【元転職会社執筆】一般事務の給与・初任給はどれくらい?正社員と派遣の差は?

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パーソルテンプスタッフ株式会社に約6年在籍し、現在は派遣会社「株式会社アドバンスフロー」の代表取締役。
のべ約2,000名もの転職支援を行い、求職者が希望する仕事を得られるよう尽力。人材業界16年の経験から「派遣はしっかりとした情報が得られれば得られるほど、理想の職場を見つけられる」と確信し、多くの人が情報を得られるよう、記事の監修も行う。

「一般事務の給与ってどれくらいなんだろう?」

と悩んでいませんか。

この記事では…

  1. 一般事務の平均給与
  2. 一般事務の初任給
  3. 一般事務は年収が上がりにくい?
  4. 正社員と派遣社員の給与の違い

このような点について、詳しく紹介しています。

転職活動のなかでは「給与について正しい情報を知る」ということはとても大切なポイントです。

この記事があなたの一般事務への転職をサポートしていきます。

あなたの転職成功を心から願っています。

転職のプロが伝授!「事務の転職」耳より情報

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「テンプスタッフ」の一般事務の求人数⇒24,946件(6社中1位!)

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  • 経理事務⇒3,741件(6社中1位!)
  • 金融事務⇒1,443件(6社中1位!)
  • 人事・総務事務⇒6,037件(6社中2位!)

【調査日】2022年2月16日
【調査対象】テンプスタッフ、スタッフサービス、マンパワー、パソナ、リクルートスタッフィング、アデコ

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一般事務の平均給与や相場はどれくらい?

一般事務の平均給与

「給与」は転職をするときに一番気になるポイントですよね。

そこで、今回は国税庁の「平成29年職種別民間給与実態調査」というデータをもとに「事務員の年代別・平均給与」を調査しました。

▼【事務係員】平成29年4月分平均支給額

年齢階層 きまって
支給する給与
うち
時間外手当
うち
通勤手当
~20歳未満 193,678円 15,127円 8,646円
20歳以上~24歳未満 245,551円 28,721円 13,388円
24歳以上~28歳未満 288,573円 40,567円 13,065円
28歳以上~32歳未満 319,755円 40,482円 13,017円
32歳以上~36歳未満 343,052円 44,501円 14,109円
36歳以上~40歳未満 351,238円 43,399円 14,749円
40歳以上~44歳未満 347,225円 38,370円 13,835円
44歳以上~48歳未満 358,703円 38,014円 14,885円
48歳以上~52歳未満 369,065円 37,066円 12,107円
52歳以上~56歳未満 373,682円 37,249円 13,045円
56歳以上~ 372,111円 29,392円 12,531円
平均金額 329,430円 39,559円 13,549円

引用:国立国会図書館インターネット資料収集保存事業-国税庁「平成29年職種別民間給与実態調査の結果-表7 職種別、年齢階層別平均支給額」

事務員の給与の平均値は上記のような調査結果となりました。

このデータから、事務員の給与は36歳くらいまでは昇給を見込め、36歳以上になると金額にあまり変動がなくなる傾向にあるといえます。

※注意点※
国税庁のデータは一般事務のほか「営業事務・経理事務・総務事務」などすべての事務職の給与平均値となっています。

一般事務は他の事務職と比べ、専門性を必要としないので基本給が低いため、平均給与はこのデータ上の金額よりも低くなるということを頭に入れておきましょう。

参考 表7 職種別、年齢階層別平均支給額国立国会図書館インターネット資料収集保存事業-民間給与の実態(平成29年職種別民間給与実態調査の結果)-国税庁

一般事務の初任給はどれくらい?

一般事務の初任給

事務員の初任給は最終学歴によって金額が異なることが多いです。

今回は国税庁「平成29年職種別民間給与実態調査の結果」というデータをもとに初任給について調査しました。

「事務員の初任給」の目安となる金額を「大卒・短大卒・高卒」と最終学歴ごとにご紹介します。

事務員の初任給
大卒の場合…18.0~21.5万円
短大卒の場合…16.5~18.0万円
高卒の場合…15.0~16.5万円
【学歴別】事務員・初任給の目安の詳細はコチラをクリック

▼事務員・初任給(大卒)

16.5万円以下 3.1%
16.5~18.0万円以下 8.6%
18.0~20.0万円以下 34.8%
20.0~21.5万円以下 41.6%
21.5万円以上 11.5%

▼事務員・初任給(短大卒)

15.0万円以下 8.3%
15.0~16.5万円以下 22.6%
16.5~18.0万円以下 40.2%
18.0~20.0万円以下 25.9%
20.0万円以上 3.1%

▼事務員・初任給(高卒)

15.0万円以下 16.8%
15.0~16.5万円以下 50.2%
16.5~18.0万円以下 27.7%
18.0万円以上 5.4%

引用:国立国会図書館インターネット資料収集保存事業-国税庁「平成29年職種別民間給与実態調査の結果-表4 事務員・技術者の初任給金額階層別、企業規模別、学歴別事業所分布」

企業規模(従業員数)に関わらず、これくらいの金額を初任給に設定している企業が多いようです。

※注意点※
国税庁のデータは一般事務のほか「営業事務・経理事務・総務事務」などすべての事務職の給与平均値となっています。

一般事務は他の事務職と比べ、専門性を必要としないので基本給が低いため、初任給はこのデータ上の金額よりも低くなるということを頭に入れておきましょう。

参考 表4 事務員・技術者の初任給金額階層別、企業規模別、学歴別事業所分布国立国会図書館インターネット資料収集保存事業-民間給与の実態(平成29年職種別民間給与実態調査の結果)-国税庁

一般事務は年収が上がりにくいって本当?

一般事務は年収が上がりにくい

一般事務は年収が上がりにくいのは事実です。

一般事務は営業職のように会社の利益に結びつく仕事をすることがなく、インセンティブ(報奨金)を手にすることがないからです。

正社員と派遣社員の給与の違いは?どちらがおすすめ?

正社員と派遣社員の給与の差

派遣社員の給与は正社員など直接雇用で働く方と比べると安いのではないか…と思ったことはありませんか?

同じ業務内容を担当する場合、正社員と派遣社員の給与はどれくらい差があるかについて、ハローワークや派遣会社の求人検索機能を利用して、一般事務の平均給与を調査したところ…

  • 月収…派遣社員のほうが高いことが多い
  • 年収…正社員・派遣社員どちらもあまり差がないことが多い

という結果となりました。

具体的な金額は…

正社員 派遣社員
月収 (基本給)180,125円
+残業代
+交通費・その他手当
(基本給)249,590円
+残業代
年収 (基本給)2,161,500円
+残業代
+交通費・賞与・その他手当
(基本給)2,995,080円
+残業代
【正社員の平均給与調査の詳細はコチラをクリック】
▼調査条件
検索サイト~ハローワークインターネットサービス
雇用形態~一般(フルタイム)・派遣を除く
勤務地~東京都
職種~一般事務の職業
以上の条件で抽出した求人の中から、ランダムで20件の給与をピックアップ

▼調査結果
正社員給与(下限金額で計算)
平均月収…180,125円+交通費・各種手当
平均年収…2,161,500円+交通費・各種手当・賞与など

▼抽出内容詳細

基本給
(下限)
基本給
(上限)
ボーナス 交通費 その他手当
1社目 180,000 200,000 なし 実費支給
2社目 163,500 193,500 年2回
又は
50~60万円
実費支給
3社目 170,000 170,000 3ヵ月分
又は
10~40万円
上限
2.5万円
6.5~13万円
(定額残業代)
4社目 175,000 265,000 4ヵ月分 実費支給 みなし残業代
2.5~3.5万円
5社目 143,000 153,000 年2回 上限
3.5万円
職務手当5~8千円
住宅手当2万円
6社目 190,000 260,000 年3回 実費支給 住宅手当8千~1万円
家族手当配偶者1.5万円
子供1人5千円
7社目 175,000 180,000 なし 実費支給 勤勉手当4.5~6万円
住宅手当1万円
皆勤手当1万円
8社目 230,000 250,000 あり
(詳細不明)
上限
3万円
資格手当1~3万円
住宅手当あり
9社目 180,000 180,000 年2回 実費支給 職務手当2~5万円
10社目 200,000 300,000 年1回
又は
8~20万
上限
2万円
調整手当8千~2万円
11社目 190,000 250,000 5.2ヵ月分 上限
5万円
12社目 220,000 220,000 2ヵ月 上限
2.5万円
13社目 230,000 270,000 年2回 上限
3万円
14社目 156,000 212,000 年2回 上限
5.5万円
15社目 170,000 250,000 3.5ヵ月分 上限
5万円
16社目 160,000 275,000 2ヵ月 上限
5万円
地域手当2.5万円
17社目 165,000 250,000 年1回 上限
3万円
住宅手当1~2万円
業務手当3千~2万円
資格手当0~2.5万円
役職手当0~2.5万円
家族手当0~2.5万円
特別手当0~2.5万円
18社目 165,000 233,880 4.5ヵ月 実費支給 住宅手当1.3~1.7万円
19社目 140,000 160,000 15~50万円 上限
5千円
家族手当5千円
事務手当3~5.5万円
皆勤手当5千円
住宅手当5千~1万円
20社目 200,000 220,000 1ヵ月 上限
1.5万円
皆勤手当2千円
【派遣社員の平均給与調査の詳細はコチラをクリック】
▼調査条件
検索サイト~スタッフサービス
雇用形態~派遣・紹介予定派遣
勤務地~東京都
職種~事務(OA・データ入力)
以上の条件で抽出した求人の中から、ランダムで20件の給与をピックアップ

▼調査結果
派遣給与(※月20日、年間240日勤務・下限金額で計算)
平均月収…249,590円
平均年収…2,995,080円

▼抽出内容詳細

時給(下限) 時給(上限) ボーナス 勤務時間 月給(月20日勤務)
1社目 1,500 1,500 なし 8 240,000
2社目 1,800 1,800 なし 7.5 270,000
3社目 1,600 1,600 なし 7.5 240,000
4社目 1,600 1,650 なし 7 224,000
5社目 1,530 1,530 なし 7.75 237,150
6社目 1,600 1,600 なし 8 256,000
7社目 1,700 1,750 なし 7 238,000
8社目 1,650 1,840 なし 7 231,000
9社目 1,540 1,540 なし 8 246,400
10社目 1,600 1,600 なし 7.75 248,000
11社目 1,650 1,750 なし 7.5 247,500
12社目 2,000 2,000 なし 7.5 300,000
13社目 1,600 1,700 なし 7.5 240,000
14社目 1,650 1,650 なし 7.75 255,750
15社目 1,800 2,050 なし 8 288,000
16社目 1,500 1,500 なし 7 210,000
17社目 1,750 1,750 なし 7 245,000
18社目 1,700 1,770 なし 7.5 255,000
19社目 1,750 1,750 なし 8 280,000
20社目 1,600 1,600 なし 7.5 240,000

上記の表からもわかるように、基本給は派遣社員のほうが高いですが、正社員には「賞与・交通費・その他手当」といった基本給以外の収入があるため、年収に換算するとあまり差がなくなります。

その他にも正社員には

  • 昇給
  • 育休・産休・介護休暇などの制度

このような昇給制度や福利厚生があるのでライフプランが変わっても安心して長く働き続けることができるという点が正社員と派遣社員の大きな違いです。

また、派遣社員は「時給制」で働くことが多いため「祝日が多い月」や「病欠をたくさん取ってしまった月」など、勤務日数により収入にバラつきが出てしまうことがあります。

その点、正社員は「月給制」の場合が多いので安定した収入が得られます。

一般事務の求人を選択するときの参考になさってみてください。

派遣社員は賞与・ボーナスをもらえるの?

派遣社員は基本的にボーナスなし

派遣社員の場合、基本的にはボーナスなどがもらえません。

なぜなら派遣社員の時給に、ボーナスなどの諸手当を含めていると考えているからです。

アルバイトやパートと比較し派遣社員の時給が高いのは、手当などが含まれているのです。

賞与・ボーナスは、業績に連動するため、直接雇用の社員の場合は業績に応じて金額の増減がありますが、派遣社員の場合は時給が決められている分、変動することがありません。

寸志として支給されることもある

派遣先企業の中には、派遣社員にも寸志を渡す場合もあります。

従業員に期末賞与を支給することになり、派遣・外注社員にも併せて、寸志とことで形ばかり商品券を支給しようと考えています。

引用元:日本の人事部「派遣社員に寸志を支給する際の留意点」

ただし、派遣先企業と派遣社員に雇用関係はなく、通常給与は派遣会社から派遣社員に支払われます。

そのため、派遣先企業から寸志が支給される場合は、トラブルが発生しないよう派遣会社にも相談の上受け取るようにしましょう。

ボーナスありの派遣は時給が低い場合もあり

派遣社員にボーナスが出る求人がありますが、その代わりに時給が低く設定されている可能性があります。

たとえば、時給を通常より100円低く設定したとしましょう。8時間労働の場合、1日で800円、5日間で4,000円、1ヶ月で16,000円、半年で96,000円の人件費が少なくなります。

