う方法があります。

同じ派遣先企業であっても部署が変われば仕事内容も変わることから、違う派遣先企業との契約と同様に抵触日はリセットされて再カウントすることになります。

無期雇用もしくは60歳以上の派遣社員は3年ルールの適用外

派遣会社に無期雇用されているもしくは、60歳以上の派遣社員は3年ルールの適用外となるため、同じ派遣先企業で3年以上働くことも可能です。

派遣社員として働き続けていきたいと考えている方は、有期労働契約が通算して5年以上あれば派遣会社に無期雇用してもらえるようになるため、派遣会社で働き続けてみるのもひとつの方法です。

派遣社員が派遣会社の乗り換えを行いたい理由とは?

派遣社員が、なぜ同じ派遣会社で仕事を続けるのではなく派遣会社乗り換えを行いたいと考えるのか、5つの理由を紹介します。

派遣会社を乗り換えるのは派遣社員の自由なので、自分にも当てはまる部分がないか確認してみることをおすすめします。

1.派遣会社の営業担当との連絡が取りにくい

派遣会社によっては営業担当との連絡が取りづらく、緊急時の報告ができずに適切な対応をしてもらえない可能性があります。

特に、派遣営業担当の扱っている派遣社員の数が多くなかなか1人、1人の派遣社員にサポートが行き届かないような派遣会社だった場合、派遣社員の多くが派遣会社の移籍や乗り換えを考える傾向にあります。

契約更新時にも派遣が更新されるのかという報告もなく、派遣契約を続けることができるのか不安で怖い思いをしたという方もいます。

またいつでも相談してくれれば対応してくれると言っていたのに、全く連絡がつかないといったケースなどから、「派遣会社は嘘つきだ」と呆れてしまう方も少なくありません。

こまめに相談に乗ってくれる派遣会社の営業担当もいますが、残念ながら全ての派遣会社の営業担当がこまめな連絡をくれるいい人というわけではありません。

2.交通費支給や福利厚生などが充実していない

交通費の支給や休業手当などの福利厚生が充実している派遣会社もありますが、交通費も出ないような福利厚生があまり充実していない派遣会社もあります。

他の派遣会社の派遣社員の待遇が今登録している派遣会社よりも良いことから、派遣会社の切り替えを考える派遣社員もいます。

3.他の派遣会社と比べると時給が低い

福利厚生と同じぐらい派遣社員が派遣会社乗り換えを考える理由として多いものは、別の派遣会社の方が時給が高い時です。

平均的な時給であれば働き続けようと考える派遣社員もいますが、平均よりも下回るような時給の場合、派遣社員はより高時給の派遣会社へ行きたいと考えることがほとんどです。

4.派遣会社への報告業務などの決まりが多い

派遣会社によっては、職務を終えるたびに仕事の報告業務を求められるなどの決まりが多い派遣会社も少なからず存在します。

つまり、勤務外に行わなければならない仕事も増えてしまうことから、できるだけ面倒なことをしなくて済む派遣会社に移りたいと考える派遣社員もいます。

5.派遣会社のサポート体制が悪い

派遣社員が職場体験をする時のサポートが不十分であったり、派遣先企業で何かしらのトラブルに巻き込まれた時に派遣社員をあまり守ってくれなかったりと、派遣社員のサポート体制が整っていない派遣会社も少ないながらあります。

また、派遣会社の派遣担当者が担当変更したことでうまく意思疎通が取れずに、今まで対応してもらっていたことが出来なくなったことが原因で、派遣会社の乗り換えを考える派遣社員もいます。

