【社労士監修】日雇い派遣とは?定義や禁止される理由、働ける例外について解説

日雇い派遣が禁止されていることをご存じでしょうか。短期間だけ働きたい方にとっては不自由なルールだといえますが、実は例外もあります。

この記事では日雇い派遣の定義をはじめ、禁止される理由や日雇い派遣の例外規定について解説します。

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日雇い派遣とは

派遣の仕事に興味がある方であれば、日雇い派遣の30日ルールという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。日雇い派遣の働き方を検討している方に向けて、日雇い派遣(日雇派遣労働者)とは何かについて解説していきます。

日雇い派遣の定義

日雇い派遣とは下記の条件を満たす単発の派遣です。

  • 31日未満の派遣雇用契約である
  • 週20時間未満の労働である

いずれかの条件に当てはまると日雇い派遣に該当し、派遣社員として就業できなくなります。たとえば、週15時間の就業については日雇い派遣とみなされ、派遣社員として就業できません。

日雇い派遣の具体的な仕事は、試験監督やライブスタッフ、覆面調査などさまざまです。ただし、日雇い派遣は原則として禁止されており、働ける業務や人材は制限されています。

派遣会社に登録して短期間働きたいと思って応募しても、希望する仕事が日雇い派遣に該当してしまって働けないケースもありえます。日雇い派遣の定義を最低限おさえておくようにしましょう。

参考:株式会社ドム 日雇派遣の禁止の例外 ~提出書類~

日雇い派遣の判断例

日雇い派遣の判断を正確に行えるように具体的なケースについても考えてみましょう。

たとえば、9月7日の1日だけ就業する場合は、日雇い派遣に該当します。9月1日から30日までに就業する場合も同様に日雇い派遣に該当します。

10月1日から31日までに就業する場合は、31日以上の雇用契約になるので、日雇い派遣に該当しません。また、10月1日から11月30日の期間に複数の短期の仕事を組み合わせて就業した場合も日雇い派遣ではありません。

もともと31日以上の雇用契約を結んでいる派遣社員の方もいるでしょう。その場合に2週間の労働契約を追加で結んだとします。業務上の都合による新たな派遣契約であっても、30日以内にあたることから日雇い派遣としてみなされてしまいます。

このように就業日数が30日以内(31日未満)という条件は、日雇い派遣を定義する重要なルールです。

日雇い派遣の実態

日雇い派遣労働者の働き方について理解を深めるには実態を知ることが先決です。厚生労働省のデータをもとに日雇い派遣の推移や労働者の内訳を紹介します。

日雇い派遣の推移や労働者の内訳

厚生労働省の労働者派遣事業報告(令和元年6月1日)によると、平成24年の日雇い派遣労働者数は68,030人でしたが、平成30年には25,433人にまで減少しています。

したがって、近年は日雇い派遣労働者の働き方は大幅な減少傾向にあったことがわかります。ただ、令和元年には31,000人まで増加しており、引き続き増加傾向が続いていくのか注目されている段階です。

日雇い派遣労働者の内訳については「60歳以上の高齢者」が13.4%、「昼間学生」が28.2%、「副業として従事する者」が8.9%、「主たる生計者でない者」が34.7%であり、その他に該当する割合は14.8%という結果になりました。

派遣社員というと社会人の働き方というイメージがある一方で、学生がアルバイト以外の方法として日雇い派遣を選択していることもわかります。

参考:日雇派遣の原則禁止について P7 労働者派遣事業報告 令和元年6月1日現在の状況(厚生労働省)

当日に仕事がなくなった場合

日雇い派遣では当日に仕事がなくなる場合があります。その場合の対応について、派遣元が答えたアンケート結果も見てみましょう。

厚生労働省委託の労働者派遣法施行状況調査(令和元年度)によると、派遣元調査では「このようなことは起きたことがない」と回答した割合が54%という結果になりました。つまり、半数近くの派遣会社が当日に仕事を提供できなくなった事例に心当たりがあるとわかります。

そのほかの対応として、「その日に他の仕事を紹介する」が13.3%、「予定していた賃金の一部を支払う」が30.0%、「交通費相当分を支払う」が4.0%という結果も見受けられました。

