人材派遣会社を選ぶポイント。どんなところをチェックすればいいの?

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パーソルテンプスタッフ株式会社に約6年在籍し、現在は派遣会社「株式会社アドバンスフロー」の代表取締役。
のべ約2,000名もの転職支援を行い、求職者が希望する仕事を得られるよう尽力。人材業界16年の経験から「派遣はしっかりとした情報が得られれば得られるほど、理想の職場を見つけられる」と確信し、多くの人が情報を得られるよう、記事の監修も行う。

派遣社員として働くには、まず人材派遣会社に登録をして、仕事を紹介してもらわねばなりません。
このとき、登録する人材派遣会社の選び方によって自分の希望する仕事を紹介してもらえる可能性が大きく変わってきます。

この記事では「派遣会社を選ぶときのチェックポイント」や「派遣会社を選ぶ理由」について紹介します。

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人材派遣会社を選ぶときのチェックポイント

人材派遣会社チェックポイントを説明する男性

1.人材派遣会社の規模

一般論ですが、派遣会社の規模が大きいと、豊富な求人先を持っているため、希望の職種、業務、勤務条件を選びやすいメリットがあります。

また、福利厚生や研修制度も一般的に充実しています。一方で多くの人が登録しているため1つの求人に対する競争も激しくなり、また、営業マンからのフォローも薄くなるなどのデメリットも生じます。

2.人材派遣会社のタイプ・特色

人材派遣会社のタイプには以下の特色を持った会社があります。

  • あらゆる業種、職業の求人先を豊富に持つ規模の大きな総合人材派遣会社
  • 特定の地域や特定の業種、職種に強い中小規模の人材派遣会社
  • 大手企業の子会社の人材派遣会社
  • 特定の業種、職種に強い専門の人材派遣会社

働きたい職種や働きたい会社が決まっていれば、規模の大きい総合人材派遣会社でなくても、良い求人先が中小規模の人材派遣会社や大手企業の子会社の人材派遣会社が良い場合があります。
それぞれの人材派遣会社の特徴や良い点をチェックすることで、自分の働きたい希望にあった人材派遣の求人に巡りあいやすくなります。

また、人材派遣会社の規模が小さい場合、一般的に営業マンからの手厚いフォローで仕事が見つかりやすいメリットも考えられます。

3.福利厚生制度

規模の大きな派遣会社は、相対的に福利厚生は充実していますが、大手人材派遣会社間でもよく比較するとその内容は同じではありません。
どのような福利厚生を期待するかチェックすれば充実した福利厚生を利用できます。

4.研修制度

福利厚生制度と同じで、大手人材派遣会社間にも研修制度に差があります。
スキルアップを望む場合、希望の研修制度がある人材派遣会社をチェックして選ぶことで、効率よくスキルアップできます。

5.営業マン、コーディネーター

人材派遣会社には、営業マンとコーディネーターという業務を行う担当者がいます。
営業マンは仕事を派遣先会社からの求人を取ってくる仕事を主に行い、コーディネーターは登録者の希望に合った仕事を紹介したり、悩みに答えたりすることを主に行います。
そして、ともに登録者のフォローを行います。

そのため、良い営業マン、コーディネーターがいることをチェックする必要があります。
ただ、なかなか外部からは良い担当者がいるかどうかはわかりません。
また、大手人材派遣会社は多数の担当者がいるので、当たり外れがあります。
そのため、クチコミなどで相対的に評判の良い人材派遣会社をチェックするより方法がありませんが、良い担当者に巡りあうことはとても重要です。

6.どんな求人が多いか

求人の案件を見て、「自分の年齢にあった求人が多いか」「業種、職種の範囲が広いか」「大手企業の求人が多いか」「未経験の求人は多いか」「長期、短期、単発のどれが多いか」など、自分が希望する求人をリストにして、それらの求人が豊富かどうかをチェックします。

7.労働条件

まったく同じ求人であっても人材派遣会社によって時給が異なることがあります。
最終的に選ぶときに時給を念のためにチェックします。
その他、交通費の支給の有無や労働時間の長短、残業の有無などを確認します。

8.設立年度

人材派遣会社を選ぶときに迷ったら、できるだけ設立年度が古い、歴史の長い会社を選ぶと経営基盤やしっかりした派遣業務を行っていると一般的にいえるので安心できます。
もちろん、新しい会社が信頼できない訳ではありません。悩んだときの判断基準として使えます。

信頼できる派遣会社を選ぶコツは?

