【社労士監修】無期雇用派遣とは?正社員との違いやメリット、デメリットを解説

記事監修者汐留社会保険労務士法人
池田 優子

派遣社員として働いている方の中には、「無期雇用の派遣とは何だろう?」と疑問を抱えている方もいることでしょう。

この記事では無期雇用派遣の働き方をはじめ、正社員や有期雇用派遣との違いやメリット、デメリットなどを解説します。

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無期雇用の派遣とは?

無期雇用の派遣という働き方を耳にしたけれど、具体的にどのような働き方なのかわからないという方が多いかもしれません。

まずは派遣社員(労働者)の意味をおさらいしてから、無期雇用派遣とは何かを解説していきます。

具体的な働き方がイメージしやすいよう、求人の例や派遣会社が提供しているサービスの例も紹介しますので参考にしてみてください。

そもそも派遣社員とは?

派遣社員とは、人材派遣会社と雇用契約を締結して、派遣会社から指定された他の企業に派遣される社員のことです。

派遣先企業と直接雇用契約を結ぶわけではないので、派遣先企業の社員になるわけではありません。

したがって、給与についても派遣先企業ではなく、派遣会社が派遣社員に対して支払います。

派遣先企業の立場からは、必要なときに必要な労働力を確保しやすく、派遣社員の立場では、気軽にさまざまな職場を経験することができ、自分のスキルを増やしたり磨いたりしすいという利点があります。

無期雇用派遣とは?

無期雇用派遣とは、派遣会社と期間を定めずに直接雇用契約を締結し、派遣社員として働く仕組みです。

無期雇用派遣社員にも正社員と同様に定年はあり、条件は派遣会社によって異なります。

無期雇用派遣の働き方が知られるようになったのは、2013年の労働契約法の改正がきっかけです。

期間の定めがある有期労働契約が繰り返し更新されて、通算5年を超えた時は、労働者の申込みによって期間の定めのない無期労働契約に転換できるようになりました。

ちなみに派遣会社が、無期転換を避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇止めをすることは望ましくないとされています。

無期雇用派遣に転換する条件

無期雇用派遣に転換する条件は主に3つです。

  • 要件1.有期雇用契約の通算期間が5年を超える
  • 要件2.契約更新が1回以上行われている
  • 要件3.現時点で同一の派遣会社と契約している

通算期間は2013年4月1日以降に開始した有期労働契約からカウントします。

同じ会社に継続して勤務していれば、その間に職種や職務内容が変更されても契約期間が通算されます。

法律上、口頭で申し込むことも可能ですが、後からトラブルが起きないように書面で申し込むことをおすすめします。

無期雇用派遣に関する選択肢

無期雇用派遣に転換する条件を満たした場合、働き方として主に3つの選択肢があります。

選択肢1.無期雇用派遣に転換する

まず1つ目は、条件を満たしたタイミングで、実際に無期雇用派遣に転換する方法です。

転換して無期雇用になった人は、派遣会社の指示に従って無期雇用派遣社員として勤務することになります。

選択肢2.有期雇用派遣のままで働き続ける

2つ目は、有期雇用派遣のままで働き続けるという方法です。

無期雇用転換へ申込みができる権利を得たとしても、今まで通り有期雇用派遣のままで働き続けたいという方もいらっしゃるでしょう。

その場合は、無期雇用転換の申込みをしなければ何も変わることはありません。

権利を得たからといって、自動的に無期雇用になるわけでもないのです。

また、必ずしも無期雇用に転換しなければならないわけでもなく、自分の意思で申込みをしないことも可能です。

一度申込みをしなかったとしても、その後契約が更新されたときに再び申込みをすることもできますので、焦らずに検討することも可能です。

選択肢3.正社員を目指す

最後は正社員として転職する方法があります。

そもそも派遣社員としての働き方から、さらに安定した働き方を目指したい方もいらっしゃるかもしれません。

その場合、引き続き有期雇用派遣を継続しつつ、転職活動や紹介予定派遣などを通して正社員になる機会を模索する方法もあります。

ちなみに紹介予定派遣とは、一定期間派遣社員として就業したあとに、本人と派遣先企業の合意にもとづいて正社員や契約社員として採用される仕組みのことです。

無期雇用派遣の求人例

無期雇用派遣の意味や仕組みを紹介しましたが、ここからはより具体的に無期雇用派遣に関する求人の例をご紹介します。

求人1.事務

派遣会社が、事務職の求人を無期雇用派遣の形式で募集している事例が見受けられます。具体的な業務の内容は下記の通りです。

  • 人事総務:給与計算、保険手続き、勤怠管理
  • 営業事務:顧客管理、見積書作成、電話応対
  • 一般事務:書類作成、顧客対応
  • 貿易事務:資料作成、手続き業務