当日に仕事がなくなった場合は、ほとんど仕事を諦めなければならないのが実情だとわかります。また、必ずしも予定した賃金や交通費を支払ってもらえない点も見過ごせない実態でしょう。

参考:日雇派遣の原則禁止について P15 労働者派遣法施行状況調査 令和元年度(厚生労働省委託)

日雇い派遣が原則として禁止される理由

平成24年10月1日から施行された改正労働者派遣法では、日雇い派遣が原則として禁止されました。1日だけ働くことには問題がないように感じる方もいるかもしれません。ではなぜ、日雇い派遣の禁止が決定したのでしょうか。

厚生労働省によると、日雇い派遣だと必要な雇用管理がなされず、派遣労働者の保護に欠けることを禁止の理由として挙げています。

当然、日雇い派遣は正社員とは異なり、長期的に雇用が安定しません。ネットカフェに寝泊まりする日雇い派遣労働者が増加し、ワーキングプアという社会問題になったのは誰しも記憶に残っているのではないでしょうか。

その点で、日雇い派遣を原則として禁止することで、不安定な生活をおくる労働者を減らしたいという意図があると考えられます。

参考:日雇派遣の原則禁止について(厚生労働省)

日雇い派遣労働者の雇用を守る措置

厚生労働省は、日雇い派遣労働者の雇用を守る措置について指針を定めています。具体的な内容をいくつか確認してみましょう。

派遣先の就業状態を確認

厚生労働省は、派遣先に就業状態の確認を促す雇用措置を指針として掲げています。

派遣元事業主は、派遣先を定期的に巡回すること等により、日雇派遣労働者の就業の状況が労働者派遣契約の定めに反していないことの確認等を行うとともに、日雇派遣労働者の適正な派遣就業の確保のためにきめ細かな情報提供を行う等により派遣先との連絡調整を的確に行うこと。また、派遣元事業主は、日雇派遣労働者からも就業の状況が労働者派遣契約の定めに反していなかったことを確認すること。

引用:日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針(厚生労働省)

派遣会社の対応に問題がなくても、派遣先の就労環境が劣悪であると、日雇い派遣労働者に負担が生じてしまうでしょう。

その点について厚生労働省は、派遣元事業主が派遣先と連絡調整を的確に行うだけでなく、派遣先を定期的に巡回することまで促しています。さらには、日雇い派遣労働者から派遣先の契約違反の有無を確認することも求めています。

労働・社会保険の適用を促進する

労働・社会保険の適用を促進する雇用措置も見受けられました。

派遣元事業主は、日雇派遣労働者が雇用保険法(昭和 49年法律第116号)第43条第1項に規定する日雇労働被保険者又は健康保険法(大正11年法律第70号)第3条第2項に規定する日雇特例被保険者に該当し、日雇労働被保険者手帳又は日雇特例被保険者手帳の交付を受けている者(以下「手帳所持者」という。)である場合には、印紙の貼付等の手続(以下「日雇手続」という。)を適切に行うこと。

引用:日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針(厚生労働省)

日雇い派遣労働者は不安定な就労状態にあることから、労働・社会保険の適用を促進してくれる雇用措置は、安心して働くうえでは必要不可欠といえるでしょう。

日雇い派遣は解禁される可能性もある

政府は働き方改革を推進しており、今まで一般的ではなかった副業や兼業などの働き方が肯定される時代になりました。その流れを受けて、日雇い派遣の働き方が解禁される可能性を予期する専門家もいるようです。

日雇い派遣は人材を有効活用する一つの手段となりえるので、労働人口が減少している現代において解禁については検討の余地があるといえます。

現在、日雇い派遣は原則として禁止とされていますが、今後はわかりません。労働者派遣法の改正の動向に注目しておくとよいでしょう。

参考:現在、原則禁止の「日雇い派遣」が解禁の方向へ 雇用の流動性が高まれば、タスク細分化も可能に?(樋口税理士事務所)

