【転職のプロが教える】病院以外で看護師におすすめの職場はどこ?

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パーソルテンプスタッフ株式会社に約6年在籍し、現在は人材紹介会社「株式会社アドバンスフロー」の代表取締役。
のべ約2,000名もの転職支援を行い、求職者が希望する仕事を得られるよう尽力。人材業界16年の経験から「転職はしっかりとした情報が得られれば得られるほど、理想の職場を見つけられる」と確信し、多くの人が情報を得られるよう、記事の監修も行う。

「病院以外でおすすめの看護師の職場は?」

と思っていませんか。

この記事では、看護師におすすめの職場について解説します。

これから転職してより自分に合った職場を探したいという看護師の方に、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

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病院以外で看護師におすすめの職場は?

病院以外で看護師におすすめの職場は下記の7つです。

  1. 一般診療科のクリニック
  2. 介護施設
  3. 訪問看護ステーション
  4. 美容クリニック
  5. 保育園
  6. 産業看護師
  7. CRC・CRA

いずれの職場も、転職して1年目は病院の夜勤あり・病棟勤務に比べると収入はダウンする可能性が高いことには注意が必要です。

1.一般診療科のクリニック

一般診療科のクリニックの外来または病棟勤務は、病院の病棟勤務よりも忙しくないためおすすめです。

外来ならば日勤のみで土曜日午後と日曜日・祝日が固定で休みであることが多く、病棟勤務でも急患を受け入れていなければ病棟に比べると忙しくありません。

ただしクリニックによって残業の多さは全く異なります。定時が20時以降のクリニックも少なくないので注意です。

医療行為はほぼ必須で、採血がスムーズにできるレベルの手技は求められることが多いです。内科や循環器科は特にルートが取れることが採用の必須条件であるクリニックも中にはあります。

2.介護施設

介護施設は、忙しくないだけでなく、医療行為の機会も少ないため勤務しやすい施設になります。

介護施設には、介護老人保健施設・特別養護老人ホーム(特養)・有料老人ホーム・デイサービスなどの種類があります。

デイサービスは完全に日勤のみ、特別養護老人ホーム(特養)は夜間の看護師配置義務がないことから夜勤が無いところもあります。

病院程忙しくなく、医療行為の機会も少ないです。また介護業務は介護士が担当するので、体力的に楽な傾向があります。

ただし入居者の急変時には、看護師が応急処置を行ったり救急隊員・医師へ連携したりなどの必要があり、入居者の健康管理をするにあたって介護士との密なコミュニケーションが必須です。

また入居している高齢者とのコミュニケーションの機会が非常に多いので、抵抗がある人は要注意です。

3.訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、1人で訪問する気軽さと給料も高いという点からおすすめです。

訪問看護ステーションでは基本的に1人で患者の家を訪問するので、チームワークが苦手でも気楽に働けます。また給料も病院やクリニックの外来や、介護施設に比べ高い傾向があります。

土日祝日休みのところも多く、ワークライフバランスが整えやすいです。1年以上勤続すれば、自治体によっては地域包括センターの看護師にも転職が可能です。

業務中に困ったことがあれば訪問看護ステーションや医師に連絡が取れますが、1人で業務を行うこと自体が不安に感じる人にはあまりおすすめできません。

また夜勤はありませんが、交代制でオンコールがあり、移動手段は自転車か車になるため雨や雪のときは移動が大変な点にも要注意です。

4.美容クリニック

美容クリニックは、夜勤・残業がほぼないことからおすすめです。

美容クリニックは、完全に日勤のみの割に給料が高いので夜勤をせずに稼げます。また診療やオペは完全予約制のため、残業も少なく有休も取りやすい傾向があります。

ただしクリニックによりますが、美容クリニック未経験の場合は特に20代でないと採用されにくいです。

また診療やオペの補助だけでなく、患者に施術やサプリメント・コスメなどを薦める営業や患者の悩みや希望を聞くカウンセリングなどの接客業務、受付や予約管理などの事務作業などやることが多い点にも注意です。中には施術やコスメなどの売上ノルマがあるクリニックもあります。