求めている人材は高卒以上で、事務経験のある方や事務の専門家を目指したい方などです。

月給は18万9,500円以上であり、賞与は年1回に設定されています。勤務時間は9時~17時30分であり、完全週休2日制です。

求人2.製造職

派遣会社が、製造職の求人を無期雇用派遣の形式で募集している事例も見受けられます。

具体的な業務の内容は下記の通りです。

  • 自動車の製造
  • 内装部品の取り付けや組み立て
  • バリ取り

求めている人材は学歴不問であり、モノづくりに興味がある方としています。20代~40代前半までの男性スタッフが活躍しているとのことです。

月給は23万円以上であり、入社祝金50万円や残業手当、深夜手当、休日出勤手当などが設定されています。

勤務時間は交代制であり、8時~17時、20時~翌5時に分かれています。

基本的に土日が休みですが、月に最低2回は土曜日に出勤しなければなりません。

無期雇用派遣の主なサービス

無期雇用派遣は、派遣会社の雇用形態のひとつですが、各社によって働き方に特徴があります。

無期雇用派遣を行っている代表的な派遣会社とその内容について解説します。

サービス1.アデコ

アデコでは独自の転換型無期雇用派遣プログラムの「ハケン2.5」を実施しています。原則として時給制を維持するとともに交通費を支給しています。

就業先についてはアデコが推薦する案件から選択可能であり、キャリアコーチと相談しながら自分で決定する仕組みです。そのほかの特徴として、入社初日から有給休暇が10日間付与される点も見過ごせないポイントでしょう。

転換型プログラムとは別に「事務正社員」というタイプでも無期雇用派遣を実施しています。通算年数に関わらず応募・選考を受け付けているのが特徴です。キャリアコーチによるフォロー体制やボーナスなどの待遇も用意されています。

サービス2.テンプスタッフ

テンプスタッフでは、育成型無期雇用派遣(funtable)という契約形態を採用しています。

育成型無期雇用派遣は、無期雇用派遣社員を直接雇用に転換する方法であり、採用の際には条件として適性検査や面接が必要です。

本人の要望や能力などを総合的に判断してから企業に対象者を派遣し、派遣期間の勤務状態を見きわめることで直接雇用後のミスマッチを防げます。

専属スタッフが派遣先企業の方針や社風をふまえて直接雇用までサポートしてくれるため、ミスマッチのリスクを減らしたい方に適しているでしょう。

ただ、「採用基準が厳しい」「なかなか直接雇用されない」などの口コミも見られる点は把握しておくとよいでしょう。

・採用基準が厳しい
・なかなか直接雇用されない

引用元:人材派遣会社のファンタブル(テンプスタッフ)というところで働いてる方いらっしゃいますか?(Yahoo!知恵袋)

サービス3.リクルートスタッフィング

リクルートスタッフィングでは、同社に無期雇用派遣社員として入社した後に指定された企業に派遣される働き方を採用しています。

契約期間は無期限であるのはもちろん、給与体制は月給制であるうえに昇格制度も整えられています。賞与や交通費を支給してくれる点は魅力的に感じることでしょう。

仕事を始めた方の半数が大手企業で就業している点にも特徴があります。

参考:キャリアウィンクの働き方(株式会社リクルートスタッフィング)

無期雇用派遣社員と正社員の違いは?

無期雇用派遣社員は、雇用契約期間が定められていません。

その点、正社員の働き方に近いように思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際のところ違いはあるのでしょうか。

