【派遣のプロが教える】派遣の抵触日とは何か?「3年ルール」と言われる意味や抵触日を迎えたときの進路まで解説

この記事の管理者株式会社アドバンスフロー
転職エージェント 兼 元派遣会社勤務 中塚 章浩

大手総合人材会社を経て、リクルートに勤務。その後、現在の株式会社アドバンスフローを設立。派遣業務、転職エージェント業務、新卒採用代行業務など、幅広い業務を経験。

派遣 抵触日

「派遣の抵触日って、何なの?」
「抵触日になったらどうなるの?」

とお悩みではありませんか?

元派遣会社勤務・現役の転職エージェント

派遣会社に約6年勤務し、現役転職エージェントである「#就職しよう」編集部の中塚が、派遣の抵触日について解説します。

派遣の抵触日は、派遣スタッフとして働くなら、とても大切な事柄であり、将来に関わる話です。

ぜひこの記事で、あなたが抱えていた派遣の悩みや不安を、少しでも解消できれば幸いです。

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派遣の抵触日とは?

派遣の抵触日とは、同じ職場で派遣として働ける最長期限を過ぎた翌日のことを言います。

つまりは、抵触日を迎えるときには、派遣期間は終了し契約の延長もできないため、別の職場で働かなければなりません。

具体的な最長期限について

同じ職場で派遣スタッフとして働ける最長期限は、抵触日の種類によって異なりますが、最長3年までとなっています。

これは、2015年改正の労働者派遣法に基づいたもので、派遣法は「同じ派遣先に派遣スタッフしては3年以上働いてはいけない」と定めています。(これを「3年ルール」とも言います。)

同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位に対し派遣できる期間は、3年が限度となります。
引用元:厚生労働省:平成27年労働者派遣法改正法の概要

抵触日の種類について

派遣の抵触日には、以下2つの種類があります。

1.派遣先事業所に対する期間制限の抵触日
これは、派遣先の企業に対しての制限で、派遣先企業が派遣スタッフを雇うならば「最長3年まで」となっており、抵触日はこの期限の翌日を指します。(※ただし延長は可)
2.個人に対する派遣の期間制限の抵触日
これは、派遣スタッフ個人に対しての制限で、同一の派遣先事業所で就業するならば「最長3年まで」となっており、抵触日はこの期限の翌日を指します。(※延長は一切不可)

そのため、個人に対する抵触日まで日数があっても、派遣先事業所に対する抵触日を迎えれば、その派遣先での就業は不可となります。

また、派遣先事業所に対する抵触日まで日数があっても、個人に対する抵触日を迎えれば、その派遣先での就業は不可となります。

抵触日(3年ルール)が作られた理由について

なぜ抵触日が作られたのか、それは3年間という上限を設けることで、派遣スタッフの雇用安定を計りたいからという理由なのです。

正規社員と比べて派遣スタッフは、人件費を抑えられる雇用形態です。

そのため、派遣先企業から見れば、正規社員よりも派遣スタッフを採用したくなりますが、雇用される側から見ると、将来の不安や賃金の格差などを感じざるを得ません。

だからこそ、正規雇用への登用や好条件の派遣求人への就業をより促進させるために、抵触日(3年ルール)が制定されたのです。

抵触日はどう計算する?

派遣の抵触日は、契約の初日を起算日として、3年後の同じ日を抵触日にすると決められています。

例えば、派遣契約初日が2020年12月1日ならば、抵触日は2023年12月1日となります。

つまり、派遣スタッフとして就業ができるのは、2023年11月30日までとなります。

2015年9月30日以降に締結された労働者派遣契約の初日を起算日とし、3年後の同日を抵触日としています。
引用元:Adecco:「労働者派遣法」の改正から3年が経過。最も注意したいのは「抵触日」

ただし、この間で派遣先事業所に対する抵触日を迎えた場合は、派遣事業所に対する抵触日が適用されます。

例えば、派遣契約初日が2020年12月1日ならば、個人に対する抵触日は2023年12月1日ですが、派遣先事業に対する抵触日が2022年10月1日だった場合、2022年9月30日までしか就業ができないのです。

抵触日の日時が分かる方法

抵触日は、通常「就業条件明示書」に記載されることになっており、これを見て確認することができます。

就業条件明示書
画像引用元:厚生労働省:モデル就業条件明示書

※派遣会社によって、就業条件明示書のフォーマットが若干異なることがあります。また、「労働条件通知書(兼)就業条件明示書」に記載されている場合もあります。

抵触日は延長やリセットできるのか?