5.保育園

保育園は、医療行為がなく働きやすいという点が挙げられます。

「認可保育園」では看護師の配置が義務付けられており、「認証保育園」でも看護師の配置は努力義務となっています。

日勤のみで土日祝休み、または土曜日午後と日曜日・祝日が休みのところが大半です。

仕事内容は子供たちの健康・体調管理、健康診断での医師の補助や衛生指導など多岐にわたりますが、医療行為はありません。

少子化の世の中ではありますが保育園で働く看護師も不足しているので、働き口が無くなるリスクも低いです。

ただし他の勤務施設で働く看護師に比べ、給料は低いです。

また保育業務も必要なので、子供が苦手だと継続するのが難しくなってしまうでしょう。

6.産業看護師

6つ目は産業看護師です。

大規模の一般企業にある医務室または健康管理室に常駐し、企業の社員の健康相談を受けたり、保健指導を行ったりなどが主な業務内容です。

日勤のみ・土日祝休みで残業もほとんどないところが多く、医療行為はありません。

ただし求人が出ること自体が少なく、1人しか採用枠が無いところに数十人単位の応募が来るほど倍率が高いので、なかなか採用されないことが多いです。

さらに医療現場の看護師としての知識やスキルが低下しやすく、医療現場に戻りたくなってしまっても復帰のハードルが高いです。

7.CRC・CRA

7つ目はCRC(治験コーディネーター)・CRA(臨床開発モニター)です。

CRCは治験施設支援機関または医療機関の治験事務局に勤務し、製薬会社・医療機関と連携し治験の進行を調整しつつ、被験者のサポートを行います。

CRAは医療機関に訪問し、治験に際して製薬会社の意向通りに医療機関への指示を行い、治験がルールに則って適正に行われているか監視し、治験終了の手続きまで行う仕事です。

一般企業と同じく日勤のみでカレンダー通りの休みが取れます。またCRAの場合、長く勤続して部長クラスに昇進すれば企業にもよりますが年収1000万も夢ではありません。

ただし面接では高いコミュニケーション能力を、筆記試験では薬の知識や英語力などをテストされることが多く、採用基準は厳しいです。

病院以外で看護師に特に人気の職場は?

病院以外で看護師に特に人気の職場は、一般診療科のクリニックの外来と産業看護師です。

両方とも夜勤が無く内勤で、クリニックは土曜午後・日祝に加えて平日1日休みのところが多く、産業看護師は完全に土日祝休みのところがほとんどなので、プライベートと両立しやすく人気があります。

特に産業看護師はかなり高倍率で選考の難易度も高いため、プライベートとの両立が絶対条件ならば他の勤務施設も視野に入れた方がよいでしょう。

夜勤やオンコールなしを重視するならばデイサービス、土日祝休みを優先するならば訪問看護ステーションなどです。

看護師が病院以外の職場に転職するのは難しい?

看護師が病院以外の職場に転職するのは、基本的には簡単とは言えません。

2020年度の「ナースセンター登録データに基づく. 看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書」に記載されている施設種類別の有効求人倍率をみてみると、、病院以外の職場の求人倍率は決して高くありません。

【画像準備中】
画像引用元:ナースセンター「ナースセンター登録データに基づく. 看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書|第3章 応募・就職状況」

有効求人倍率とは、病院や企業などが出している求人数を、ハローワークに登録している求職者の数で割った値を指します。高ければ高いほど、1人の求職者数に対する求人数が多く採用されやすい傾向があります。

有効求人倍率が低い職場を希望していても、同じ診療科の経験があったり看護師が施設側の求める人物像に合っていたりなどすれば、採用の確率が高まります。

未経験の看護師でも受かりやすい求人は?

未経験の看護師でも受かりやすい病院以外の求人は、訪問看護ステーションと経験のある診療科のクリニックです。

訪問看護ステーションは病院の病棟と同じくらい人手不足なため、臨床経験が3年以上あれば内定がもらえる可能性が高いです。

クリニックは求人数が訪問看護ステーションに比べると少なく、採用枠も1軒のクリニックにつき1~2人と採用枠も少ないです。

しかし経験のある診療科かつ、採血などの手技に自信があるならば準即戦力として採用の確率が高まります。

クリニック希望の場合は、できるだけ多くの求人を受けることが内定への近道です。

新卒や第二新卒でも病院以外の職場で採用される?

新卒や第二新卒でも病院以外の職場で採用されるかは、勤務施設や看護師としての経験年数によります。

新卒は、病院以外は採用してくれるところはほとんどないと言っても過言ではありません。

病院以外の勤務施設は、ほぼ全てのところが最低1~3年の医療現場での経験があることを採用の必須条件としているからです。

第二新卒は、新卒に比べると採用の可能性は高いですが、主に病院での医療現場での経験が3年以上ないと病院以外での選択肢は狭くなってしまいます。

美容クリニックならば採用可能性は十分ありますが、美容への関心がなかったり、接客業務に抵抗があったりするならば避けた方がよいです。

看護師の職場で責任がないところってある?