無期雇用派遣社員と正社員の違いについて解説します。

一般的な正社員との違い

無期雇用派遣社員と正社員は、雇用期間に定めがない点は同じですが、給与や賞与・各種手当を含むそのほかの労働条件は雇用形態によって異なることが多いです。

したがって、無期雇用派遣社員として勤務するときは、派遣会社の定める労働条件についてしっかりと確認するようにしましょう。

派遣先企業の正社員との違い

派遣先企業の正社員と同じ環境で働きますが、給与や福利厚生は派遣会社の規則が適用されます。

そのため、派遣先企業の業績が無期雇用派遣社員の給与等に連動するわけではありません。

また、派遣先企業の正社員と違って無期雇用派遣社員は、派遣先企業と派遣会社の間で派遣契約が終了すると同じ環境で勤務を継続できなくなります。

期限に定めがないといえども、勤務する環境の変化は避けられないといえるでしょう。

派遣会社の正社員との違い

派遣会社の正社員も雇用期間に定めがないので、見方によっては無期雇用契約と呼べるかもしれません。

しかし、無期雇用派遣社員と違う点があります。

大きな違いが勤務地です。

無期雇用派遣社員は派遣先会社で勤務をするのが一般的ですが、派遣会社の正社員は派遣会社で勤務します。

その他、指揮や命令を与える立場も異なります。

無期雇用派遣社員は派遣先企業からの指示に基づき業務を遂行する一方で、派遣会社の正社員は派遣会社からの指示に基づき業務を遂行します。

無期雇用派遣社員と正社員の比較表

無期雇用派遣社員と正社員の違いを比較表にまとめたので、参考にしてみてください。

無期雇用派遣社員 一般的な正社員 派遣会社の正社員
雇用主 派遣会社 雇用された企業 派遣会社
勤務地 派遣先企業 雇用された企業 派遣会社
給与や福利厚生 派遣会社の規則に準じる 雇用された企業の規則に準じる 派遣会社の規則に準じる
業務の指揮権限 派遣先企業 雇用された企業 派遣会社

無期雇用派遣と有期雇用派遣の違いとは?

無期雇用派遣と有期雇用派遣の違いはどこにあるのでしょうか。

有期雇用派遣の特徴を踏まえた上で、その違いについて説明します。

有期雇用派遣とは?

有期雇用派遣は、派遣会社と雇用契約を結んだ派遣社員が、一定期間派遣先企業で働く仕組みで、登録型派遣とも呼ばれています。

派遣先企業で働いている期間のみ、派遣会社と派遣社員の間に雇用契約が生じる点が特徴です。

派遣会社は、有期雇用派遣社員に対して研修やフォローなどを行います。

違い1.雇用契約の回数

有期雇用派遣では、派遣にともなって派遣会社とその都度雇用契約を結ぶため、派遣期間が終了したら雇用契約も終了してしまうことになります。

一方、無期雇用派遣では派遣先企業での勤務が終了しても、派遣会社との雇用契約は終了しません

つまり継続的に勤務するにあたって、有期雇用派遣の場合は複数回契約を結び、無期雇用派遣の場合は1回しか契約を結ばないので、雇用契約の回数に違いがあることがわかります。

違い2.給与体系

有期雇用派遣は派遣先企業が決まらないと登録関係のままであり、給与を受け取ることができません。

また、派遣期間が終了したときも給与が支払われなくなってしまいます。

一方、無期雇用派遣は、期間の定めなく派遣会社と契約をしていることから、待機期間中の給与が保証されるなど、一般的に収入が安定している場合が多いです。

この点に関しては正社員の給与体系に近いといえるでしょう。

このように有期雇用派遣と無期雇用派遣では、給与が支給される仕組みが違います。

無期雇用派遣と有期雇用派遣の比較表

無期雇用派遣と有期雇用派遣の違いを比較表にまとめましたので、参考にしてみてください。

無期雇用派遣 有期雇用派遣
契約期間 期間の定めなし 派遣期間のみ
契約を結ぶ回数 1回 複数回
給与体系 待機期間でも収入が発生 待機期間に収入が発生しない

無期雇用派遣社員のメリットとは?

無期雇用派遣社員は、正社員や有期雇用派遣社員と違うことがわかりましたが、具体的なメリットについて気になった方もいるのではないでしょうか。

ここからは無期雇用派遣社員のメリットについて詳しく見ていきましょう。

メリット1.収入が途切れない

無期雇用派遣といえども、派遣先企業と派遣会社の契約が終了すれば、待機期間が発生してしまいます。

しかし、待機期間中に、派遣会社での就業を任されたり、休業手当が支給されたりするケースもあり、無期雇用派遣では収入が途切れません。

待機期間に収入が途絶えてしまう有期雇用派遣と違って、収入が安定しやすい点は無期雇用派遣の大きなメリットでしょう。

有期雇用派遣による不安定な働き方に不安を感じているのであれば、無期雇用派遣を検討するのもよいでしょう。

メリット2.同じ職場で長期間働ける

無期雇用派遣では、同じ職場で長期間働くことができるケースもあります。

このメリットは有期雇用派遣では享受できません。というのも一般的な派遣社員は、労働者派遣法によって同じ事業所で3年を超えて働くことができないからです。

第三十五条の三 派遣元事業主は、派遣先の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務について、三年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣(第四十条の二第一項各号のいずれかに該当するものを除く。)を行つてはならない。