派遣の抵触日は、延長できる場合があり、また一定の期間を経るとリセットすることができます。

延長とリセットは別の話になるため、ここからは、それぞれ個別で解説します。

抵触日の延長

抵触日の延長は、派遣先事業所に対する抵触日の場合に行うことができ、個人に対する抵触日では延長することができません。

派遣先企業が抵触日の延長を考える場合は、事業所の労働組合からヒアリング(意見聴取)をする必要があります。

ヒアリングによって同意されたら、さらに3年間に延長することが可能です。また、毎回意見聴取を行えば、延長の回数に制限はありません。

派遣先の同一の事業所に対し派遣できる期間(派遣可能期間)は、原則、3年が限度となります。
派遣先が3年を超えて派遣を受け入れようとする場合は、派遣先の事業所の過半数労働組合等からの意見を聴く必要があります。
引用元:厚生労働省:平成27年労働者派遣法改正法の概要

抵触日のリセット(クーリング期間)

抵触日のリセットは、派遣先事業所・個人それぞれに対して3ヶ月超となっています。

例えば、2020年12月1日が抵触日の場合、2020年12月1日から2021年2月28日までがクーリング期間となり、2021年3月1日以降ならば以前と同じ職場で派遣スタッフとして働くことができます。

事業所単位の期間制限
派遣先の事業所ごとの業務について、労働者派遣の終了後に再び派遣する場合、
派遣終了と次の派遣開始の間の期間が3か月を超えないときは、労働者派遣は継
続しているものとみなされます。

個人単位の期間制限
派遣先の事業所における同一の組織単位ごとの業務について、労働者派遣の終
了後に同一の派遣労働者を再び派遣する場合、派遣終了と次の派遣開始の間の期
間が3か月を超えないときは、労働者派遣は継続しているものとみなされます。
引用元:厚生労働省:平成27年労働者派遣法改正法の概要

抵触日の対象外となる派遣とは?

派遣の中には、例外として派遣期間の制限がない、抵触日がない派遣スタッフもいます。

以下のような条件に当てはまる方が、抵触日の例外の対象となります。

  1. 無期雇用派遣スタッフ
  2. 60歳以上の派遣スタッフ
  3. あらかじめ契約期間が決まっている業務を行う派遣スタッフ
  4. 1ヶ月の勤務日数が10日以下で、なおかつ派遣先社員の半分以下の勤務日数で働く派遣スタッフ
  5. 産前産後休暇や育児休暇、介護休暇を取得する派遣先社員の代替として働く派遣スタッフ

これらどれかの条件に当てはまる派遣の仕事をする場合は、抵触日の設定はされません。

もし違反して抵触日も働いたら?

もし派遣の抵触日に違反して働いていたら、「労働契約申し込みみなし制度」が適用されます。

労働契約申し込みみなし制度とは、違法に派遣スタッフとして働いていることが発覚した時点で、派遣先企業がその派遣スタッフに直接雇用の申し込みをしたとされる制度です。

抵触日以降も同じ派遣先企業で働くということは、労働者派遣法違反になりますので、この制度が適用されます。

期間制限
画像引用元:厚生労働省:労働契約申込みみなし制度の概要

抵触日を迎えたらどうなる?

抵触日を迎えたら、派遣先企業の同じ組織では働くことができないため、新しい進路を進まなければなりません。

また、新たに働く場所を探すことになりますが、同じ派遣先事業所に3年派遣される見込みとなった時点で、派遣会社から「雇用安定措置」を受けることができます。

雇用安定措置とは、派遣会社に対して派遣終了後の雇用を継続させるために、以下のいずれかの措置を講じる義務を負わせるもので、労働者派遣法で定められています。

  1. 派遣先への直接雇用の依頼をすること
  2. 新たな派遣先を提供すること
  3. 派遣会社での無期雇用派遣化すること
  4. その他

このような措置が取られるため、ゼロから転職活動を行わなければならないという訳ではありません。

しかしながら、派遣会社がこのような措置を講じたとしても、直接雇用が決まる/新しい派遣先が決まるとは限らない点は注意が必要です。

直接雇用が決まれば正社員になれる?

派遣先企業の直接雇用は、正社員とは限りません。

雇用形態は、派遣先企業との契約で決まるため、派遣スタッフで働いていたからといって、正社員に決まるわけではないのです。

時に派遣スタッフとして働いていた条件よりも、悪い条件で雇用契約される場合もあります。

そのため、直接雇用の打診があっても、まずは雇用条件などをしっかり確認しましょう。

同じ派遣先企業の別部署は働ける?

