無期雇用派遣とは?正社員との違いやメリット、デメリットを解説

この記事の管理者株式会社アドバンスフロー
代表取締役 中塚 章浩

大手総合人材会社を経て、リクルートに勤務。その後、現在の株式会社アドバンスフローを設立。派遣業務、転職エージェント業務、新卒採用代行業務など、幅広い業務を経験。

派遣社員として働いている方の中には、「無期雇用の派遣とは何だろう?」と疑問を抱えている方もいることでしょう。この記事では無期雇用派遣の意味をはじめ、正社員との違いやメリット、デメリットなどを解説します。

関連記事
様々な職種(事務職、製造業、介護、保育、ITなど)や条件(主婦,短期単発,学生,年代別,都道府県別など)で派遣会社を比較しています。

派遣会社おすすめランキング【元派遣会社】が評判や口コミを紹介

無期雇用の派遣とは?

無期雇用の派遣という働き方を耳にしたけれど、具体的な意味がわからないという方もいるかもしれません。まずは派遣社員(労働者)の意味をおさらいしてから、無期雇用派遣とは何かを解説していきます。

具体的な働き方がイメージしやすいよう、求人の例や派遣会社が提供しているサービスの例も紹介しますので、参考にしてみてください。

そもそも派遣社員とは?

派遣社員とは、人材派遣会社と雇用契約を締結して、指定された企業に派遣される労働者をさします。勤務先の企業と雇用を結ぶわけではないので、勤務先の社員になるわけではありません。

したがって、給与についても派遣先企業ではなく、派遣会社が派遣社員に対して支払います。企業の立場からは必要なときに必要な労働力を確保しやすく、派遣社員の立場では気軽にさまざまな職場を経験することで自分の技術を磨きやすいという利点があります。

無期雇用派遣労働の意味

無期雇用派遣の意味とは、派遣会社から期限を定めずに直接雇用契約を締結してもらい、派遣労働者として働く仕組みです。無期雇用派遣社員にも定年はあり、条件を満たした場合のみ65歳まで働けることもあります。

無期雇用派遣の働き方が知られるようになったのは、2013年の労働契約法の改正がきっかけです。

期間が定められた有期労働契約が通算5年を超えて反復更新されたとき、労働者の希望によって期間が定められていない無期労働契約に転換できるようになりました。

ちなみに派遣会社は、合理的な理由がない限り5年が経過するまでに雇止め(いわゆる派遣切り)をすることはできません。

無期雇用派遣に転換する条件

無期雇用派遣に転換する条件は主に3つです。

  • 要件1.有期雇用契約の通算期間が5年を超える
  • 要件2.契約更新が1回以上行われている
  • 要件3.現時点で同一の派遣会社と契約している

通算期間は2013年4月1日以降に開始した有期労働契約からカウントします。同じ会社に継続して勤務していれば、その間に職種や仕事が変更されても契約期間が通算される仕組みです。

口頭で申込むことも法律上可能ですが、トラブルが起きないように書面で申込むのが無難でしょう。

無期雇用派遣に関する選択肢

無期雇用派遣に転換する条件を満たした場合、働き方として主に3つの選択肢があります。

選択肢1.無期雇用派遣に転換する

まずは、条件の達成を機に無期雇用派遣に実際に転換する選択肢です。転換して無期雇用になった人は、派遣元の指示に従って無期雇用派遣の方式で勤務することになります。

選択肢2.無期雇用派遣に転換しない

しかし、今までの通り有期雇用派遣のままで働き続けたいという方もいることでしょう。その場合の選択肢が無期雇用を申請しないことです。必ずしも無期雇用に転換しなければならないわけではなく、自分の意思で断ることも可能です。

一度断ったとしても契約が更新されたときに再び申込めるので、焦らずに検討しやすいといえます。

選択肢3.正社員を目指す

最後は正社員として転職する選択肢です。そもそも派遣社員としての働き方から脱却し、さらに安定した働き方を目指したい方もいるかもしれません。

その場合、引き続き有期雇用派遣を継続しつつ、転職活動や紹介予定派遣などを通して正社員になる機会を模索するのもありでしょう。

ちなみに紹介予定派遣とは、一定期間派遣社員として就業したあとに、本人と派遣先の合意にもとづいて正社員や契約社員として採用される仕組みです。

無期雇用派遣の求人例

無期雇用派遣の意味や仕組みを紹介しましたが、具体的な働き方についてイメージが湧かなかった方もいることでしょう。ここからは無期雇用派遣に関する求人の例をご紹介します。