引用:e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」

3年という制限はあくまでも雇用の安定を守るために決められています。その点、雇用安定措置の一つである無期雇用派遣であれば、3年の期間制限が適用されません。

したがって、派遣先企業の要望に応じて勤務を継続することが可能です。同じ職場で勤務することで安定した勤務を続けることができるでしょう。

メリット3.賞与・ボーナスがもらえるケースも

無期雇用派遣でも賞与やボーナスがもらえるケースがあります。いつからそのような体系になったのか気になる方もいらっしゃるかもしれません。

その背景として、労働者派遣方の改正により、2020年4月から「同一労働同一賃金」というルールが導入されることになったことが関係しています。

欧米の「同一労働同一賃金」は、同じ仕事を行う場合には、正社員や非正規社員の立場に関係なく、同一の賃金を支給するという仕組みですが、今回の日本の「同一労働同一賃金」は、日本の雇用慣行も考慮し、まずは同一の企業等における正社員と非正規社員の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。

同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。

引用:厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」

ただし、企業によっては無期雇用派遣社員と正社員の労働条件を区別しているケースもあり、賞与やボーナスがもらえるかは派遣会社によって異なりますので注意が必要です。

メリット4.キャリア形成のサポートがある

無期雇用派遣社員は、派遣会社からキャリア形成の支援を受けることができます。

2015年9月30日の労働者派遣法改正によって、労働者派遣事業者の許可・更新基準として「派遣労働者へのキャリア形成支援制度を有すること」が追加されたからです。

キャリア支援制度は、派遣社員のキャリアアップを視野にいれて教育訓練や就業経験をサポートする仕組みです。

中でも無期雇用派遣社員に対して行われる教育訓練は、長期的なキャリア形成を前提とした内容であることが要件として定められています。

無期雇用派遣社員として働く際には、どのようなキャリア支援が受けられるのか、派遣会社に確認してみるとよいでしょう。

参考:日本人材派遣協会「派遣労働者のキャリア形成支援のために」

メリット5.退職金をもらえる可能性がある

無期雇用派遣では退職金をもらえる可能性がある点もメリットです。

一般的な派遣社員は同じ場所で3年以上にわたって勤務を継続できません。

退職金制度がある企業だとしても、雇用期間の関係で退職金がもらえない可能性があるかもしれません。

しかし、無期雇用派遣であれば、退職金の条件である雇用期間の問題をクリアしやすくなります

少しでも退職金をもらえる可能性を高めたいのであれば、無期雇用派遣も一つの選択肢となることでしょう。

メリット6.雇用保険の加入条件を満たしやすい

無期雇用派遣であれば、退職後に失業保険をもらえる可能性が高まります。

そもそも失業保険とは公的保険制度の一つであり、厳密にいうと雇用保険です。

雇用保険に加入するためには下記の条件があります。

  • 雇用契約期間が31日以上あるいは31日以上になる見込みがある
  • 契約で定められた1週間の所定労働時間が20時間以上

無期雇用派遣では期間を定めずに雇用契約を締結するので、加入条件にある契約期間を必然的に満たせます。つまり、フルタイムの勤務を条件とする仕事に就くことができれば、雇用保険に加入する権利が得られるわけです。

無期雇用派遣社員のデメリットとは?