派遣先企業が同じでも、別部署ならばすぐ派遣スタッフとして働けます。

個人に対する派遣の期間制限は、派遣先企業の事業所の同じ組織に対して適用されます。

そのため、組織単位が変われば、制限は適用されないため、同じ派遣先企業に派遣スタッフとして働くことができるのです。

例えば、現在「営業課一係」の派遣スタッフとして就業している場合、営業課ニ係への派遣はできませんが、総務課への派遣は可能になります。

事業所や組織単位は、以下のように定義されています。

事業所 組織単位の定義
画像引用元:厚生労働省:平成27年労働者派遣法改正法の概要

クーリング期間後ならまた働ける?

クーリング期間が終了すれば働くことはできますが、デメリットも多くおすすめできません。

クーリング期間は、先にご説明したように就業していない期間が3ヶ月超になればクーリング期間が終了になり、以前働いていた派遣先企業の同じ部署で働くことができます。

しかしながら、また同じ仕事できるので一見この方法も良いように見えますが、以下のような危険があります。

  • 雇用契約が無いため、クーリング期間中は給与の発生はない
  • 社会保険からの脱退も必要(※任意継続の場合はその限りではありません)
  • 有給休暇の継続勤務年数はリセット
  • 派遣先企業が受け入れる保証なし

そもそも、派遣の抵触日は派遣スタッフの雇用安定のために作られたものである点からも、クーリング期間を待つのは得策とはいえないでしょう。

長く同じ企業で働きたいならば、紹介予定派遣や転職を検討することをおすすめします。

クーリング期間中は直接雇用でもいい?

クーリング期間中に直接雇用になることは全く問題ありませんが、クーリング期間明けに派遣スタッフに戻ることはできません。

直接雇用だった社員が会社を退職したら、1年以内に派遣スタッフとして同じ企業で働くことはできません。

そのため、クーリング期間中だけ直接雇用になり、また派遣スタッフに戻ることは法令違反となります。

派遣先を離職して1年以内の労働者を、派遣先が受け入れることは禁止されています(法第40条の9第1項)。具体的には、派遣受入前1年以内に正社員、契約社員、アルバイト等の雇用形態を問わず、派遣先のどこかの事業所で(派遣就業予定の事業所に限りません)1日でも直接雇用されていた人の派遣受け入れが禁止されました。
引用元:パソナ:労働者派遣法のルール:Q20. 離職した労働者を派遣労働者として受け入れる場合は?

抵触日を迎えるまでにやるべきことは?

抵触日があることを認識し、3年後のキャリアプランのための準備をしていきましょう。

順調に派遣スタッフとして働いていても、抵触日が来たら、派遣先企業に直接雇用されているかもしれませんし、別の派遣先企業を探しているかもしれません。

どのような道に進むかは抵触日が近くならないとわかりませんが、抵触日を迎える準備として以下のようなことを進めていくことをおすすめします。

1.派遣会社との連携をしっかりとる
派遣の契約期限後の直接雇用や、別派遣先の案件の情報を得るために、担当者とはコミュニケーションをとって、相談しやすい関係性を作っておくべきです。
2.今までの職歴・経歴のスキルを上げる
今の仕事に直結するスキルを上げることは、別派遣先になる場合でも有利に働きます。資格を取得するなどのスキルアップを図るべきです。
3.別職種への就業も検討する
他派遣先になる場合、現在の職種が求人の少ない職種ならば、職種変えをしなければならない可能性があります。その場合にどういう職種がいいのか、就業できるのかを考えておくべきです。
4.別の派遣会社への登録も考える
直接雇用の可能性がないならば、別派遣先への就業になりますが、その場合に求人紹介が少ない・無い可能性もゼロではありません。その対策として、別の派遣会社への登録も考えておくべきです。
5.直接雇用での就業の可能性も考える
派遣の抵触日を迎えてから派遣就業ができても、また3年後に抵触日を迎えます。3年間隔で派遣先が変わることに不安定さを感じるならば、直接雇用の正社員・契約社員に転職する道も考えておくべきです。

まとめ

この記事をまとめると、

派遣の抵触日とは、派遣先の同一組織に働ける最終日の翌日を指します。
その期限は最長3年となっており、それ以降も働き続けることは法令違反となります。
抵触日を迎えたら、直接雇用や別派遣先への就業などの道を選択しなければなりません。
同じ職場に居続けられる方法は直接雇用のみですが、条件が改悪する可能性もあり、慎重に検討しなければなりません。
抵触日を迎えるまでに、しっかりと準備を進めていきましょう。
派遣会社へ相談しやすい関係を作り、スキルアップや別の職種や派遣以外の働き方についても検討していくことで、選択肢が広がります。

ぜひ今後も、素敵な仕事を見つけて活躍されることを祈っております。

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