求人1.事務

派遣会社が、事務職の求人を無期雇用派遣の形式で募集している事例が見受けられます。具体的な業務の内容は下記の通りです。

  • 人事総務:給与計算、保険手続き、勤怠管理
  • 営業事務:顧客管理、見積書作成、電話応対
  • 一般事務:書類作成、顧客対応
  • 貿易事務:資料作成、手続き業務

求めている人材は高卒以上で、事務経験のある方や事務の専門家を目指したい方などです。

月給は18万9,500円以上であり、賞与は年1回に設定されています。勤務時間は9時~17時30分であり、完全週休2日制です。

求人2.製造職

派遣会社が、製造職の求人を無期雇用派遣の形式で募集している事例も見受けられます。具体的な業務の内容は下記の通りです。

  • 自動車の製造
  • 内装部品の取り付けや組み立て
  • バリ取り

求めている人材は学歴不問であり、モノづくりに興味がある方としています。20代~40代前半までの男性スタッフが活躍しているとのことです。月給は23万円以上であり、入社祝金50万円や残業手当、深夜手当、休日出勤手当などが設定されています。

勤務時間は交代制であり、8時~17時、20時~翌5時に分かれています。基本的に土日が休みですが、月に最低2回は土曜日に出勤しなければなりません。

無期雇用派遣の主なサービス

無期雇用派遣は派遣会社が提供する勤務体制ですが、各社によって働き方の特徴が異なります。無期雇用派遣を行っている代表的な派遣会社とそのサービスについて解説します。

サービス1.アデコ

アデコでは独自の転換型無期雇用派遣プログラムの「ハケン2.5」を実施しています。原則として時給制を維持するとともに交通費を支給しています。

就業先についてはアデコが推薦する案件から選択可能であり、キャリアコーチと相談しながら自分で決定する仕組みです。そのほかの特徴として、入社初日から有給休暇が10日間付与される点も見過ごせないポイントでしょう。

転換型プログラムとは別に「事務正社員」というタイプでも無期雇用派遣を実施しています。通算年数に関わらず応募・選考を受け付けているのが特徴です。キャリアコーチによるフォロー体制やボーナスなどの待遇も用意されています。

サービス2.テンプスタッフ

テンプスタッフでは、育成型無期雇用派遣(funtable)という契約形態を採用しています。育成型無期雇用派遣は、無期雇用派遣社員を直接雇用に転換する方法であり、採用の際には条件として適性検査や面接が必要です。

本人の要望や能力などを総合的に判断してから企業に対象者を派遣し、派遣期間の勤務状態を見きわめることで直接雇用後のミスマッチを防げます。

専属スタッフが派遣先企業の方針や社風をふまえて直接雇用までサポートしてくれるため、ミスマッチのリスクを減らしたい方に適しているでしょう。

ただ、「採用基準が厳しい」「なかなか直接雇用されない」などの口コミも見られる点は把握しておくとよいでしょう。

・採用基準が厳しい
・なかなか直接雇用されない

引用元:人材派遣会社のファンタブル(テンプスタッフ)というところで働いてる方いらっしゃいますか?(Yahoo!知恵袋)

サービス3.パソナ

パソナのサービスでは、派遣社員の就業規則に労働契約法の目的から外れた規定が含まれていたことが話題となりました。その内容は、無期契約に転換されても派遣先を1か月確保できなかった場合、本人に通知した30日後に合意退職に至るという旨です。

派遣先がなくても雇用が続くのが本来の無期雇用であることから、パソナの規定に対してひどいと感じた方もいたのではないでしょうか。

ちなみにパソナグループは誤解を招く表現だったと述べたうえで、期間を削除するなどの方針を示しました。

サービス4.リクルートスタッフィング

リクルートスタッフィングでは、同社に無期雇用派遣社員として入社した後に指定された企業に派遣される働き方を採用しています。

契約期間は無期限であるのはもちろん、給与体制は月給制であるうえに昇格制度も整えられています。賞与や交通費を支給してくれる点は魅力的に感じることでしょう。

仕事を始めた方の半数が大手企業で就業している点にも特徴があります。具体的な企業の例は下記の通りです。

  • 株式会社リクルート住まいカンパニー
  • KDDI株式会社
  • 株式会社サイバーエージェント
  • 株式会社カカクコム
  • 野村不動産株式会社

参考:キャリアウィンクの働き方(株式会社リクルートスタッフィング)

無期雇用派遣労働者と正社員の違いは?