ここまで無期雇用派遣社員のメリットをお伝えしましたが、働く際のデメリットまで知っておきたいという方もいるかもしれません。ここからは無期雇用派遣社員のデメリットを紹介します。

デメリット1.職場を選択できない

無期雇用派遣社員は、派遣会社の指示に従って就業をすることから、職場(派遣先企業)を自分で決定できません。

自分の意思で契約を更新しないこともできないので、仮に職場の環境が合わなかった場合、気軽に派遣先企業を変更することもできないわけです。

つまり、一般的な派遣社員が得られる職場を選択できるというメリットを享受できないことがデメリットだといえるでしょう。

自分に合わない職場で長く働くことを避けたいのであれば、無期雇用派遣の働き方については慎重に検討しましょう。

デメリット2.選考に落ちるリスクがある

無期雇用派遣は登録型派遣と違って、派遣会社による選考に合格することで採用されるのが一般的です。

勤労意欲のない人やスキルのない人を無期限で雇用するのはリスクが高いからでしょう。

一般的には正社員の選考のように、エントリーからはじまって書類選考や面接などが実施されます。参考に、すでに紹介したアデコの「ハケン2.5」における選考も紹介しましょう。

無期雇用派遣専用のテストではなく、派遣登録時に実施している各種テストの結果と、職務経歴等を確認します。その後、面接を実施しそれらの結果を以て総合的に判断します。

引用:ハケン2.5の制度・待遇について(アデコ)

アデコの場合、無期雇用派遣専用のテストを用意していません。派遣登録時に実施している各種テストの結果を流用しつつ、職務経歴等を確認します。その後、面接の結果とあわせて総合的に判断するとのことです。

したがって、不採用となるケースにつについても想定しておく方がよいでしょう。

デメリット3.フルタイムの勤務体制

無期雇用派遣社員では、正社員の様にフルタイムの働き方が基本です。

そもそもフルタイムとは、職場で定められている正規の勤務時間における全時間帯にわたって勤務することをさします。

したがって、無期雇用派遣社員では基本的に週5日以上勤務することになり、少しだけ働きたいという方にとって負担が大きくなってしまうかもしれません。

家事や育児を優先したい方や、長期休暇を取得して旅行に行きたい方などであれば、ワークライフバランスを考慮し判断を行う必要があるでしょう。

デメリット4.給与が上がりにくい

無期雇用派遣では、アルバイトとは違って基本的に月給制が採用されることが多いです。

収入は安定するといえますが、仕事内容に関わらず一定の給与で勤務することになります

その点、職場を変えられる通常の派遣社員のほうが、給与を調整しやすいように思う方もいるでしょう。

しかし、無期雇用派遣サービスを提供している会社によっては、昇給制度を設けている場合もありますので、昇給の可能性が全くないわけではありません。

無期雇用派遣で働く際には昇給制度の有無についても見落としなく確認するようにしましょう。

デメリット5.短期派遣が増える可能性

無期雇用派遣は、転勤がない一方でさまざまな企業に派遣されます。

無期雇用派遣の場合、派遣会社は派遣先が決まっていない期間の収入も補償しなければなりません。

そのため、派遣先が決まっていない期間をなるべく減らすよう、短期間でも派遣される可能性があるでしょう。

短期派遣が増えることにより、さまざまな人や仕事に関わることができる点はメリットになるかもしれません。

しかし、派遣されるたびに新たな環境で人間関係を構築する必要があり、そこの社風に馴染めなければ、精神的な負担が増えていまうことも考えられます。

デメリット6.時給制のままのケースもある

無期雇用派遣になると、月給制になることが多く収入が安定しやすくなりますが、実は時給制のままであるケースもあります。

中には無期雇用に転換後の時給の方が、安くなってしまったこともあるようです。

労働契約法では有期雇用から無期雇用に転換できることは定められていますが、待遇を上げることまでは義務付けられていないからです。

時給のままだと勤務していないときには賃金が発生しないので、休みが増えるほど収入が減ってしまうことになります。

無期雇用派遣を希望するのであれば、給与体系が月給制と時給制をしっかりと確認するようにしましょう。

無期雇用派遣が危険だといわれる理由とは?

働き方に対する価値観は人それぞれなので、何らかの理由で無期雇用派遣になりたくないと思っている方や、無期雇用派遣は避けたほうがいいと言う方もいらっしゃるかもしれません。

実際に無期雇用派遣には見過ごせない危険(リスク)があります。ここからは無期雇用派遣の危険性についても目を向けていきます。

解雇の可能性がある

無期雇用派遣社員にも、解雇のリスクはあります。

無期雇用派遣が、期間の定めがない働き方である点に安定感をより感じるかもしれませんが、どの雇用形態であっても解雇は起こり得るように、無期雇用派遣であっても解雇はあり得ます。

解雇が認められる要件は下記の通りです。

  • 客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められる場合
  • 就業規則等に定めてある解雇事由に従っていること
  • 30日分の解雇予告手当を支払うこと(あるいは30日以上前に解雇予告をすること)