悪質派遣会社のリストやランキングに載っているような、「やばい・悪質・悪い」と言われる派遣会社が多い中、信頼できる派遣会社を選ぶためには、実績や派遣社員へのサポートなどの情報を、事前に調べることが大切です。

サポート内容が詳しく書かれていなかったり、保証がどのようになっているのか説明がなかったりするような派遣会社は、避けるようにしたほうがいいでしょう。

また実際に派遣会社に訪れて、派遣会社のスタッフの対応や、一般事務や工場での仕事など、派遣先探しに集中できそうな環境かどうかチェックしておくのも効果的です。

評判の良い派遣会社と評判の悪い派遣会社を見分けるポイント

評判の良い派遣会社と評判の悪い派遣会社を見分けるにはいくつかの判断基準があります。評判の良い派遣会社と評判の悪い派遣会社を見分けるポイントを確認していきます。

ポイント1.派遣許可番号の取得

労働者派遣事業を行う者は、厚生労働大臣から許可を受けなければなりません。

派遣許可番号を確認し、無許可で労働者を派遣先に送り出す派遣会社を回避しましょう。

  • 例えばランスタッド株式会社は般13-010538という許可番号を有しています。
  • 派遣先は、知らないうちに無許可や無届出の派遣元事業所から派遣労働者を 受け入れて違法な状態になっていることもあります。昨今、許可又は届出を行わない事業所から労働者派遣を行い、行政指導を受ける事案が増えています。

引用:randstad「あなたの取引先は許可又は届出番号をお持ちですか?」

派遣先も知らずして違法な派遣会社から人材を受け入れている可能性があります。派遣先の職場に問題がないケースでも、派遣元が正式な業者であるかどうかを確実にチェックしておきましょう。

ポイント2.優良派遣事業者の認定

派遣許可番号を取得していない評判悪い派遣会社とは反対に、優良派遣事業者の認定を受けている派遣会社があります。

国から認められたまともな派遣会社であれば安心して利用できます。認定マークは「優」という文字が記載されており、各派遣会社のホームページや名刺などで確認できます。

法令を遵守しているだけでなく、派遣社員のキャリア形成支援やより良い労働環境の確保、派遣先でのトラブル予防など、派遣社員と派遣先の双方に安心できるサービスを提供できているかどうかについて、一定の基準を満たした派遣事業者を「優良派遣事業者」として認定する制度です。

引用:厚生労働省「認定取得のご案内 優良派遣事業者認定制度とは」

優良派遣事業者であれば、派遣先とのトラブルが起きても適切に対処してもらえるほか、キャリア形成のサポートも受けやすくなります。

ポイント3.社会保険の加入

社会保険の加入は雇用形態で決まるわけでありません。条件を満たしていれば派遣社員も社会保険に加入できます。

派遣先は、労働・社会保険に加入する必要がある派遣労働者については、労働・社会保険に加入している派遣労働者(派遣元事業主が新規に雇用した派遣労働者であって、当該派遣先への労働者派遣の開始後速やかに労働・社会保険への入手続が行われるものを含む。)を受け入れるべきであり、派遣元事業主から派遣労働者が労働・社会保険に加入していない理由の通知を受けた場合において、当該理由が適正でないと考えられる場合には、派遣元事業主に対し、当該派遣労働者を労働・社会保険に加入させてから派遣するよう求めること。

引用:厚生労働省「派遣先が講ずべき措置に関する指針」

社会保険に加入させない理由が不適切である場合、派遣元は社会保険に加入させてから派遣社員を送り出すことになっています。そのため、社会保険の加入についてごまかす派遣会社は不自然です。

ポイント4.口コミによる評判

実際に派遣会社で働いたスタッフが不満を抱き、会社に対する評判を口コミで紹介しているケースがあります。

私が経験したのでは、一応親会社が大手有名企業の派遣会社。バックに大手がついてるから きちんとしてるだろうなと期待してたら甘かった。スキルチェックを全くやらないから、いいの?なんて思っていたのですが、いざ仕事を紹介されて面接していた時の事、相手先企業に「タイピングは 1分間にどの位ですか?」と聞かれ、やってないから、私も営業も しどろもどろ・・。そのせいではないかもしれませんが、もちろん結果は×。

引用:YAHOO!JAPAN知恵袋「悪質な派遣会社を教えてください。」

登録してはいけない派遣会社や、やばい派遣会社は、2chや5chまとめの口コミサイトなどでも掲載されています。信ぴょう性の低いコメントもあるかもしれませんが、念のためリサーチの幅を広げておくとよいかもしれません。

派遣会社、転職エージェント、応募先企業の口コミや評判を確認したいときはどうすればいい?

