「派遣の交通費って支給されないの?」
とお悩みではありませんか?
この記事では「派遣の交通費」について解説します。この記事で、派遣の交通費に関する悩みや不安が少しでも解消できれば嬉しいです。
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目次
派遣の交通費はないの?
派遣の交通費は、改正派遣法の施行により、
2020年4月より原則として支給されることになりました。
ただし、就業条件によっては支給されない場合もあるため、都度確認することをおすすめします。
派遣法とは?
派遣法とは、派遣社員が適切な労働環境で働くことができ、派遣会社が適正に運営することができるように定められた法律です。
正式名称は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」になります。
この法律は、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)と相まつて労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の保護等を図り、もつて派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進に資することを目的とする。
引用元:厚生労働省「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」
2020年4月施行の改正とは?
2020年4月施行の改正派遣法は、「同一労働同一賃金」を徹底し、正規雇用社員と派遣社員間に生じる不合理な待遇差を是正することを目的としています。
「同一労働同一賃金」ガイドラインというものが、厚生労働省から発表されています。
それによると、パートや派遣社員と正規雇用社員は、給与や賞与、退職金について不合理な待遇差を是正するとともに、「通勤手当」についても正規雇用と同じ扱いにしなければならないとしています。
画像引用元:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」
大手派遣会社の交通費支給は?
派遣の交通費が支給されるとして、「上限があるのか」「支給されない場合があるのか」など気になる点もあるのではないでしょうか。
そこで、大手派遣会社7社の交通費の支給状況について、調べてみました。
1.スタッフサービス
スタッフサービスは、交通費に関する規定などは公表されていませんが、求人票などを確認すると、
「交通費別途支給(上限3万円)」
「交通費全額支給」
のどちらが記載されている求人ばかりでした。
この点から、スタッフサービスでは、上限3万円までの交通費は支給されていると考えられます。
2.テンプスタッフ
テンプスタッフでは、就業日数によって違いがありますが、上限3万円まで支給されます。
<通勤交通費の支給条件>
◇週5日就業もしくは月20日以上就業の契約の場合:「月額」で支給します。(月額3万円まで)※該当月の出勤日数が12日以下の場合は、「日額」支給に変更となります。
※月途中の契約開始もしくは契約終了する場合には、該当月のみ「日額」で支給します。◇週4日以下就業もしくは月19日以下就業の契約の場合:「日額」で支給します。(日額1,500円まで)
ただし、「日額」×就業日数が月額を上回る場合は、「月額」を上限とします。
引用元:テンプスタッフ「給与・福利厚生について」
3.アデコ
アデコでは、2020年4月1日以降の契約から1ヶ月分の電車定期代を支給されます。
Q.交通費は支給されますか
A.2020年4月1日以降の契約より、当社規定に基づいて1か月電車定期代を支給します。※通勤手段で電車を利用し、月16日以上ご契約がある方。上記以外も規定により、通勤手当を支給します。
引用元:アデコ「派遣先での就業について」
4.マンパワー
マンパワーでは、交通費を実費で支給しています。
2. 交通費の支給はありますか?
交通費は実費で支給しています。(当社規定あり)
引用元:マンパワー「よくあるご質問(Q&A)」
5.ランスタッド
ランスタッドでも、通勤交通費の支給はあります。支給額やルールなどは、就業規則から確認できます。
通勤交通費を支給します
通勤にかかる交通費を実費で支給。「魅力的なお仕事だけど交通費の負担が大きくて……」応募時のそんな心配を減らします。※通勤手当の支給額・ルールは当社規定に基づきます
引用元:ランスタッド「派遣スタッフの働き方改革」
6.リクルートスタッフィング
リクルートスタッフィングでは、交通費に関する規定について公表されていませんが、上限3万円までの交通費支給があります(一部規定あり)。
7.パソナ
パソナでは、月額3万円を上限として交通費が支給されます。
パソナでは、実費通勤手当の支給を拡充致します。
通勤に要する実費に相当する金額を月額30,000円を上限として支給します。
引用元:パソナ「パソナ・姫路 拠点ブログ:ご存知でしたか?派遣のお仕事も、2020年4月以降は交通費規定に基づき、別途交通費支給になります!」
派遣の交通費で気をつけることは?
