おしゃれやかわいいことが好きで美容師になりたいと思っている方も多いですよね。
でも、美容師って誰でもなれるわけではなく、国家資格が必要な仕事です。
他にも
美容師の仕事に興味を持ってなりたいと思っても色々と気になることがありますよね。
・どうしたら美容師の資格を取れるのかな?
・専門学校の学費はどのくらいかかるのかな?
・美容師の給与は低いと聞くけど、実際にどのくらいなのかな?
など、さまざまな美容師に関する疑問をこの記事で解決します。
それでは早速美容師になるための資格について紹介していきましょう。
目次
美容師になるには?
美容師になるためには、美容師国家試験に合格し、美容師免許を取得しなければなりません。
美容師国家試験を受験するためには、厚生労働大臣または都道府県知事の指定した美容学校(養成施設)の過程を、2年以上(昼・夜部)または、3年以上(通信)修了することが求められています。
詳細は下記を確認してください。
参考:公益財団法人理容師美容師試験研修センター公式ホームページ
美容師になるための資格取得試験の難易度は?
美容師国家試験は、年に2回行われます。
筆記試験(3月・9月)と実技試験(1月・8月)の両方に合格すると、美容師免許の交付を受けることができます。
筆記試験では美容理論や技術理論だけでなく、感染症や公衆衛生、人体の構造や皮膚科学についても出題されます。
毎年出題内容は異なりますが、出題範囲に大きな変更はないようです。
実技試験は第1課題がカット、第2課題がパーマのウェーブを作るワインディングまたはオールウェーブセッティングが出題され、その技術を問われます。
理容師美容師試験研修センターによると、美容師国家試験の合格率は次のとおりです。
国家試験のなかでは、合格率は比較的高いほうといえます。
2016年度 | 第34回試験 56.0% | 第35回試験 89.1% |
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2017年度 | 第36回試験 56.1% | 第37回試験 85.8% |
2018年度 | 第38回試験 50.5% | 第39回試験 86.2% |
2019年度 | 第40回試験 58.1% | 第41回試験 85.1% |
2020年度 | 第42回試験 61.7% | 第43回試験 85.6% |
年2回行われている試験のうち年内1回目の試験に比べて2回目の試験のほうが合格率が高い傾向にあります。
これは試験の難易度が変わっているわけではなく、1回目の受験者は働きながら通信で学んでいる人や昨年試験に落ちてしまった卒業生が多いのに対して、2回目は十分に試験対策の時間が取れる現役の専門学校が多くなることが影響しているとみられています。
参考:第44回 理容師国家試験及び美容師国家試験の合格基準(理容師美容師試験研修センター)
美容師になるための学校や学費は?
美容師国家試験の受験資格を得るためには、前述のとおり、厚生労働大臣または都道府県知事の指定した美容学校(養成施設)に通う必要があります。
その学費は、昼間部2年間で200~280万円程度、夜間部2年間では160万円~240万円程度、通信課程3年間では60万~120万円程度です。
美容師の課程は実習が多く、薬剤や消耗品を多く使うため、他の学科に比べてかかる費用は多くなりがちです。
こうした教材費や材費が学費に含まれるかどうか、事前に確認しておきましょう。
また、学校によって重きを置くカリキュラムは異なり、海外研修の機会を設けている学校もあります。
自分に合った学校を選ぶために、そうした点を十分に調査する必要があるのはもちろんのこと、学費にどこまで含まれているかについてもチェックする必要があります。
全国の理容師・美容師養成施設を都道府県ごとに紹介しています。(公益財団法人日本理容美容教育センター公式ホームページ)
美容師の給料・年収は?
厚生労働省の調査によると、美容師の2020年の平均的な月収は月収は約27万円、平均年収は約330万円でした。
美容師の収入は、就業するサロンの料金設定や美容師としてのランク、給与制度などによって変わります。
技術を磨き顧客を獲得することで、人気スタイリストとして年収アップを目指すことができるほか、個人のサロンをもったり訪問美容師として独立することで、さらに高額の収入を見込むことも可能です。
参考:賃金構造基本統計調査 / 令和2年賃金構造基本統計調査(e-Stat)
美容師の仕事内容とは?
美容師の仕事内容は、顧客の髪にカットやパーマ、カラーリングなどを施し、ヘアスタイルに合わせてメイクや着付けなどを行う場合もあります。
顧客の希望に沿って施術するだけでなく、髪質やライフスタイルなどを加味し、その人に似合う髪型の提案なども行います。
施術後の髪型の保ち方や手入れの仕方など、ヘアスタイルに関するさまざまなノウハウを伝え、顧客がヘアスタイルに高い満足感を得られる状態を保てるようにすることも仕事の一環です。
美容師の主な就職先は?