日雇い派遣の条件

日雇い派遣で働けないと不自由に感じる方もいるかもしれません。実は、日雇い派遣の原則禁止には例外があります。日雇い派遣禁止の例外規定や抜け道を解説していきます。

日雇い派遣で働ける労働者

派遣元事業主は、雇用機会の確保が特に困難な労働者に限り、例外として日雇い労働者を派遣できます。その点について厚生労働省は、日雇い派遣の禁止について例外の対象者となる労働者の条件を定めています。

  • 60歳以上の者
  • 雇用保険の適用を受けない学生(いわゆる「昼間学生」)
  • 副業として従事する者(生業収入が500万円以上の者に限る。)
  • 主たる生計者以外の者(世帯収入が500万円以上の者に限る。)

引用:日雇い派遣の原則禁止について(厚生労働省)

学生や副業をしている方、高齢者の方などは、日雇い派遣を検討するとき、例外の条件を一度確認しておくと安心でしょう。

日雇い派遣が認められる業務

厚生労働省によると、日雇い労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすリスクがないと認められる業務であれば、派遣元事業主は日雇い派遣労働者を派遣できます。

厚生労働省が定める日雇い派遣の例外業務は下記の通りです。

  • ソフトウェア開発
  • 機械設計
  • 事務用機器操作
  • 通訳、翻訳、速記
  • 秘書
  • ファイリング
  • 調査
  • 財務処理
  • 取引文書作成
  • デモンストレーション
  • 添乗
  • 受付・案内
  • 研究開発
  • 事業の実施体制の企画、立案
  • 書籍等の制作・編集
  • 広告デザイン
  • OAインストラクション
  • セールスエンジニアの営業、金融商品の営業

引用:日雇派遣の原則禁止について(厚生労働省)

このように、幅広い種類の業務が日雇い派遣の原則禁止における例外として認められています。禁止というと厳しい条件があるように思えるかもしれませんが、あくまで原則です。

日雇い派遣で働くことは極端に難しいというわけではないといえるでしょう。

日雇い派遣で働けないケースと働けるパターン

日雇い派遣についてさらに理解を深めるには、働けないケースや働けるパターンを知っておくとイメージが湧きやすいといえます。日雇い派遣について働けないケースや働けるパターンを具体的に確認してみましょう。

事例1.仕事を掛け持ちしている

仕事を掛け持ちしているケースで、それぞれの年収が仮に350万円、250万円の場合を考えてみましょう。合計すると年収は600万円となり、生業収入が500万円以上になることから日雇い派遣で働けるように見えます。

しかし、仕事を掛け持ちしている場合は、複数の仕事において収入額が高いほうが主たる業務になります。したがって、主たる業務は年収350万円とみなされてしまい、日雇い派遣で働くことができません。

事例2.週末に副業を行いたい

週末に副業として日雇い派遣の仕事をしたい方もいることでしょう。

仮に自分の年収が500万円の場合、年収が500万円以上という条件に該当するため、日雇い派遣は副業として扱われます。日雇い派遣の原則禁止における例外として、日雇い派遣として働くことが可能です。

事例3.通信制学校や夜間の定時制に通っている

学生は日雇い派遣の例外として認められていますが、すべての学生が日雇い派遣で働けるわけではない点に注意が必要です。たとえば、通信制学校や夜間の定時制に通っているケースを考えてみましょう。

通信制学校や夜間の定時制学校に通っている場合、仕事をするにあたって雇用保険に入らなければなりません。日雇い派遣の例外ルールでは、雇用保険の適用を受けない学生であるという条件があります。

したがって、通信制学校や夜間の定時制に通っている学生が日雇い派遣で働くことはできません。

日雇い派遣のメリット

日雇い派遣の働き方を検討している方の中にはメリットを知りたいという方もいることでしょう。日雇い派遣で働くメリットを解説します。

メリット1.人間関係の負担が少ない

日雇い派遣のメリットとして挙げられるのは、人間関係の負担が少ないことです。一般的に正社員や長期契約の派遣社員だと、自分の性格にあわない同僚や上司がいたとき、我慢しながら働かなければならないケースもあります。

その点、日雇い派遣は31日未満の雇用契約であり、1週間に20時間未満の労働です。仮に職場の人間関係でトラブルが起きても、短期間だけ我慢すればよいので、精神的な負担を軽減しやすいといえます。