無期雇用派遣では期限が定められていません。その点、正社員の働き方に近いように思う方もいるかもしれませんが、実際のところ違いはあるのでしょうか。無期雇用派遣労働者と正社員の違いについて解説していきます。

一般的な正社員との違い

大きな違いが雇用主です。派遣される立場から見ると、一般的な正社員の雇用主は派遣先企業であり、無期雇用派遣労働者の雇用主は派遣会社になります。

無期雇用派遣と正社員は期間に定めがない点は同じですが、賞与や手当を含むそのほかの労働条件は雇用形態によって異なります。

したがって、無期雇用派遣として勤務するときは労働条件について見落としなく確認するようにしましょう。

派遣先企業の正社員との違い

派遣先企業の正社員と同じ環境で働きますが、給与や福利厚生は派遣会社の規則が適用されます。そのため、派遣先企業の業績が無期雇用派遣社員の報酬に連動するわけではありません。

また、派遣先企業の正社員とは違って無期雇用派遣労働者は、派遣先企業と派遣会社の間で契約が終了すると同じ環境で勤務を継続できなくなります。期限に定めがないといえども、勤務環境の変化は避けられないといえるでしょう。

派遣会社の正社員との違い

派遣会社の正社員も期限に定めがないので、無期雇用契約と呼べるかもしれません。しかし、無期雇用派遣社員と違う点があります。

大きな違いが勤務地です。無期雇用派遣社員は派遣先会社で勤務をするのが一般的ですが、派遣会社の正社員は派遣会社で勤務します。

そのほか、指揮や命令を与える立場も異なります。無期雇用派遣社員は派遣先会社からの指示に応じて業務を遂行する一方で、派遣会社の正社員は派遣会社からの指示に応じて業務を遂行します。

無期雇用派遣と正社員の比較表

無期雇用派遣社員と正社員の違いを比較表にまとめたので、参考にしてみてください。

無期雇用派遣社員 一般的な正社員 派遣会社の正社員
雇用主 派遣会社 雇用された企業 派遣会社
勤務地 派遣先の企業 雇用された企業 派遣会社
給与や福利厚生 派遣会社の規則に準じる 雇用された企業の規則に準じる 派遣会社の規則に準じる
業務の指揮権限 派遣先の企業 雇用された企業 派遣会社

無期雇用派遣と有期雇用派遣の違いとは?

無期雇用派遣とは無期限の雇用契約を結ぶ働き方ですが、有期雇用派遣との違いはあるのでしょうか。早速、無期雇用派遣と有期雇用派遣の違いについて説明します。

有期雇用派遣の意味

有期雇用派遣は、派遣会社と雇用契約を結んだ派遣社員が、一定期間派遣先の企業で働く仕組みです。登録型派遣とも呼ばれており、派遣先企業とは直接雇用契約を結ばない点に特徴があります。

派遣先で働いている期間のみ、派遣会社と派遣社員の間に雇用契約が生じる点が、無期雇用派遣との最大の違いです。

派遣会社は、有期雇用派遣社員に対して研修やフォローなどを担当します。

違い1.雇用契約の回数

有期雇用派遣と無期雇用派遣の違いは雇用契約を結ぶ回数です。

有期雇用派遣では派遣を希望する労働者が派遣会社に登録し、派遣にともなって派遣会社とその都度雇用契約を結びます。

裏を返すと、派遣期間が終了したら雇用契約も終了してしまうわけです。一方、無期雇用派遣では派遣先での勤務が終了しても派遣会社との契約は終了しません

つまり継続的に勤務するにあたって、有期雇用派遣の場合は複数回契約を結び、無期雇用派遣の場合は1回しか契約を結ばないので、雇用契約の回数に違いがあることがわかります。

違い2.給与体制

無期雇用派遣では無期限で派遣会社と契約をしていることから、一般的に収入を保障してもらえます。この点に関しては正社員としての給与体制に近いといえるでしょう。

一方、有期雇用派遣は派遣先が決まらないと登録関係のままであり、給料を受け取れません。また、派遣期間が終了したときも給料が支払われなくなってしまいます。

このように無期雇用派遣と有期雇用派遣は給料を受け取る仕組みが違います。

無期雇用派遣と有期雇用派遣の比較表

無期雇用派遣と有期雇用派遣の違いを比較表にまとめましたので、参考にしてみてください。

無期雇用派遣 有期雇用派遣
契約期間 無期限で雇用 派遣期間のみ雇用
契約を結ぶ回数 1回 複数回
給与体制 待機期間でも収入が発生 待機期間に収入が発生しない

無期雇用派遣のメリットとは?