※法令で定めている解雇禁止事由に該当しないこと

解雇は会社側にとって非常にハードルが高いものとなっていますが、解雇が検討されるケースをいくつか確認してみましょう。

解雇が検討されるケース1.勤務態度不良

勤務態度に問題がある場合は解雇が検討されることもあります。ただ、いきなり解雇が検討されるわけではありません。

まず、派遣会社が勤務態度の問題点を派遣社員に何度か注意し、問題が改善されない場合は懲戒処分が行われます。懲戒処分によっても改善が見られないと、解雇を検討されます。

解雇が検討されるケース2.病欠が多い

病欠が多いと派遣会社だけでなく、派遣先企業の業務にも悪影響を及ぼしてしまうので、解雇が検討されることもあります。

ただ、労働基準法では出勤率が8割以上のケースには有給休暇を付与する考え方をとっています。

その点をふまえると、約8割以上の出勤率を維持しているのであれば、特別な事情がなければ解雇理由にすることは難しいとの見方がなされています。

解雇が検討されるケース3.人員整理

不況によって派遣先が確保できないことによって、余剰人員を整理するために整理解雇が検討される場合もあるようです。正当性を判断する基準として裁判所は下記の項目を示しています。

  • 経営上における人員削減の必要性
  • 解雇以外の経費削減手段の実施
  • 解雇対象者の選定に関する合理性
  • 対象者に対する説明や協議などの手続きの妥当性

このように正当性を細かく判断されることから、簡単には人員整理を目的に解雇されるとは考えにくいといえますが、無期雇用派遣を検討する際に見過ごしてはならないリスクだといえるでしょう。

参考:咲くやこの花法律事務所「無期雇用の派遣社員の解雇について」

無期雇用派遣を辞める時は?

無期雇用派遣社員として働いていく中で、状況によっては辞めることを検討するケースもあるかもしれません。

一般的な派遣社員は決められた契約期間だけ勤務するので、契約期間が終了したら更新をしなければ辞めることができます。

その点、契約期間が定められていない無期雇用派遣の場合、辞める時はどうすればよいのでしょうか。

契約によるトラブルを回避できるよう、無期雇用派遣を辞める時の方法も知っておきましょう。

派遣先企業だけを辞めたい場合

一般的に派遣会社と派遣先企業は、派遣社員が勤務する期間について契約を結んでいます。

無期雇用派遣の場合、派遣会社の指示に従う必要があるので、更新時期になっても派遣先企業を辞めることは難しい傾向です。

派遣先企業だけを辞めるには、当然のごとく派遣会社と交渉しなければなりません。状況によっては、新しい派遣先企業を紹介してもらえることもあります。

ただ、更新時期を待たずにすぐ辞めることはおすすめできません。

突然辞めると派遣先企業に迷惑をかけるだけでなく、派遣会社からの信頼まで失いかねないからです。

早急に辞めたい場合でも、まずは派遣会社に相談してみましょう。

派遣先企業と派遣会社の両方を辞めたい場合

派遣会社と派遣先企業のどちらも辞めたい時は、派遣会社の定める時期までに退職の旨を伝えます。

その際には、一般的な企業と同様に退職届を提出する必要があります。

派遣社員と契約を結んでいるのは派遣会社なので、先に派遣先企業に退職の旨を伝えないように注意してください。

まとめ

最後に、無期雇用派遣は正社員や有期雇用派遣と異なる働き方であり、それぞれの違いを明確に理解した上で検討することが大切です。

無期雇用派遣の具体的な働き方を知りたいのであれば、実際の求人や各企業の派遣サービスを参照にするとイメージが深まることでしょう。

そして、無期雇用派遣の働き方をしっかりと理解した上で、ご自身に合ったキャリアを探してみてはいかがでしょうか。

大切な自分のキャリアは、自分自身で作っていきましょう!

この記事が、あなたの就職活動のお役に立てば幸いです。

記事監修者汐留社会保険労務士法人
池田 優子

社会保険労務士・キャリアコンサルタント
ベンチャー企業や外資系企業にて人事担当として勤務後、汐留社会保険労務士法人に入所。労務管理やメンタルヘルスなどへのアドバイスに従事し、セミナーや研修等の講師実績も多数あり
汐留社会保険労務士法人