株式会社アドバンスフロー 代表取締役
中塚 章浩
著書「面接の疑問 Q&A」・Twitter
パーソルテンプスタッフ株式会社に約6年在籍し、現在は派遣会社「株式会社アドバンスフロー」の代表取締役。
のべ約2,000名もの転職支援を行い、求職者が希望する仕事を得られるよう尽力。人材業界16年の経験から「派遣はしっかりとした情報が得られれば得られるほど、理想の職場を見つけられる」と確信し、多くの人が情報を得られるよう、記事の監修も行う。
「やばい派遣会社ってやっぱりある?」
「どうやって見極めたらいい?」
と思っていませんか。
この記事では、やばいと言われる派遣会社の特徴や見極め方を解説します。
良心的で親身になってくれる派遣会社を見つけるために、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。
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目次
派遣のプロから見てやばい派遣会社ってある?
派遣業界にいた者から見ても、同業他社で「やばい派遣会社」は存在します。
日本は世界で最も派遣会社がある派遣会社大国で、派遣会社の数は3万社以上もあります。
2018年度の派遣会社の事業所数は、38,128か所となっています。
2015年9月30日の派遣法改正で、派遣事業の届出制((旧)特定労働者派遣事業)が廃止され、許可制(労働者派遣事業)に一本化されました。
これにより2018年度の許可制(労働者派遣事業)事業所数は、前年度比150.8%、+12,846か所の増加となりました。
引用元:日本人材派遣協会「1.派遣の現状|派遣市場|労働者派遣事業所数」
3万社もある派遣会社の中には、優良な派遣会社もあれば悪質な派遣会社も存在します。
この記事では悪質な「やばい派遣会社」の見極め方についてご紹介致します。最後まで読んで派遣会社選びの参考にしてください。
派遣のプロから見てやばい派遣会社の特徴は?
やばい派遣会社は、対応が悪い派遣会社・法律を犯している派遣会社であることが多いです。
対応の悪い会社は派遣業界だけに留まらず、どの業界でもやばい会社でしょう。
「法律を犯すような会社はすぐに潰れるのでは?」と考えますが、派遣法はかなり複雑化されているのです。
ブラックまではいかなくても、かなりグレーなサービスを提供している派遣会社は少なくありません。
ここではやばい派遣会社の具体的な特徴について見ていきましょう。
1.単発派遣をおこなっている
単発での派遣サービス、特に日雇い派遣をおこなっている派遣会社は注意が必要です。
そもそも日雇いの派遣は2012年の法改正で原則禁止になったサービスであり、現在例外規定として以下の人材は日雇いでも就業ができます。
日雇派遣の例外規定
しかし日雇いで働ける人材は学生か主婦くらいで、対象は全労働者の30%ほどであり、派遣会社からしても派遣できる派遣社員に制限ができてしまうのです。
現状日雇い派遣サービスを導入している派遣会社は、例外規定以外の人材も単発のお仕事で案内していることが多いです。
もちろん身分証明書や年収証明の提出しないと単発での日雇い派遣では就業できないように管理している優良な派遣会社も存在します。
しかしながら何も確認をせずに平然と日雇い派遣サービスを導入している派遣会社は、例外規定の対象者以外にも単発・日雇い派遣を行うなどかなりグレーなサービスをおこなっている可能性もあります。派遣会社だけでなく派遣先企業、更には就業した派遣社員にもリスクが生じるため注意が必要です。
日々紹介サービスとは、1日ごとの直接雇用アルバイトの求人を紹介するサービスと捉えていただければわかりやすいでしょう。あくまで直接雇用の人材を1日契約で雇用してもらうことで単発の人材を斡旋しているのです。
日々紹介は厚生労働省が推奨するサービスであり、単発派遣では紹介できない人材もお仕事に従事することができます。
単発派遣の有無で判断される際は、日々紹介か否かにも注目して判断してみてください。
2.二重派遣で派遣社員を派遣している
二重派遣で派遣社員を派遣している企業は、悪質性が高いため登録すべきではない派遣会社です。
派遣会社と派遣先企業の間には他の人材派遣会社が介入することは禁止されています。しかし、中には二重派遣をおこなっている悪質な派遣会社も存在します。
二重派遣を意図的におこなう理由としては、会社の利益のために禁止されていても粗利を稼ぐためにおこなっているのです。
二重派遣を行っている派遣会社は、派遣社員を人としてではなく数字としてしか見ていない可能性が高く、さらには即刻業務停止になるブラックな派遣会社です。
お仕事を急遽失うようなことがないように二重派遣をしている派遣会社は避けましょう。
3. 希望とは関係のないお仕事ばかり紹介してくる
希望とは関係のない仕事ばかりを紹介してくる派遣会社は、売上や数値だけ注視している派遣会社である可能性があります。
派遣会社のお仕事は、働きたい派遣社員に希望のお仕事を紹介することです。
しかしやばい派遣会社では、埋めていきたい枠を埋めるために派遣社員にお仕事を案内してくることがあります。理由としては以下のような理由が考えられます。
- 案内できる仕事が全然ないので選ばせてあげられない
- 派遣先企業の期待に応えるため、誰でもいいから派遣しておきたい
- 人を派遣することで売上が上がるので、とりあえずどこでも良いから派遣しておきたい
派遣社員の希望を考えずに寄り添ってくれない派遣会社では気持ちよく良い職場で働くことは難しいでしょう。派遣社員に寄り添ってくれる優良な派遣会社を選びましょう。
業務停止命令や改善命令を受けた派遣会社はやっぱりやばいの?