無期雇用派遣は通常の正社員と有期雇用派遣と違うことがわかりましたが、具体的なメリットについて気になった方もいるのではないでしょうか。ここからは無期雇用派遣のメリットについて詳しく見ていきましょう。

メリット1.収入が途切れない

無期雇用派遣といえども、派遣先企業と派遣会社の契約が終了すれば、待機期間が発生してしまいます。しかし、無期雇用派遣では収入が途切れません

待機期間中に休業手当を支払ってもらえたり、派遣会社で就業を任されたりするケースもあります。

待機期間に収入が途絶えてしまう有期雇用派遣と違って、収入が安定しやすい点は無期雇用派遣の大きなメリットでしょう。

有期雇用派遣社員の不安定な働き方に不安を感じているのであれば、無期雇用派遣を検討する価値は高いといえます。

メリット2.同じ職場で長期間働ける

無期雇用派遣では同じ職場で長期間働けます。

このメリットは有期雇用派遣では享受できません。というのも一般的な派遣社員は、労働者派遣法によって同じ事業所で3年を超えて働くことができないからです。

第三十五条の三 派遣元事業主は、派遣先の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務について、三年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣(第四十条の二第一項各号のいずれかに該当するものを除く。)を行つてはならない。

引用:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(e-Gov法令検索)

3年という制限はあくまでも雇用の安定を守るために決められています。その点、雇用安定措置の一つである無期雇用派遣であれば、3年の期間制限が適用されません。

したがって、派遣先会社の要望に応じて勤務を継続することが可能です。同じ職場で勤務すれば、着実にスキルアップできるでしょう。

メリット3.賞与・ボーナスがもらえるケースも

無期雇用派遣でも賞与やボーナスがもらえるケースがあります。いつからそのような体制になったのか気になるかもしれません。

その背景として、2020年4月から同一労働同一賃金というルールが導入されることになったことが関係しています。

同じ仕事を行う場合には、正社員や非正社員の立場に関係なく、同一の賃金を支給するという仕組みです。

同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。

引用:同一労働同一賃金特集ページ(厚生労働省)

ただ、企業によっては無期雇用派遣と正社員の労働条件を区別しているケースもあります。必ずしもボーナスがもらえるかわからない点には注意してください。

メリット4.キャリア形成のサポートがある

無期雇用派遣労働者は派遣会社からキャリア形成の支援が受けられます。

2015年9月30日の労働者派遣法改正によって、労働者派遣事業者の許可・更新基準として「派遣労働者へのキャリア形成支援制度を有すること」が追加されたからです。

キャリア支援制度は、派遣社員のキャリアアップを視野にいれて教育訓練や就業経験をサポートする仕組みです。

中でも無期雇用派遣労働者に対して行われる教育訓練は、長期的なキャリア形成を前提とした内容であることが要件として定められています。

無期雇用派遣労働者で働く際には、どのようなキャリア支援が受けられるのか、派遣会社に確認してみるとよいでしょう。

参考:派遣労働者のキャリア形成支援のために(一般社団法人日本人材派遣協会)

メリット5.退職金をもらえる可能性がある

無期雇用派遣では退職金をもらえる可能性がある点もメリットです。

一般的な派遣社員は同じ場所で3年以上にわたって勤務を継続できません。退職金制度がある企業だとしても、雇用期間が不足して退職金がもらえない可能性が高いといえます。

しかし、無期雇用派遣であれば雇用期間の制限がないので、退職金の条件である雇用期間の勤務をクリアしやすくなります

少しでも退職金をもらえる可能性を高めたいのであれば、無期雇用派遣も一つの選択肢となることでしょう。

メリット6.失業保険の加入条件を満たしやすい

無期雇用派遣であれば失業保険をもらえる可能性が高まります。そもそも失業保険とは公的保険制度の一つであり、厳密にいうと雇用保険です。

雇用保険に加入するためには下記の条件があります。

  • 雇用契約期間が31日以上あるいは31日以上になる見込みがある
  • 契約で定められた1週間の労働時間が20時間以上

無期雇用派遣では期間を定めずに雇用契約を締結するので、加入条件にある契約期間を必然的に満たせます。つまり、フルタイムの勤務を条件とする仕事に就くことができれば、雇用保険に加入する権利が得られるわけです。

無期雇用派遣のデメリットとは?