看護師の職場で責任が全くないところはありませんが、看護師の責任が医師に比べると軽いと言う意味では美容クリニックです。

特に外科手術を伴う美容外科クリニックではオペは医師が行い、看護師はあくまで補助として入るため批判やクレームの対象になるのはほとんどの場合医師です。

責任がない=医療行為をしたくないと言う意味ならば、保育園や産業看護師、地域包括センターなどが挙げられます。

CRA・CRCなどの治験をサポートする仕事も医療行為はありませんが、ミスの内容によっては製薬会社・医療機関・被験者など迷惑掛かる人数が多いので責任は重大です。

看護師資格や経験を活かした珍しい求人ってある?

看護師資格や経験を活かした珍しい求人は、主に下記の5つです。

  • 養護教諭
  • 児童養護施設
  • コールセンター
  • 看護学校の講師
  • 国家公務員(厚生労働省や自衛隊など)

養護教諭はいわゆる「保健室の先生」です。文科省指定の養護教諭養成施設に1年以上在籍した上で、指定の科目を修了する必要があります。

児童養護施設では、入所している児童に対し衛生管理や保健指導を行います。夜勤があり、児童の急変時には看護師が対応します。

看護師がコールセンターで働く場合は、企業によって分野が違いますが、主に急病や怪我などの応急処置・健康相談・医薬品の用法や用量などに関する問い合わせに電話で対応します。

看護学校の教員になるには最低でも5年の臨床経験と、看護教員養成講習会の受講が必要です。土日祝休みで日勤のみなので、体力的には楽です。

国家公務員として働くならば、厚生労働省で医療に関する専門知識を活かし医療に関する政策に携わる「看護系技官」や、自衛隊病院の看護師になるなどの選択肢があります。

看護師以外に転職するとしたらおすすめの業界・職種は?

看護師以外に転職するとしたらおすすめの業界や職種は、採用されやすいという意味では飲食や介護・保育などです。

常に人手不足な上に、看護師時代に培った判断力やコミュニケーション能力などを活かしやすいからです。

プログラミングやWEBデザインに興味があり、年齢が30代前半までならばITもおすすめです。ただしポートフォリオが作れるくらいまで勉強してから、転職活動に臨んだほうがよいです。

全く未経験でも採用の可能性があるのは生命保険や人材サービスの営業です。前者は60歳未満ならば年齢不問のところが多いです。

事務系ならば、医療事務がおすすめです。元看護師は診療報酬について多少理解しており、業務になじみやすいので全く畑違いの分野から来た人よりは採用されやすいです。やる気をアピールするために医療事務の資格を取っておくのもよいです。

まとめ

この記事をまとめると、

病院以外で看護師におすすめの職場は、主に下記の7つです。

・一般診療科のクリニック
・介護施設
・訪問看護ステーション
・美容クリニック
・保育園
・産業看護師
・CRC・CRA

中でも一般診療科のクリニック・産業看護師は夜勤が無く内勤のみで、土午後・日祝または土日祝が休みであるため人気です。

未経験でも受かりやすい求人は、人手不足である訪問看護ステーションと、経験のある診療科で手技に自信があるならばクリニックです。

この記事があなたの転職活動の役に立てば幸いです。

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この記事の執筆者
「法人派遣マッチング」ならびに
転職エージェント「♯就職しよう」運営
株式会社アドバンスフロー 代表取締役 中塚 章浩

大手人材サービス会社在籍で2,000名以上の就業に携わり、
「自分に合った派遣会社や人材紹介会社を選ぶ重要性」 を肌で感じてきました。この記事の執筆を通して、派遣会社や人材紹介会社を選ぶ際のミスマッチを少しでも解消できればと思っています。
現在、派遣会社と企業をつなぐ「法人派遣マッチング」と求職者と企業をつなぐ「転職エージェントサービス」を運営しており、それらから得られる最新情報をお伝えするべく、随時、記事の編集や更新も行っています。

経歴
パーソルテンプスタッフ株式会社に在籍後、2010年に株式会社アドバンスフローを設立し、求職者向け情報サイト「♯就職しよう」を運営。現在、#就職しようの執筆とともに、転職・就職などHR領域に関するサービスを多数展開中。 ・執筆者の詳しい経歴はコチラ
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