人間関係につまずいてニートや無職になってしまったという方でも、日雇い派遣であれば仕事を始めるきっかけとして働きやすいといえるでしょう。

メリット2.賃金がスムーズにもらいやすい

日雇い派遣の仕事では、正社員と異なって賃金がスムーズにもらいやすいというメリットがあります。

派遣会社にもよりますが、就業後最短で2時間以内に給与が振り込んでもらえる場合もあるため、突然お金が必要になったケースなどにも対応しやすいでしょう。

メリット3.自分のペースで働ける

正社員だと基本的には週休2日で雇用されるので、会社の体制に従って働かなければなりません。有給はあっても仕事の状況によっては自分の好きなタイミングで休暇を取りづらいのが実情といえます。

一方で日雇い派遣は、勤務日数が31日未満・労働時間が1週間に20時間未満という条件のもとで働くので、基本的に長期間・長時間にわたって拘束されることはありません。

自分のペースで働くことができるのは日雇い派遣ならではのメリットでしょう。

日雇い派遣のデメリット

日雇い派遣のメリットを紹介しましたが、日雇い派遣ならではのデメリットもあります。日雇い派遣のデメリットを確認していきましょう。

デメリット1.キャリアアップしづらい

日雇い派遣は働く期間が短いので、専門スキルを継続的に学ぶのは難しい傾向です。また、長期間にわたって同じチームで働くわけでもないので、部下を管理するスキルも定着しにくいといえるでしょう。

つまり、正社員のように管理職を目指してキャリアアップするのには、日雇い派遣は適していません。

ただ、日雇い派遣のデメリットを補完できるような仕組みが整えられています。派遣法第30条では派遣に関してキャリアアップ措置義務を定めており、日雇い派遣も対象です。

派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者が段階的かつ体系的に派遣就業に必要な技能及び知識を習得することができるように教育訓練を実施しなければならない。

引用:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第三十条の二(e-Govポータル)

このように派遣元事業主には日雇い派遣労働者に対しても教育訓練を実施する義務があります。日雇い派遣を検討する際には、派遣会社が提供するキャリアアップ措置についても把握することが大切です。

デメリット2.収入が少なくなる

日雇い派遣は労働時間や労働期間が短い働き方であることから、必然的に収入も低くなってしまいがちです。

自分が希望する仕事を見つけられなければ、1日の収益がゼロ円になってしまうことも考えられます。

仮に仕事の内容を選ばなかったとしても、いつでも仕事が発生するとは限らず、閑散時期にはそもそも派遣会社が紹介できる仕事がないケースもありえるでしょう。したがって、収入を安定させて働きたい方には、日雇い派遣は適していません。

デメリット3.交通費が支給されにくい

そもそも派遣で働く場合は、一般的には交通費が支給されません。時給の中に交通費を含めるケースが一般的です。

ただ、最近では派遣に対しても交通費の別途支給や上限付き支給などに対応する派遣会社も増加しています。日雇い派遣で働く場合にも、派遣会社に交通費の支給について事前に確認しておくとよいかもしれません。

日雇い派遣に関するQ&A

日雇い派遣の概要がわかっても、実際に働くことを検討すると気になる疑問が生じてくるに違いありません。日雇い派遣に関して知っておくべきことをQ&A形式でお答えしていきます。

Q1.日雇い派遣と日雇いバイトの違いは?

A1.日雇いバイトは禁止されていない

すでにフリーターとして働いている人などからすれば、日雇い派遣と単発バイトはそもそも雇用形態が違うのか気になるところでしょう。

日雇いバイトはそもそも派遣契約ではありません。企業と直接雇用契約を結んでから勤務を開始します。

したがって、日雇い派遣の定義に該当してしまっているからといって、フリーターが単発の日雇いバイトができないわけではありません。雇用期間が30日以内のアルバイトだからといって禁止されていると勘違いしないようにしましょう。

Q2.単発の日雇い派遣は雇用保険に加入できる?