無期雇用派遣のメリットをお伝えしましたが、働く際のデメリットまで知っておきたいという方もいるかもしれません。ここからは無期雇用派遣のデメリットを紹介します。

デメリット1.職場を選択できない

無期雇用派遣は派遣会社の指示に従って就業をすることから、職場(派遣先企業)を自分で決定できません。

自分の意思で契約を更新しないこともできないので、仮に職場の環境があわなかった場合、気軽に派遣先を変更することもできないわけです。

つまり、一般的な派遣が得られる職場が選択できるというメリットを享受できないことがデメリットだといえるでしょう。

自分にあわない職場で働くことが苦手であれば、無期雇用派遣の働き方については慎重に検討するようにしてください。

デメリット2.選考に落ちるリスクがある

無期雇用派遣は登録型派遣と違って、派遣会社による選考を通過することで採用されるのが一般的です。勤労意欲がない人やスキルのない人を無期限に雇用するのはリスクが高いからでしょう。

一般的には正社員の選考のように、エントリーからはじまって書類選考や面接などが実施されます。参考に、すでに紹介したアデコの「ハケン2.5」における選考も紹介しましょう。

無期雇用派遣専用のテストではなく、派遣登録時に実施している各種テストの結果と、職務経歴等を確認します。その後、面接を実施しそれらの結果を以て総合的に判断します。

引用:ハケン2.5の制度・待遇について(アデコ)

アデコの場合、無期雇用派遣専用のテストを用意していません。派遣登録時に実施している各種テストの結果を流用しつつ、職務経歴等を確認します。その後、面接の結果とあわせて総合的に判断するとのことです。

したがって、無期雇用派遣に落ちたケースについても想定しておかなければなりません。

デメリット3.フルタイムの勤務体制

無期雇用派遣では正社員や契約社員と同じくフルタイムの働き方が基本です。そもそもフルタイムとは、職場で定められている通常の勤務時間における全時間帯にわたって勤務することをさします。

したがって、無期雇用派遣では基本的に週5日以上勤務することになり、少しだけ働きたいという方にとって負担が大きくなってしまうといえます。

家事や育児を優先したい女性や、長期休暇を取得して旅行に行きたい方などであれば、安易に無期雇用派遣を選択しないよう注意が必要でしょう。

デメリット4.給与が上がりにくい

無期雇用派遣では、アルバイトとは違って基本的に月給制が採用されます。収入は安定するといえますが、仕事内容に関わらず一定の給与で勤務しなければなりません

その点、職場を変えられる通常の派遣社員のほうが、時給を調整しやすいように思う方もいるでしょう。

ただ、無期雇用派遣サービスを提供している会社によっては評価制度を設けており、昇給の可能性がないわけではありません。

無期雇用派遣で働く際には昇給制度についても見落としなく確認するようにしましょう。

デメリット5.異動が多い

無期雇用派遣は、転勤がない一方でさまざまな企業に派遣されます。

無期雇用派遣の場合、派遣会社は派遣先が決まっていない期間の収入も負担しなければなりません。その点で、少しでも勤務している状態を作りたいという考えがベースにあるのでしょう。

異動が多いと、派遣されるたびに新たな環境で人間関係を構築しなければなりません。全く異なる社風になじめなければ、精神的な負担が増えてしまうことも考えられます。

無期雇用派遣を検討する際には、雇用に期限がないという安定性だけに目を奪われないよう、気をつけてください。

デメリット6.時給制のままのケースもある

無期雇用派遣になると月給制になって収入が安定しやすくなりますが、実は時給制のままであるケースもあります。中には無期雇用に転換した方の時給が減額されてしまうこともあったようです。

パソナが無期雇用に転換した派遣社員に、通勤手当の支給を開始したのと同時に時給を減額したことが同社の内部文書で明らかになった。
他の大手でも同様の動きがある。

引用:派遣社員News【公式】@haken_news(Twitter)

労働契約法では有期雇用から無期雇用に転換できることは定められていますが、待遇をよくすることまでは義務付けられていないからです。

時給のままだと勤務していないときには賃金が発生しないので、休みがあるほど収入が減ってしまうことになります。

無期雇用派遣を希望するのであれば、給与体制が月給制と時給制のどちらなのか、最低限確認するようにしましょう。

無期雇用派遣が危険だといわれる理由とは?