派遣の交通費は、支給されるようになりましたが、その支給額や確定申告など気になる点もあるのではないでしょうか。
そこでここからは、派遣の交通費で気になる点について解説していきます。
派遣の交通費の支給額は?
派遣の交通費の支給額は、派遣会社によって対応が異なります。
すべての求人で交通費の全額支給を行っている派遣会社もあれば、一部支給の派遣会社もあります。
そのため、具体的な支給額や支給の条件は、登録した際に確認することをおすすめします。
大手の派遣会社の現状をみると、「月額30,000円上限」で交通費を支給している派遣会社が多いです。
交通費分を確定申告しないとダメ?
派遣の交通費は、非課税扱いで給与とは別に支給されるため、確定申告の必要はありません。
以前の交通費の支給がないときは、給与すべて課税対象とされるため、年末調整に該当しない場合は確定申告で交通費分を非課税としなければなりませんでした。
しかし、今後は非課税扱いで支給されるため、交通費支給に関する確定申告などの手続きが不要になります。
通勤交通費がなく時給で支払われていた場合は、給与全額が課税対象でしたが、今後、通勤交通費が実費で支払われる場合は、交通費分は非課税扱いとなります。
引用元:スタッフサービス「派遣も通勤交通費が支給される?法律改正で注意すべきこと」
派遣の交通費は扶養枠と関係ない?
健康保険や年金などの社会保険の扶養を受ける場合は、派遣の交通費も収入としてカウントされる可能性があります。
通称「106万円の壁」と言われる、一定条件の下で社会保険に加入義務がある年収106万円では、年収の中に交通費や残業代は含まれません。(ただし、保険料は交通費や残業代を含めて決定されます。)
しかしながら、通称「130万円の壁」と言われる、扶養の範囲から外れて社会保険などに加入する必要がある年収130万円では、年収の中に通勤費などが含まれてしまいます。
年収が130万円を超えると、夫の扶養を外れて自分で社会保険に加入することになります。その際、130万円には交通費を含みます。
引用元:MONEY PLUS「パートの年収、扶養ルールに交通費は含むの?」
つまりは、今まで交通費支給なしで130万円弱だった場合、交通費が上乗せされることで130万円を上回るときがあり、扶養から外れる可能性があるのです。特に通勤時間が長く、交通費が高額の方は注意が必要です。
ちなみに、所得税や住民税の場合は、一定の金額までは非課税扱いになっているため、交通費分増えても非課税限度額を超えない限り納税額などにそれほど差はありません。
「交通費出ない」と書いているWEB記事もあるけど、どっちが正しいの?
派遣の交通費が支給されないと書いているWEB記事は、2020年の法改正について情報を更新していない可能性があります。
派遣法が改正される以前、派遣の交通費は半数近くが支給されていませんでした。
こちらは、厚生労働省が平成29年に行った派遣労働者実態調査の概要です。交通費の支給がある派遣社員は51%と記載されています。
(9) 諸手当等、各種制度の支給・実施状況【新規調査項目】
諸手当等、各種制度の支給・実施の状況をみると、「通勤手当」の支給がある派遣労働者の割合は 51.0%
引用元:厚生労働省「平成 29 年派遣労働者実態調査の概況(再集計確報版)」
そのため、古い情報が記載されてしまったままだと、真逆の情報が掲載されてしまうのです。
派遣の交通費に関する情報を知るならば、
- 2020年4月の法改正について記載されている
- 2020年4月以降に更新されている
これらの条件を満たしている記事であるかを確認してから、情報を得るといいですよ。
まとめ
この記事をまとめると、
- 派遣の交通費は支給されます
- ただし、支給条件や上限額などがあるため、派遣会社それぞれに問い合わせる必要があります。
- 確定申告が不要な場合も!ただし扶養枠内の勤務は要注意です
- 社会保険の扶養の範囲内の年収には交通費が含まれるため、扶養枠内で勤務を希望する場合は確認が必要です。
ぜひ派遣スタッフとして、素敵な仕事を見つけられることを祈っております。
所長 永田 幸江
社会保険労務士
教育サービス業界で営業職として活躍後、社会保険労務士事務所に従事し独立。企業の人事労務管理の分野に精通し、特にサービス業や学校法人の人事労務に強みをもつ。
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