美容師の主な就職先は美容室です。
美容室には個人経営の店舗、支店をいくつももつ規模の大きいチェーン系の店舗、料金体系のリーズナブルな低価格店のサービスを展開する店舗など、さまざまな形態があります。
美容師はそのなかから、自分の目指したい美容師像にマッチした就職先を選択します。
そのほか、結婚式場や美容サロン、ヘアメイク事務所など、ヘアメイクを仕事として手掛ける機会がある場所への就職も可能です。
美容師の1日は?
<美容院に勤務する美容師の1日>
10時00分 出勤 |
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その日の予約スケジュールを確認して、必要な道具や消耗品を揃えたり、掃除をしたりするなどして、開店の準備を行います。 スタッフが揃ったら朝礼を行い、1日の予定や連絡事項を確認します。 |
11時00分 開店 |
開店後は顧客の対応をします。 指名予約を受けている顧客の対応はもちろん、予約のない顧客や、美容師の指名がない顧客の対応などもします。 顧客の要望を聞きながらどのようなヘアスタイルにしたいかカウンセリングを経て施術します。 美容師としての経験が少ないうちは、シャンプーやブローなどスタイリストの補助的業務、掃除などのアシスタント業務を主に行います。 そのほか、受付や会計などの事務業務や、待ち時間の長い施術を受けている顧客にドリンクを提供するといったサービス業務などもあります。 |
13時00分 昼食 |
昼食は顧客対応の途切れる時間帯にとるため、タイミングは日々変わります。 その日のスケジュールによっては、時間が大幅にずれ込むこともあります。 |
19時00分 閉店 |
店舗の閉店作業を行います。 閉店時間を迎えてもまだ施術を受けている顧客がいることも多いため、本格的に閉店の作業を進めるのは全ての顧客を送り出したあとです。 閉店後はスタッフでミーティングを行い、明日のスケジュールや連絡事項などを共有します。 ミーティング終了後には、店舗に残って技術練習をすることがあります。 |
21時00分 退勤 |
身支度を整えて帰ります。 スタッフのなかで最後に店舗を出る際は、店舗の施錠も行います。 |
美容師のやりがいとは?
美容師の仕事では、自分が施術したヘアメイクを顧客に満足してもらえたときにやりがいを感じられることが多いでしょう。
ヘアメイクによって顧客の美しさを引き出し、それを顧客に喜んでもらえたときは、美容のエキスパートである美容師という仕事のやりがいを強く実感できます。
顧客が施術に満足することで、リピーターとして固定客が増え人脈が広く形成されるといったことも美容師ならではのやりがいにつながります。
美容師のつらいことは?
美容師といっても経験年数の浅いうちは、シャンプーやブロー、事務業務などの補助的な仕事に就くことがほとんどです。
そのため、はじめは自分の思うような仕事ができないことにつらさやストレスを感じる場合もあります。
美容室は個人経営のところも多いので、オーナーと合わない場合もつらいと感じやすいでしょう。
美容師に向いている人 向いていない人は?
美容やおしゃれに興味のある人は、美容師に向いているといえるでしょう。
美容師の仕事は顧客の美しさを引き出すことなので、美容に関する情報に常に関心を持ち続けることが大切です。
また、接客業としての面も備え、ファッションアイコン的なイメージもある美容師の仕事には、自分のおしゃれにも気を配っていること、顧客一人ひとりに対応できるコミュニケーション能力を備えていることも求められます。
変化し続けるヘアスタイルの流行や、刻々と進歩する美容師としての知識・スキルをキャッチアップすることを苦にしない、向上心の高い人も美容師向きです。
一方、人と接するのが苦手という人、流行にうとくおしゃれにあまり興味のない人などは、美容師には向いていないでしょう。
美容師になった人の志望動機は何だった?
美容師になった人の志望動機の多くは、「ヘアメイクやおしゃれが好きで、それを仕事にしたかった」というものです。
「手に職をつけたい」「長く働きたい」という考えから、美容師を志望する人も少なくありません。
定年のない美容師という仕事は、その気になれば何歳になっても仕事をすることができるのです。
「将来はオーナーとして自分の店舗をもちたい」と考え、美容師を志望する人もいます。
美容師の雇用形態は?