派遣会社、転職エージェント、応募先企業のクチコミや評判をインターネットで確認したいときは「転職会議」や「エンライトハウス」など、「企業の口コミサイト」の利用がおすすめです。

これらのサイトでは、
「その派遣会社を利用したことがある人」
「実際にその企業で働いている人」
「その企業で面接を受けたことがある人」
などから寄せられたリアルな口コミが掲載されています。

また、給与、ボーナス、福利厚生などの情報についても掲載されています。

ただし、口コミサイトに書いてある情報が全て「正しい情報」とは言い切れません。なかには「サクラの書き込み」や「その企業を恨んでいる人が書いたデマ」が掲載されている可能性もゼロではないからです。なので、すべての情報を鵜呑みにしないようにご注意下さい。

派遣会社や転職エージェントを通じて求人に応募する場合は、派遣会社や転職エージェントの担当者に「応募先企業」の内情について質問することも可能です。

また、弊社運営サイト「#就職しよう」では、派遣会社や転職エージェントを実際に利用したことがある方から寄せられた口コミを掲載しています。こちらも是非参考になさってください。

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>>「#就職しよう」口コミ・評判記事の一覧

派遣会社の登録会はどんなことするの?

派遣会社の登録会で重要事項を説明される様子

いざ派遣会社に行って登録するとき、どんなことをするのか分かっていれば、不安な気持ちを持たずに挑めます!

ここでは登録会の流れをご紹介します。

登録会の流れ

登録会は仕組みの説明、スキルチェックや情報入力、そして面談があります。

■派遣会社登録会の流れ

  1. 派遣の仕組み・注意事項や会社概要
  2. 職歴や資格・スキルなどの入力
  3. スキルチェック
  4. コーディネーターとの面談

これらを全てクリアすると晴れて派遣会社に登録です。その場ですぐに仕事の紹介もよくありますよ。
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>>所要時間は1時間30分!派遣登録会の所要時間と時間を短くするコツ

登録会の注意点

登録会はいわば自分を売り込む場所!言動や身だしなみには注意です。

自分を売り込む登録会は派遣会社側もしっかりチェックしています。最適な派遣できるよう、聞いて、見て、感じて、細かなところまでチェックしています。

そのため、

  • スキルチェックの事前準備
  • 清潔感のある身だしなみ
  • 忘れ物をしない
  • 遅刻をしない(不測の事態はちゃんと連絡)
は注意して臨むべきです。

▼関連記事▼
>>【派遣のプロが教える】派遣登録会におすすめの服装14選/主婦・大学生・看護師・40代・工場などシーン別に紹介

派遣会社の登録会の面談で聞かれることはどんなこと?