A2.加入できる場合がある

雇用保険の加入条件には「31日以上雇用される見込みがあること」という内容があります。その点、日雇い派遣労働者は30日以内の契約で働くことから、雇用保険に加入するための条件を満たしていません。

しかし、日雇い派遣労働者であっても、雇用保険に加入できないわけではありません。

事実、厚生労働省は日雇い派遣労働者に向けて、日雇労働求職者給付金という制度を用意しています。日雇い派遣で働く方が失業したときに雇用保険制度の給付金を支給してくれる仕組みです。

なお、雇用保険加入の前提として日雇い手帳の交付を受けなければなりません。派遣会社は賃金を支払うごとに日雇い手帳に印紙を貼付することになっています。

日雇い手帳の印紙が2か月間で26枚以上貼られていると、翌月に派遣先がなかった場合に給付金を受給できます。

参考:
雇用保険に加入していますか~日雇い派遣労働者の皆様へ~(厚生労働省)
日雇派遣労働者の方へ~日雇労働求職者給付金について~(厚生労働省)

Q3.派遣社員の一ヶ月更新は違法?

A3.派遣社員の1ヶ月更新も労働契約期間によって違法になる

派遣社員の契約について、労働契約期間が30日以内の更新であれば違法となります。反対に、派遣会社との契約が31日以上であれば、1ヶ月更新は違法ではありません。

そもそも1ヶ月という短い期間の派遣契約は、労働者の働き方を保護するのにふさわしくないと感じるかもしれません。にもかかわらず、なぜ1ヶ月更新を提案する派遣会社が存在するのでしょうか。

雇用保険に関しては「31日以上雇用される見込みがあること」を加入条件とするルールがあります。そのため、悪質な派遣会社は1ヶ月更新(30日以内)の雇用契約を提案することで、派遣社員の雇用保険加入義務を回避することが可能です。

派遣社員として働くのであれば、1ヶ月更新の違法を見抜けるように、日雇い派遣の原則禁止ルールを正しく理解しておきましょう。

Q4.無期雇用派遣社員の日雇い派遣は可能?

A4.問題はない

派遣法上禁止される「日雇い派遣」とは、不安定な派遣就労を防止するという主旨からも雇用契約の期間が31日未満のものが該当するとされています。従いまして、いずれの場合でも日雇での就労は原則「日雇い派遣」には当たらない為、派遣は可能です。

引用:日雇い派遣禁止について(日本の人事部)

無期雇用派遣は31日未満の契約と定められているわけではないので、日雇い派遣には該当しないようです。本人が連続して雇用されていれば、派遣先への勤務が日ごとであっても問題はないのでしょう。

そもそも、厚生労働省は無期雇用派遣を雇用安定措置として位置づけています。日雇い派遣の判断をするときは、労働者保護の観点から考えるとよいかもしれません。

Q5.日雇い派遣にも雇用契約書が必要?

A5.労働契約にともなって必要になる

日雇派遣労働者が日雇い派遣として働くときにも労働契約の締結が必要です。派遣元事業主は労働基準法に定められた内容について書面の交付を行わなければなりません。

日雇い派遣労働者に関する労働条件通知書の具体的な内容は下記の通りです。

  • 事業場名称
  • 事業場所在地
  • 就労日
  • 従事すべき業務の内容
  • 始業時刻
  • 終業時刻
  • 休憩時間
  • 所定時間外労働の有無に関する事項
  • 賃金
  • 社会保険の加入状況や雇用保険の適用などに関する事項

日雇い派遣で雇用契約書といった書面やメールにおける契約内容の通知がない場合、労働条件が不明確になる可能性も考えられます。日雇い派遣のトラブルを防止できるよう、事前に労働条件を派遣会社に確認するのが無難だといえます。

Q6.日雇い派遣で必要な書類は?