業務停止命令や改善命令を受けた派遣会社は、一概にはやばいとは言い切れません。
なぜなら派遣法は変化も多く複雑であり、派遣会社が予期しない間に派遣法を犯している可能性があるのです。
例えば派遣会社が法律を遵守していても、派遣先企業が業務内容を偽って派遣社員に禁止業務をおこなわせていた場合、法律を犯していますので派遣会社も業務停止命令や改善命令を受けます。
しかしながら過去に一度改善命令を受けた派遣会社であれば、改善命令を受けたことに危機感を覚えてコンプライアンス意識が高くなっていることもあるため、やばい・悪質と言い切れないのです。
ただし業務停止命令や改善命令を何度も受けている派遣会社はやばい可能性が高いです。
何も問題を起こしていないことが一番安心ですが、業務停止命令や改善命令を過去に一度受けている程度であれば一概にはやばい派遣会社とは決めつけずに派遣会社を選ぶべきです。
ネットの口コミで評判が悪い派遣会社はやっぱりやばいの?
あまりにも口コミの悪い派遣会社はやばい派遣会社である可能性が高いです。
口コミでは派遣会社で実際に働いたことのあるリアルな声を確認できます。
もちろん、派遣会社に登録される派遣社員には多種多様な人がいます。あまりにもやばい派遣社員だった人が、お仕事を紹介してもらえなくなり逆恨みで派遣会社の悪口をネットに書き込むことは少なくありません。
優良な派遣会社を選ぶおすすめの方法としては「悪い口コミをチェック」するのではなく「良い口コミをチェック」することです。
悪い口コミは、派遣会社の何かに気に入らないことがあった時に投稿する方が多いですが、悪評を書き込む側に問題があった可能性もあります。
良い口コミは、対応の良さや派遣会社のサービスレベルに感激して口コミをしています。それほど「良い」と感じられた口コミが多い派遣会社であれば、やばい派遣会社である可能性は低いでしょう。
そのため、悪い口コミだけで信じることは早計であり、良い口コミと両方を確認しつつも、参考程度にしておくことをおすすめします。
ただし良い口コミだけしか載っていない場合も注意が必要で、派遣会社自身が書き込んだサクラである可能性があります。両方を確認することをおすすめします。
派遣会社の求人数がやたら多いのはダミーが多いの?
ダミー求人を掲載している派遣会社は多いです。
「簡単!袋詰だけの軽作業!」
「駅から徒歩5分!誰できる入力作業!」
上記のような簡単にできる楽そうなお仕事ばかりを掲載している派遣会社は、集客のために応募したくなるダミー求人を掲載している可能性が高いです。
見極める方法としては、職場の雰囲気や休憩室、近隣の情報を確認した時に派遣会社側が情報を提示できるか確かめます。
守秘義務の兼ね合いで話せない場合もありますが、職場の雰囲気などは実際に営業が訪問してお仕事の詳細を確認しているのであれば話せるはずです。
もし説明できないのだとしたら、現場に一度も訪れずにお仕事の募集をかけている派遣会社かダミーの求人を掲載している可能性が高いです。
派遣のプロから見てやばい派遣会社を回避するポイントは?
派遣会社を見極める方法は事務所の電話対応を確認しましょう。
電話対応がいい加減な派遣会社は良い派遣会社である可能性が低いです。登録説明会やWEB登録が終わった後の電話でを判断することができます。
- こちらの希望を聞き入れようとしているか
- 情報漏えいや注意喚起の書類など、確認書類はしっかり取っているか
- 社会保険や扶養控除の申告など派遣社員が知りたい情報を提供してくれるか
派遣社員を親身に扱う派遣会社であれば、やばい派遣会社である可能性は低いでしょう。
やばい派遣会社の利用を回避するために大切なことは?
派遣会社に登録するときには1社ではなく3社ほど登録しておくことをおすすめします。
1社だけしか派遣会社に登録していないと、登録した派遣会社が良い派遣会社なのか、やばい派遣会社なのかを判断することは難しいです。
他の派遣会社と比較して自分がここでお世話になりたいと感じた派遣会社でお仕事を探してみましょう。
何より、登録する派遣会社を増やしておくことで探す求人数が増えて選択肢を広げられます。なぜなら派遣会社の求人は、営業がとってきた案件次第で変動するからです。
お仕事に就きたいときに、どの派遣会社が希望に合うお仕事を獲得してきているか分かりません。自分の可能性を広げるためにも派遣会社は3社ほど登録しておくことをおすすめします。
まとめ
この記事をまとめると、
登録した派遣会社がやばい派遣会社かどうかを見極めることは難しいです。実際に働いてから「やばい派遣会社だった」と気付く人が多いでしょう。
だからこそ登録後でも
・法律を遵守しているか確認する
・登録後の派遣会社の対応を確認する
・万が一のためにも派遣会社は数社登録しておく
このような点に注目して派遣会社を査定し、就業する前にやばい派遣会社か見極める必要があります。
この記事があなたの転職活動のお役に立てば幸いです。
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