派遣会社の登録会の面談で聞かれることは、大きく分けて以下の3つあります。

  1. 希望職種とその理由
  2. これまでの職歴について
  3. 仕事の希望条件と希望就業期間

ここでは、それぞれの理由ごとに細かく解説をしていきます。

1.希望職種とその理由

まず、必ず派遣登録に来た方がどんなお仕事を希望しているのか聞かれます。

そして、なぜその職種を希望するのかという点も確認されます。

ここでいう、職種については、営業(外回り・インサイドセールス)、事務、コールセンターなど大まかなカテゴリーを指します。

職種をより具体的に絞り過ぎると紹介される件数に影響が出るので、大まかに指定して紹介された中から選んで応募するとベストです。

また、お仕事を希望する理由については、正社員の志望動機の様に作り込む必要はありません。

派遣会社は紹介する仕事を真面目にきちんと対応してくれる人を求めています。理由については深く問いません。

「これまでの経験やスキルを活かしたい」「これから派遣の仕事を通して、こういう経験やスキルを身に付けたい」という内容で問題ないです。

2.これまでの職歴について

派遣登録の際に提出するプロフィールに基づいて、登録面接では職歴を聞かれます。

その意図は主に以下の2つです。

①紹介できる仕事の幅が広げられるか、仕事に活かせる経験がないか確認している
自分がこれまでにどんな業務を経験したか丁寧に伝えると、経験者募集の高時給のお仕事や、沢山の仕事を紹介される可能性が高くなります。
②経験社数が多い、または期間が短い場合に、退職の理由を確認している
すぐに仕事を辞めるのではないかという点を懸念して質問しています。もし、社数が多かったり期間が短い職歴がある場合は、前向きな退職理由(スキルアップのため・自分のキャリアプランや目標のため)を伝えましょう。

3.仕事の希望条件と希望就業期間

3つめは、週何日勤務できるのか・1日何時間勤務希望なのか・時給はいくら以上なのか・土日休み希望なのかなどの就業条件と就業期間の希望を聞かれます。

また、紹介された仕事はどれくらいの期間(短期なのか、6か月なのか、1年なのか等)勤務しようと考えているのかもチェックされます。

就業条件については、あまり細かく希望を出し過ぎると、紹介される仕事の数に影響します。絶対に譲れない条件を除いては妥協することをお勧めします。

ただ就業期間については、派遣先企業や派遣会社と後々トラブルになるリスクもあるので、無理せず希望を伝えましょう。

派遣会社に登録だけして就業しなくてもいいの?

派遣会社に登録だけして、就業しなくてもOKです。

「派遣会社に登録したけど、結果的に一度も就業しなかった」という方は意外と多いです。

派遣会社に登録すると、仕事探しの幅が広がるため、「良い仕事があれば派遣として働きたい!」と考えが少しでもある方には、派遣会社への登録をおすすめします。

また、派遣会社は3社以上登録するのが当たり前です。派遣会社側もそれを分かっているため、登録だけで就業されないことも慣れています。だから気にせずにどんどん登録しましょう。

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>>派遣は登録だけして働かない人多数! それでも登録すべき3つのメリット

派遣会社の登録会の注意点

登録会はいわば自分を売り込む場所!言動や身だしなみには注意です。

自分を売り込む登録会は派遣会社側もしっかりチェックしています。最適な派遣できるよう、聞いて、見て、感じて、細かなところまでチェックしています。

そのため、

  • スキルチェックの事前準備
  • 清潔感のある身だしなみ
  • 忘れ物をしない
  • 遅刻をしない(不測の事態はちゃんと連絡)
は注意して臨むべきです。

▼関連記事▼
>>【派遣のプロが教える】派遣登録会におすすめの服装14選/主婦・大学生・看護師・40代・工場などシーン別に紹介

まとめ

人材派遣会社チェックポイントをまとめる男女

たくさん人材派遣会社のなかから自分にあった人材派遣会社を選ぶときにチェックポイントを8つ紹介しました。

人材派遣会社は、1社だけの登録でなく複数登録しても問題ありません。
うまくチェックポイントを参考に人材派遣会社のタイプ・特色を組み合わせて登録すると良い求人に巡りあいやすくなります。

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この記事の執筆者
「法人派遣マッチング」ならびに
転職エージェント「♯就職しよう」運営
株式会社アドバンスフロー 代表取締役 中塚 章浩

大手人材サービス会社在籍で2,000名以上の就業に携わり、
「自分に合った派遣会社や人材紹介会社を選ぶ重要性」 を肌で感じてきました。この記事の執筆を通して、派遣会社や人材紹介会社を選ぶ際のミスマッチを少しでも解消できればと思っています。
現在、派遣会社と企業をつなぐ「法人派遣マッチング」と求職者と企業をつなぐ「転職エージェントサービス」を運営しており、それらから得られる最新情報をお伝えするべく、随時、記事の編集や更新も行っています。

経歴
パーソルテンプスタッフ株式会社に在籍後、2010年に株式会社アドバンスフローを設立し、求職者向け情報サイト「♯就職しよう」を運営。現在、#就職しようの執筆とともに、転職・就職などHR領域に関するサービスを多数展開中。 ・執筆者の詳しい経歴はコチラ
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