美容師の雇用形態は正社員、契約社員、パート・アルバイトなど、さまざまです。
ライフスタイルに合わせて雇用形態を選びやすい仕事といえるでしょう。
店舗に雇用されて経験を積み、そのあと独立して自分の店舗をもつというケースも多くあります。
特定の店舗に在籍せず、フリーでヘアメイクを請け負うという働き方も可能です。
就職先が豊富で多様な働き方ができる点は、美容師の大きな特徴といえるでしょう。
美容師の勤務時間や休日は?
美容師の勤務時間は、勤務先や働き方によって異なります。
美容院に雇用されている場合、勤務時間や休日は店舗の営業時間や定休日に合わせることになりますが、ほとんどがシフト制と考えていいでしょう。
なお、店舗の営業時間が終わったあとは、スタッフだけ残ってカットやカラーリングなどの練習を行う場合があります。そのため、店舗の営業時間がそのまま勤務時間となるとは限りません。
美容師の求人・転職状況は?
美容師は不足している傾向にあるため、求人は豊富です。
全国の多くのエリアで求人が募集されており、雇用形態も正社員からアルバイトまでさまざまです。
就職や転職に向けて、求人が見つからなくて困るということはないでしょう。
求人を出している美容室の規模や店舗の雰囲気はそれぞれ異なりますので、多くの求人のなかから自分に合った環境を選びやすいといえます。
ステップアップを目指すほか、よりよい職場環境を求めて他店に転職する人も少なくありません。
美容師の将来性は?
いつの時代も、美容やおしゃれは多くの人々の関心が集まる分野です。
美容師の仕事もこれからも必要とされ、一定の顧客を得られる将来性のある仕事だといえるでしょう。
ただし、美容師として活躍するためには、常に時代の最先端を意識することが大切です。
流行をしっかりおさえながら、顧客に合ったヘアスタイルを提供できる技術を磨けば、将来はさらに明るいでしょう。
美容師の仕事で身につくスキルは?
美容師として身につくスキルとしては、ヘアメイクの知識や技術が筆頭に挙げられます。
カットやカラーリングなどのスキル、施術に必要な道具の知識などを蓄積することができます。
また、常におしゃれを意識する仕事であることから、センスを磨くこともできるでしょう。
人と接する仕事ですので、顧客に合わせた対応を通じてコミュニケーションスキルも身につけられます。
美容室などでは経営者が近くで働いている場合が多いので、経営者としての知識や考え方を学びながら独立を目指すこともできるでしょう。
美容師のキャリアアップの選択肢は?
雇用されて働く場合は、店長へのキャリアアップを目指すことができます。
そのためには、経験を積み、技術を磨きながら固定客をつかみ、評価を着実に積み重ねることが大切です。
加えて、店長となるためには育成能力も必要とされます。
そのほか、独立して自分で店舗を経営するという選択肢もあります。
美容師のなかには、将来自分の店をももつことを目標にしながら働く人も多いでしょう。
美容師のメリット・デメリットは?
美容師のメリットは、美容に関する意識を常に高く保てる点です。
自分のセンスを活かしながら行う仕事なので、自分の美的感覚を磨き続けることで自分自身もおしゃれでいることができます。
美容師資格自体には定年がなく、何歳でも働けることもメリットです。
デメリットは、自分のスキル次第で成功することもあれば失敗することもある点でしょう。
自分の店舗を構えた場合、技術やセンス、経営努力によって、顧客を呼び込み経営を成功させられるかどうかが大きく変わります。
美容師についてのまとめ
美容師の仕事はきらびやかで派手な印象がある一方、練習時間を含めると勤務時間が長いことや、下積み期間が2.3年あることなど、最初は大変だと感じることも多いと思います。
しかし、自分の考えやスタイルを突き通せる仕事でもあります。
美容師になるには、まずは専門学校を選ぶことから始める必要がありますが、どのような美容師になりたいかを明確にすることで、それを叶えられる専門学校を選択することができるでしょう。
代表的な奨学金制度としては日本学生支援機構のものが有名です。返済不要の「給付型」と卒業後に返済が必要な「貸与型」の2種類があり、それぞれ利用条件や審査基準は異なります。
それ以外にも自治体や専門学校独自で奨学金制度を設けているところもあるので、併せて検討してみるとよいでしょう。
鈴木 靖子
ファイナンシャルプランナー(AFP)、FPライター
大学卒業後、銀行の財務企画やコンサルティング会社で金融機関向けサービスに従事。
企業のお金に関する業務に10年以上たずさわる一方、日々の生活に役立つお金の知識の乏しさに気づき、その重要性を感じたことがきっかけで、ファイナンシャルプランニングの勉強を開始。
現在はFPライターとして活動する傍ら、FP相談も受付中。
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