派遣会社を乗り換える時は、乗換を考えている派遣会社のサポート体制の有無などについても事前に調べておくことをおすすめします。

派遣会社を乗り換えるメリットとデメリット

同じ職場で働きながら派遣会社を乗り換えるメリットとデメリットはどんなところにあるのか、メリットとデメリットをそれぞれ紹介していきます。

メリットとデメリットを比較して、派遣会社乗り換えを行うのか決める判断材料として役立つ情報をお届けします。

派遣会社乗り換えのメリット

派遣会社乗り換えのメリットを大きく3つに分けて紹介します。

自分にとってプラスになり得るのか考える参考としてお役立てください。

1.同じ仕事でより時給が高くなる可能性がある

同じ派遣先企業で働きながら派遣会社の乗り換えを行うと、今とは違う別の派遣会社の方が高時給の可能性もあります。

逆に時給をよく調べずに派遣会社の乗り換えを行ってしまって、今よりも給料が低くなってしまうケースもあるため、時給についても納得ができるのか調べておくことをおすすめします。

2.よりサポートが充実した派遣会社が利用できる

今登録している派遣会社よりも、福利厚生やサポートが充実した派遣会社を乗り換え先に選ぶことができれば、派遣社員としてより働きやすい環境で仕事を続けることができます。

サポート面が充実しているかどうかは派遣会社によって異なるため、派遣会社のサポートを重視する方は、サポート体制を確認した上で安心して働ける派遣会社の乗り換えを考えてください。

3.一度落ちた派遣先企業に再度チャレンジできる

派遣先企業の応募に落ちてしまうと、なかなか同じ派遣会社では同じ会社の同じ案件に再度紹介してもらいにくくなってしまいます。

しかし、新しい派遣会社に乗り換えれば一度落ちた会社の応募にチャレンジしやすくなります。

新しい派遣会社の営業担当が優秀だった場合、再応募した派遣先企業であっても採用してもらえる可能性は高まります。

派遣会社乗り換えのデメリット

派遣会社を乗り換えることで起こりうる3つのデメリットを紹介します。

契約内容などが変わる恐れもあるため、乗り換えを考えている派遣会社の情報を集めておくことをおすすめします。

1.社会保険の切り替え・保険証の返却などが必要になる

派遣社員の社会保険は、派遣会社で加入することになるため、派遣会社の乗り換えを行うと社会保険の切り替え手続きを行うことになります。

乗り換え前の派遣会社に返却する健康保険証や、国民健康保険の切り替え、乗り換え先の派遣会社に提出する雇用保険被保険者証やマイナンバーなどが必要となるため、手間がかかってしまう側面を持っています。

2.一から派遣会社との信頼関係を作ることになる

派遣会社の乗り換えがうまくいって、同じ派遣先企業で働くことになっても、契約満了や契約更新をせずに退職する時などに次の派遣先企業を探さなければなりません。

継続して登録している派遣社員であれば、どのような仕事が向いているのか、契約満了までしっかり働いてくれるなどの部分も見えてくるため、派遣の営業担当からしても求人を紹介しやすくなります。

しかし、乗り換え後の派遣会社の営業担当とは一から信頼関係を築いていくことになるため、好条件の派遣先企業の紹介がされにくくなってしまいます。

派遣会社の「担当者が合わない」や、「対応がむかつく」ということも起こり得るため、誰が担当してくれるのか確認した上で派遣会社乗り換えを考えるのも、トラブルを避けるひとつの方法です。

3.有給休暇の起算日が最初からになる

派遣社員の有給休暇は、派遣先企業で働き始めてから6ヶ月間継続勤務した上で全労働日の8割以上出勤していれば、10労働日の有給休暇を得ることができます。

ところが、派遣会社の乗り換えを行うと有給休暇の起算日が最初からになります。

同じ派遣先企業でも有給休暇は0からになる点にご注意ください。

派遣会社に乗り換える時に社会保険の加入を求められても断れる?

派遣会社に乗り換える時の社会保険の加入は、条件を満たしている場合断ることはできません。

社会保険の加入条件は、

    健康保険

  • 一週間の所定労働時間が、正社員の3/4以上
  • 雇用契約期間が2ヶ月を超えているまたは見込みがある
  • 75歳未満
    雇用保険

  • 一週間の所定労働時間20時間以上
  • 雇用契約期間31日以上
  • 65歳未満

など社会保険の種類によって異なりますが、派遣社員は条件を満たしている社会保険の加入をすることになります。

社会保険に加入したくない方は、加入条件を満たさないように派遣先企業との契約を行わなければなりません。
派遣会社を乗り換える時に注意しておきたい事柄を紹介します。

派遣会社を乗り換える時の注意点

派遣社員だけの希望では、派遣先企業を変えずに派遣会社の乗り換えを行うことは困難です。

現在働いている派遣会社と乗り換える派遣会社と話し合おう

派遣社員が派遣会社の乗り換えを行う時には、乗り換え先の派遣会社との話し合いだけでなく、現在働いている派遣会社にも話を通しておくことが必要です。

黙って乗り換えをして同じ派遣先企業で働いていると、乗り換え前の派遣会社から契約違反があったと判断される可能性もあります。

派遣社員と現在登録している派遣会社、乗り換えを考えている派遣会社との間で話し合いを行い、全員が納得した状態で派遣会社を乗り換えることが大切です。

同じ派遣先企業で働きたい時は派遣先企業の同意も必要

同じ派遣先企業で派遣会社乗り換えを行って働きたい時は、派遣先企業の同意が必要となります。

しっかりと同意が取られていない状態で派遣会社乗り換えを行ってしまうと、乗り換え後に同じ派遣先企業で働けないという事態にもなりかねません。

乗り換え前の派遣会社や、乗り換え先の派遣会社はもちろんのこと、派遣先企業も含めて交渉を行うことが重要です。

一度辞めた派遣会社に再登録・乗り換えは可能?

派遣社員が一度辞めた派遣会社であっても、再登録や乗り換えは可能となっています。

派遣会社とトラブルを起こしたなどの問題がない限りは、同じ派遣会社に戻ってきても受け入れてもらえます。

また派遣社員は同時に複数の派遣会社を利用することができるため、登録した状態が保持されていることがほとんどなので、登録状況を確認してみてください。

派遣社員の複数エントリーは可能?

派遣社員の求人への複数エントリーは、学生が就職活動で複数の会社を受けている時と同じようにできるようになっています。

エントリーをしたからといって必ず採用されるわけではないため、派遣社員の希望に合うようないくつかの求人に応募することも可能です。

違う派遣会社同じ派遣先顔合わせは大丈夫なの?

異なる派遣会社を利用しながら、いくつかの求人に応募することは問題ありませんが、違う派遣会社で同じ派遣先の顔合わせを行う行為は避けることをおすすめします。

顔合わせは派遣社員が問題なく働けるかどうか話し合う場でもあるため、複数の派遣会社で顔合わせを行うと、派遣先企業から派遣社員が「どっちつかずだ」と悪い印象を与えてしまいかねません。

時給の差や派遣会社のサポート体制などを比較して、希望する条件に当てはまる方の派遣会社に絞って顔合わせを行うことが大切です。

まとめ

派遣会社の乗り換えは法律的には禁止されていない
派遣会社の乗り換えは法律的には禁止されていません。

しかし、乗り換え前の派遣会社の就業規則に、乗り換え後の同じ派遣先企業で継続して働けない期間が決まっている場合、規則を無視して同じ派遣先企業で働いてしまうと、賠償金が請求される可能性があります。

派遣会社の乗り換えを行うときは、ルールに則って正しい手順と手段を守って新しい派遣会社への乗り換えを行うようにしてください。

派遣会社の乗り換えは、乗り換えに関わる派遣会社と派遣先企業の同意が必要
派遣会社の乗り換えは、派遣社員の希望だけでは簡単に実現できるものではありません。

乗り換え前の派遣会社と、乗り換え後の派遣会社同士の話し合いはもちろんのこと、派遣先企業からの同意がなければ派遣会社の乗り換えは行えません。

余計なトラブルを引き起こさないためにも、各関係者としっかりと話し合いや交渉を行なった上で、派遣会社の乗り換えを行うことをおすすめします。