働き方に対する価値観は人それぞれなので、何らかの理由で無期雇用派遣になりたくないと思っている方や、無期雇用派遣はやめとけという方、無期雇用派遣はやばい?と感じている方もいるかもしれません。

実際に無期雇用派遣には見過ごせない危険(リスク)があります。ここからは無期雇用派遣の危険性についても目を向けていきます。

契約終了の可能性がある

無期雇用派遣は正社員ではありません。つまり、契約解除(解雇・クビ)のリスクがあるということです。

無期雇用派遣が期限の定めがない働き方である点に安定を感じる方もいるかもしれませんが、契約を解除されてしまえば収入が途絶えてしまうでしょう。

無期雇用派遣において解雇が認められる条件は下記の通りです。

  • 正当な解雇理由がある
  • 30日分の解雇予告手当を支払う(あるいは30日以上前に解雇予告をする)

両方の条件を満たした場合に解雇される可能性があります。解雇が検討されるケースをいくつか確認してみましょう。

解雇が検討されるケース1.勤務態度不良

勤務態度に問題がある場合は解雇が検討されることもあります。ただ、いきなり解雇が検討されるわけではありません。

まず、派遣会社が勤務態度の問題点を派遣社員に注意し、問題が改善されない場合は懲戒処分が行われます。懲戒処分によっても改善が見られないと、解雇を検討されます。

解雇が検討されるケース2.病欠が多い

病欠が多いと派遣会社だけでなく、派遣先の業務にも悪影響を及ぼしてしまうので、解雇が検討されることもあります。

ただ、労働基準法では出勤率が8割以上のケースには有給休暇を付与する考え方をとっています。

その点をふまえると、約8割以上の出勤率を維持しているのであれば、特別な事情がなければ解雇理由にすることは難しいとの見方がなされています。

解雇が検討されるケース3.人員整理

不況によって派遣先が確保できないことによって、余剰人員を整理するために解雇が検討される場合もあるようです。正当性を判断する基準として裁判所は下記の項目を示しています。

  • 経営上における人員削減の必要性
  • 解雇以外の経費削減手段の実施
  • 解雇対象者の選定に関する合理性
  • 対象者に対する説明や協議などの有無

このように正当性を細かく判断されることから、簡単には人員整理を目的に解雇されるとは考えにくいといえます。ただし、裏を返すと条件を満たせば解雇される可能性があるということです。

無期雇用派遣を検討する際に見過ごしてはならない危険性だといえるでしょう。

参考:無期雇用の派遣社員の解雇について(咲くやこの花法律事務所)

無期雇用派遣を辞める時は?

無期雇用派遣で働くとき、状況によっては辞めることを検討するケースもあるかもしれません。

一般的な派遣社員は決められた契約期間だけ勤務するので、契約期間が終了したら更新をしなければ辞められます。その点、契約期間が定められていない無期雇用の場合、辞める時はどうすればよいのでしょうか。

契約によるトラブルを回避できるよう、無期雇用派遣を辞める時の方法も知っておきましょう。

派遣先だけを辞めたい場合

一般的に派遣会社と派遣先企業は、お互いに派遣社員が勤務する期間について契約されています。

無期雇用派遣の場合、派遣会社の指示に従う必要があるので、更新時期になっても派遣先企業を辞めることは難しい傾向です。

派遣先企業だけを辞めるには、当然のごとく派遣会社と交渉しなければなりません。うまくいけば新しい派遣先企業を紹介してくれることもあります。

ただ、更新時期を待たずにすぐ辞めるのはおすすめできません。突然辞めると派遣先企業に迷惑をかけるだけでなく、派遣会社からの信頼まで失いかねないからです。早急に辞めたい場合は正当な理由を用意しておく必要があります。

派遣先と派遣会社の両方を辞めたい場合

更新時期を待って派遣会社と派遣先企業のどちらも辞める時は、派遣先の契約時期が終了する3か月前に派遣会社に退職の旨を伝えます。

その際には、一般的な企業と同様に退職届を提出する必要があります。

派遣社員と契約を結んでいるのは派遣会社なので、はじめから派遣先企業に退職の旨を伝えないように注意してください。

まとめ

この記事をまとめると、無期雇用派遣は正社員と有期雇用派遣と異なる働き方であり、それぞれの違いを明確にしたうえで検討することが大切です。

無期雇用派遣の具体的な働き方を知りたいのであれば、実際の求人や各企業の派遣サービスを参照にするとイメージが深まることでしょう。

その際、無期雇用派遣のメリットだけに目が行ってしまわないように、デメリットやリスクまで把握することも重要です。

この記事が、あなたの就職活動のお役に立てば幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA