経理と財務の違いは?仕事はどう違う?必要な資格や向き不向きもチェック!

「気になる会社の求人票の職種に「経理」と「財務」がある。この2つって何が違うの?誰でもできるものなの?」と困っていませんか?

気持ちも新たに経理の仕事を探したのに、経理と財務という言葉を見てしまうと、呼び名だけが違うのか?仕事そのものが違うのか?が分かりませんよね。

私も働き始めた頃は違いが全く分からず、それぞれの仕事内容を理解したのは数年経ってからでした。

でも大丈夫!この記事を読めば経理と財務の違いがはっきり分かります!

大企業で経理を16年経験した私。長い就労経験の中で、経理とも財務とも仕事をしてきました。

この経験により、それぞれの詳細な仕事内容や必要な資格、向いていいる人材までしっかり解説しているので、自分が選ぶべき道はどちらなのかが判断できます。

経理も財務もやりがいのある仕事です。それぞれの違いをしっかり理解し、自分に合った仕事に就けることを祈っています。

 経理と財務の違い


経理は必要経費や利益を算出して会社が持つ財産を管理する仕事、これに対し財務は事業の維持や拡大に必要なお金を外から集めて管理するのが仕事です。

それぞれが行う業務は全く異なりますが、お金を管理する面では密接な関係にあるのが経理と財務です。

それでは、経理と財務の仕事内容を詳しく見ていきましょう。

 経理業務とは

経理は会社のお金を管理する

経理業務の目的は、会社にまつわるお金を数字に変えて表すことです。

会社は利益を得るために経費をかけます。経理はこの利益や経費を簿記に記録し、その時点での会社の経営状況を把握できるようにします。

取締役などの上層部は迅速な経営判断をしなければならないため、その判断材料となる貸借対照表や損益計算表を経理が作成するのです。

さらに重要なのが年度末の決算期に作成する財務諸表の作成です。企業の健康診断結果表と言い換えると分かりやすいと思います。

財務諸表は企業がステークホルダー(利害関係者・株主など)に対して業績やや財務状況を明らかにする資料なので、正しい財務諸表を作り上げることは経理の重要な任務なのです。

その他にも、売上管理、仕入管理、現金管理、税金管理、決算報告などのお金に関するさまざまな業務を行います。

経理は業務内容が細かくて多いため、大抵の会社では業務を分担して行います。経理に採用された場合は、自分がどの業務を担当するのか確認しておくと良いでしょう。

 経理の仕事の流れ

経理の仕事は基本的にルーティンワークです。最初は難しくても、慣れることで徐々に覚えられますので、事前に仕事の流れを把握しておきましょう。

一日の仕事の流れ
~出勤~
  • 出勤後すぐにメールを確認
  • 預金の入出金確認
  • 経理システム上で予算進捗確認
  • 各部門からの出金確認と承認
  • 取引先からの入金確認
  • 領収書・請求書の発行
  • 受払い簿作成と在庫管理
~昼休み~
  • 出金と入金について帳簿に記録
  • 未払金の確認と請求
  • 固定資産計上と遊休資産チェック
  • 預金と現金残高の確認
  • 経理書類のファイリング
  • 伝票の確認と整理
  • 翌日の業務確認
~退勤~
上記の業務は会社によっても異なりますが、大抵の場合はこのような流れで一日の業務を行います。

毎日発生する業務と定期的に発生する業務があるので、仕事をしながら覚えていくとよいでしょう。

1ヶ月の仕事の流れ

入金や出金は月ごとに締め日を設けて管理します。経理の仕事が月末と月初に集中するのは締め日の存在があるからです。月次業務の内容も把握しておきましょう。

~月初め~
  • 前月の売上計算と請求書発行
  • 請求書の仕訳処理
  • 前月度の月次決算
  • 在庫確認と実地棚卸
~月半ば~
  • 取引先への売上代金請求
  • 所得税と住民税の納付
~月末~
  • 給与計算
  • 社会保険料計算と納付
  • 各種書類と伝票のファイリング

月次の仕事は日々の業務に並行して行うため、月初めや月末は必然的に忙しくなります。どの業務も漏れなく進めることが重要です。

1年の仕事の流れ

経理の仕事は1年のサイクルで流れ、翌年はまた同じことを繰り返します。年次の業務は重要なものばかりですので、1年間経理を経験して体に染み込ませるのが一番です。

~1年の流れ~
  • 4月:決算書類の準備と整理
  • 5月:決算書類作成
  • 6月:賞与計算・株主総会の開催と対応
  • 7月:賞与振込・四半期決算報告
  • 8月:下期予算申請取りまとめ
  • 10月:上期決算報告
  • 11月:賞与計算
  • 12月:賞与振込・給与支払報告書提出
  • 1月:四半期決算・償却資産申告の提出
  • 2月:決算報告準備
  • 3月:決算報告準備・予算進捗確認
年次業務で特に重要なのが、6~7月に行われる決算報告です。ここで正しい数字を書類にして提示するためには、経理のスピーディーな業務推進が必要となってきます。

  経理に必要な資格

経理に必要な知識は簿記

経理に欠かせない資格は簿記です。会社によっては簿記を取得していないと経理担当として採用しないところもあります。

もちろん、簿記がなくても仕事に慣れてきちんと業務をこなせればOKとしている会社もあるので安心してください。

簿記は会社がいくら使ったか?いくら利益を出したか?預金はどの位あるのか?を表に入れて管理するための資格です。

また、毎日管理してきたお金の流れを年に1回取りまとめる貸借対照表と損益計算表についても簿記の資格があったほうが難なく対応できます。

就職前に経理に関する資格を取るなら、まずは簿記をチェックしてみるとよいでしょう。

その他にも以下のような資格があると経理の仕事に有利になります。1つずつ中身を確認してみてください。

MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)

エクセルやワードの基本的操作に加え、複雑な操作も理解するための資格です。

参考

マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)MOS公式サイト

給与計算実務能力検定試験

内閣府認可の一般財団法人職業技能振興会が認定する資格で、企業の給与計算業務に必要な知識と遂行能力を判定します。

参考

実力能力開発支援協会給与計算実務能力検定試験とは

文書情報管理士

経理の仕事に不可欠な個人情報を含んだ書類を的確に取り扱うための知識を得る資格です。

参考

日本文書情報マネジメント協会日本文書情報マネジメント協会公式サイト

経理に向いている人の特徴


お金を管理する経理の仕事は向き不向きがはっきりします。

どんな人が経理に向いているかをチェックし、自分に当てはまる部分があるか考えから応募してみましょう。

計算が好き

経理の仕事に欠かせないのが計算です。2つの数字を計算して1つの答えを出すことが大好きな人は経理の仕事が向いています。

経理の仕事は常に数字と向き合います。伝票を見ながら電卓をたたき、計算結果をパソコンに打ち込む作業は意外に難しいので、この作業に魅力を感じるかどうかがポイントです。

また、税計算や原価計算などはややこしさが伴うため、計算が好きでないと務まりません。苦労して計算して答えを出せると達成感を感じるような人は経理に向いています。

協調性がある

経理の仕事は単独プレーではなく、連携プレーなので協調性がある人に向いています。

経理業務は多岐に渡るため、部門内で業務を分担します。そのため、お互いの仕事の流れを理解してフォローし合わないと仕事がスムーズに進まないのです。

一人でコツコツデスクワークをするイメージがあるかもしれませんが、常に人と関わり合いを持つ仕事だと認識しておきましょう。

お互いが協調性を持って情報を共有することができれば、経理として最高の連携プレーができます。

高い危機管理能力がある

経理の仕事はミスが命取りになるため、何をどうすれば危険を回避出来るかを瞬時に判断できる高い危機管理能力のある人に向いています。

目の前にある仕事ばかりを進めてしまい、重要業務を放置するようでは経理の仕事をこなせません。

仕事の優先順位を考え、2つまたは3つの業務を同時進行しながら問題を回避する能力が必要です。

危機管理能力が身に付くと問題を起こさなくなるだけでなく、同僚や上司との関係も良好となり仕事に幅を出すことができます。

単純作業が好き

毎日同じ日次業務を繰り返す経理の仕事は変化に乏しいため、単純作業が好きで苦にならない人が向いています。

月次業務や年次業務もほぼ決まったことを毎回繰り返すので、仕事の変化から刺激を受けたい人にはあまり向いていないと言えます。

淡々と落ち着いて毎日の業務をこなすことが好きな人や、決まったことを体に染み込ませてじっくり仕事をしたい人は経理向きと言えます。

パソコン操作に慣れている

経理の計算にはエクセルを使い、資料作成はワードを使うことがほとんどなので、パソコン操作に慣れている人は経理に向いています。パソコンは経理に欠かせないツールです。

経理の大切なデータをサーバーにバックアップしたり、経理システム上で予算を管理するスキルも必要なので、パソコンの知識が高いと上司からも評価されます。

また、各種書類を作る作業も毎日のことなので、ワードを使って体裁の良い文章を作るスキルも必須です。

 財務業務とは

財務は事業運営資金を集める

会社が事業を運営するには多額の資金が必要ですが、この資金を集めるのが財務の仕事です。

今の時代、会社が収益を上げて生き残るには、次々に新しい事業を進める必要があります。その為になくてはならいのが資金です。

さらに大切なことは、調達した資金をいざと言うときにすぐ使えるよう管理することです。この大切な任務を任されているのが財務です。

財務部は経理部の財務諸表を確認しながら手元にある資金を管理するので、経理部との連携プレーがとても大切になってきます。

また、調達資金の管理や運用のために財務計画を立案するのも財務の仕事です。会社に利益をもたらすには資金をどう使って事業を成長させるかを考える重要な役目を担います。

 財務の仕事の流れ

財務の仕事は資金の流れによって流動的に動くため、経理のように決まったことを繰り返す内容ではありません。

ここでは主な仕事の内容をカテゴリ別にご紹介します。

資金調達

企業が資金を調達する目的は、新規事業立ち上げに伴う設備・土地・建物の購入、原価を下げる目的で商品や材料を大量に購入、取引先から入金がない期間の支払い、などです。

どの目的を達成するにも多額の資金が必要となり、会社がもつ預貯金だけで賄えなければ資金を調達しなければなりません。

資金が足りないと判断された場合、素早く動かないと他社に先を越されてしまう恐れがあるので、財務が十分な資金を調達できるかどうかが社運を左右します。

資金調達の方法は、他社からの出資、銀行からの融資、株の発行などです。財務部はこれらすべての業務をこなし、十分な資金を調達して会社の財務バランスを保ちます。

予算管理

財務の立場から会社の予算を管理するもの大切な仕事です。

まず、過去の売上実績から今後の売り上げを予測して売上予算を立てます。ここで会社の上層部が目標としている数値が達成できるかも判断し、目標値を設定します。

原価計算も大切な仕事です。売上に対してどれだけ原価がかかったかを把握し、さらに利益を上げるために原価予算を立てます。

さらに、売り上げから原価と固定費を差し引いて利益予算を立てます。これは会社の経営計画に大きく関わる仕事です。

財務計画

前年度の決算を元にし、今後の売り上げ増加を見込んで固定費と変動費がどれだけ増加するかのかを計画する業務です。

財務計画の中身は細かく、利益計画、設備投資計画、運転資本計画、資金調達計画などに分かれています。

会社が大幅に売り上げを伸ばしても、固定費や変動費が増えてしまえば利益が少なくなります。これを見通すために財務計画をきっちりこなすことが大事なのです。

 財務に必要な資格

財務の仕事内容を見て分かるように、どの業務をこなすにもかなりの専門知識が必要です。そのため、ある程度の知識や資格を持っていたほうが有利に仕事を勧められます。

一般的に財務の知識として必要と言われる資格をご紹介します。

ファイナンシャルプランナー

資産やライフプランについてアドバイスするために必要な知識を身につける資格です。

資格取得には不動産や税金、保険などの知識も必要なので、財務の仕事に大きく関係します

参考

日本FP協会 ホームページ日本FP協会

パソコン財務会計主任者試験

パソコンを使用して財務に関する仕事を進めるための資格です。現在はほとんどの会社が財務業務にパソコンを使用するため、ニーズが高まっています。
※この資格は平成27年度で試験の実地が終了していますので、現在は資格を取ることはできません。

参考

一般社団法人コンピュータソフトウェア協会 ホームページCSAJ

公認会計士

財務書類の内容が適切かを判断し監査を行うために必要な知識を養う資格です。

取得すれば公認会計士として独立も可能ですが、企業は自社の監査を管理する人材として公認会計士の資格保有者を採用したいと考えています。

参考

公認会計士・監査審査会 ホームページ公認会計士・監査審査会

税理士

税務のスペシャリストを育成する資格です。多くの企業は複雑な税務を税理士に委託しているため、財務にも会計士をおきたいと考えています。

参考

税理士の資格取得日本税理士会連合会

ファイナンシャル・プランニング技能士

資産形成やライフプランについてアドバイスするための知識を養う資格です。金融、不動産、保険、税金、などの幅広い知識を豊富に得るため、財務で活かせる資格と言えます。

参考

一般社団法人 金融財政事情研究会 ホームページ一般社団法人 金融財政事情研究会

財務に向いている人の特徴


財務の仕事内容を見ると、経理とは全く違う業務を行っていることがわかったと思います。

ということは、向いている人の特徴も経理とはかなり違います。どんな人が財務に向いているか見ていきましょう。

バイタリティがある

財務の仕事をこなすには、問題を次々に解決する意欲が必要なので、バイタリティがある人に向いています。

大きなお金を動かす財務の仕事は小さなミスが命取りになるため、問題回避という目的達成のために意欲的に動ける人が財務に向いていると言えます。

社交的

財務は社内外の多くの人々と関わり合いながら仕事をするため、社交的な人に向いています。

日によっては何社もの取引先や融資先と打ち合わせをし、会社の資金調達のために相手を説得することもあるので、人と接するのが好きな人が財務になると仕事に打ち込めます。

変化を好む

財務の仕事はとても幅広く、日々さまざまなことが起こるので、変化を好む人に向いています。

昨日と今日では全く違うことをするのが財務の仕事です。また、資金の集め方も状況によって変えていくので、仕事の変化によってさまざまな知識が得られます。

 緻密さ

財務の仕事をこなすには小さなことにも目を向ける必要があるので、緻密な性格の人に向いています。

わざではなく自然に細かい部分まで気を配れる正確であれば、財務に起こりがちなミスを未然に防ぐことができるのです。

初心者向きなのは経理。経理経験者は財務にチャレンジ!


記事を最後まで読むと、経理の仕事をしたことがない人が「経理か?財務か?」と悩んだら、経理の仕事を選ぶほうが現実的だということがわかります。

今までとは全く違う経理の仕事をしてみたいなら、求人票で経理を募集している会社を探してみてください。

財務の仕事はかなり複雑で専門的なので、これまでに経理を経験したことがある人がチャレンジする仕事だと認識しておきましょう。

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