A6.年収確認書類や誓約書などが必要

日雇い派遣で働くには、年収に関する条件を満たさなければなりません。したがって、年収が記載されている書類が必要です。

具体的な書類は下記の通りです。

  • 源泉徴収票
  • 確定申告書
  • 所得証明書(課税(非課税)証明書)

ちなみに年収は、今年の見込みではなく昨年度の情報でなければなりません。

ただ、やむを得ない事情で確認書類を提出できない方もいることでしょう。その場合、日雇い派遣の例外に関する確認・誓約書に必要事項を記入することが求められます。

日雇い派遣に関する誓約書の条件内容に嘘があると、出勤停止や無給などの懲戒処分を受ける恐れがあるので、正しい内容を申告してください。

参考:<短期間(30 日以下)の派遣就業を希望される派遣労働者の皆様へ>(リクルートスタッフィング)

Q7.昼間学生の範囲は?

A7.学校教育法に定められている学校に在籍している学生

日雇い派遣で働ける労働者の条件には、雇用保険の適用を受けない昼間学生が含まれていました。そもそも昼間学生の定義が気になる方もいることでしょう。

昼間学生とは、学校教育法で定められている学校に在籍する学生をさします。具体的な学校は下記の通りです。

  • 高等学校
  • 専門学校
  • 短期大学
  • 大学
  • 大学院

ただ、下記の学生は昼間学生とみなされないので注意してください。

  • 休学中である
  • 夜間部や定時制に在籍している
  • 会社の指揮のもとで在籍したまま社会人入学している
  • 通信制過程にある
  • 就職が決定して卒業前から就職先で働いている
  • 課程終了の要件に一定出席日数が求められない課程に在籍している

このように日雇い派遣ができない学生が存在します。学生の方は条件について働く前によく確認しておくようにしましょう。

Q8.主たる生計者とは?

A8.世帯で一番収入が多い人

日雇い派遣が認められている労働者の条件として、主たる生計者以外の者(世帯収入が500万円以上の者に限る)という項目がありました。主たる生計者という言葉についても正しく意味を理解しておく必要があります。

そもそも主たる生計者とは、属している世帯で一番収入が多い人です。一般的には、世帯年収の50%以上を占める方をさします。

つまり、世帯年収の額が500万円以上の主たる生計者以外の方という条件を満たすには、世帯における稼ぎ頭になってはいけないことがわかります。

Q9.日雇い派遣の禁止条件に違反したら罰せられる?

A9.労働者が罰則を受けることは基本的にない

労働者派遣法や労働基準法は、そもそも労働者の権利を守るための法律です。日雇い派遣に関する禁止ルールの違反がばれることがあっても、労働者が致命的な罰則を受けることは基本的にはないでしょう。

ただ、企業としては業務改善命令や許可取り消し、事業停止命令などを受ける可能性はあります。

よくある違反についても参考に確認しておきましょう。たとえば、派遣会社に登録して1日仕事をしたけれど、その後に仕事を紹介してもらえなかったケースです。いわゆる派遣切りに該当するため、法律違反とみなされます。

このようなケースもありえるため、日雇い派遣の労働契約に疑問を感じたら派遣会社に詳細を確認するようにしましょう。

まとめ

この記事をまとめると、日雇い派遣とは31日未満の派遣雇用契約にもとづく働き方であり、原則として禁止されていることがわかりました。ただ、あくまで労働者の働き方を安定させる目的でルールが定められているため、特定の条件を満たせば日雇い派遣で働くことは不可能ではありません。

人間関係の負担が少なかったり、賃金をスムーズに支払ってもらえたりするというメリットがあるので、人によっては一つの働き方として検討してみる価値が高いといえるでしょう。

ただし、キャリアアップしにくかったり、一般的に交通費が支給されなかったりするというデメリットも見受けられるため、派遣会社の具体的な対応について事前に確認することも大切です。

この記事が、あなたの就職活動のお役に立てば幸いです。

記事監修者社会保険労務士・FP 中村真里子事務所
代表 中村真里子

社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー
20代の頃から株式投資を始め、簿記資格を取得、30代で社会保険労務士、40代でファイナンシャルプランナーの資格を取得しました。高校時代からアルバイトを始め、以降正社員、派遣社員、パートタイマーなども経験しました。人生100年時代といわれるようになり、これからはますます仕事やお金の知恵がどんな人にも必須となります。真面目に生きている人が不安なく生活できるようなアドバイスを今後も発信していきたいと思っています。

社会保険労務士・FP 中村真里子事務所