つまり、時給を低くすることで削減した金額を派遣社員に支給すれば、ボーナスを支払ったという事実を作れます。したがって、ボーナスが支給されるからといって、単純に満足できるわけではありません。

派遣先企業の独断でボーナスを出せない

寸志の箇所でも解説しましたが、派遣社員は派遣先企業と雇用契約を結んでいないため、直接支払うことはNGです。

労働基準法では、賃金の直接払いを原則としています。

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

引用:労働基準法第二十四条(e-Govポータル)

そのため、仮に派遣先企業が派遣社員に直接ボーナスを支給すると労働基準法となってしまいます。

無期雇用派遣(常用型派遣)はボーナスが支給される?

無期雇用派遣(常用型派遣)とは、派遣会社の社員として無期雇用契約を結ぶ働き方です。

契約期間が定まっている有期雇用派遣と異なって、派遣先企業での契約が終了しても派遣会社との契約が継続され、次の派遣先企業が決まったらそこで働くという働き方になります。

そのため給与が固定されやすい点という特徴を持っており、正社員型派遣と呼ばれている場合もあります。

派遣会社がボーナスを支給する会社であれば、ボーナス支給される可能性があります。

派遣と正社員の給料が同じになる「同一労働同一賃金」とは?

2020年4月から施行される同一労働同一賃金は、正社員と非正規雇用労働者の間に存在する不合理な待遇差を禁止する制度です。

中小企業に関するパートタイム・有期雇用労働法については、2021年4月からの適用です。

具体的に整備された内容は主に3つです。

  • 不合理な待遇差をなくすための規定の整備する
  • 労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
  • 行政による事業主への助言・指導等や裁判外紛争解決手続(行政ADR)の規定の整備

引用:働き方改革特設サイト 同一労働同一賃金(厚生労働省)

このうちの「不合理な待遇差をなくすための規定の整備」で、同一企業内における正社員と非正規労働者との間で、基本給をはじめ賞与に関する待遇などに待遇差を設けることが禁止されました。

また、待遇の差が生じている場合、事業主は派遣社員からの求めに応じて、理由を説明しなければなりません。さらに、待遇差の理由説明についても行政ADRの対象とされました。

まとめ

正社員と派遣社員の給与まとめ

いかがでしたか?
一般事務の給与についてご理解いただけましたか?

この記事のポイントをおさらいしましょう。

  1. 一般事務の平均給与(目安)は…
    ●全年代の給与平均は329,430円
    ●36歳までは昇給がある可能性が高い
  2. 一般事務の初任給(目安)は…
    ●大卒の場合…18.0~21.5万円
    ●短大卒の場合…16.5~18.0万円
    ●高卒の場合…15.0~16.5万円
  3. 一般事務の年収は…
    ●他の職種に比べ上がりにくい
    ●正社員を目指す人は、昇給制度の整った企業を選ぼう
  4. 正社員と派遣社員の給与は…
    ●月収…派遣社員のほうが高い
    ●年収…正社員と派遣、どちらも同じくらい
    ただし、正社員は給与以外の面で福利厚生や産休や介護休暇を利用できるので安心して長く働くことができる

一般事務には正社員や派遣社員など、さまざまな働き方があります。

正社員と派遣社員の「給与の違い」や「メリットやデメリット」をしっかり把握したうえで、転職活動を進めていきましょう。

あなたの一般事務への転職成功を心から願っています。

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この記事の執筆者
「法人派遣マッチング」ならびに
転職エージェント「♯就職しよう」運営
株式会社アドバンスフロー 代表取締役 中塚 章浩

大手人材サービス会社在籍で2,000名以上の就業に携わり、
「自分に合った派遣会社や人材紹介会社を選ぶ重要性」 を肌で感じてきました。この記事の執筆を通して、派遣会社や人材紹介会社を選ぶ際のミスマッチを少しでも解消できればと思っています。
現在、派遣会社と企業をつなぐ「法人派遣マッチング」と求職者と企業をつなぐ「転職エージェントサービス」を運営しており、それらから得られる最新情報をお伝えするべく、随時、記事の編集や更新も行っています。

経歴
パーソルテンプスタッフ株式会社に在籍後、2010年に株式会社アドバンスフローを設立し、求職者向け情報サイト「♯就職しよう」を運営。現在、#就職しようの執筆とともに、転職・就職などHR領域に関するサービスを多数展開中。 ・執筆者の詳しい経歴はコチラ
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