【転職のプロが教える】ITのSESとは?働き方の特徴やメリットを解説

記事執筆者
IT系派遣会社勤務flower

某大手派遣会社で、IT系派遣の営業担当やキャリアコーディネーターとして活躍し、現在も同派遣会社で働きながら、ブログにて転職のポイントなどを紹介している。

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「SESってなに?」
と思っていませんか。

IT業界で転職活動をしていると「SES契約」という契約形態を目にすることがあります。しかしIT業界未経験の方にとっては、SES契約がどのような契約形態なのかイメージがつき辛いかもしれません。

この記事では、SES契約の仕組みやメリット・デメリット、注意点などを解説します。

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SES契約ってなに?

SES(システムエンジニアリングサービス)契約は、準委任契約とも呼ばれ請負契約の一種です。

所属する企業が受注した案件を請け負って作業を行う点は請負契約の性質ですが、対価を支払う根拠となるのが「成果物」ではなく、エンジニアの「作業量(労働時間)」となる点が請負との大きな違いです。

SES契約は成果物に全く責任がないとは言えませんが、あくまで「労働力の提供」を目的とした契約となります。

ここからは、SES契約と近しいと言われる請負契約と派遣契約のそれぞれとSES契約を比較してみます。

1.請負契約との比較

請負契約とSES契約は、業務を委託されて作業を行いますが、先述の通り、対価の支払い根拠が成果物ではなく作業時間となります。

また指揮命令権は、請負契約・SES契約共に受注企業側にあります。

2.派遣契約との比較

労働時間に対して対価が支払われる点はSES契約も派遣契約も同様ですが、業務上の指揮命令系統が異なります。

派遣契約では発注企業に指揮命令権がありますが、SES契約では受注企業側で業務上の指示を行います。

SESで働くメリットとは?

派遣や請負と比較されがちなSES契約ですが、SES契約ならではのメリットもあります。

  1. 色々な現場で幅広い経験が積める
  2. 成果物に責任を負う契約ではない
  3. 未経験からスキルアップができる
  4. 業務内容や条件が契約に明記されており安心

ここからは、4つのメリットについてそれぞれ詳しく解説します。

1.色々な現場で幅広い経験が積める

SES契約では、プロジェクト毎に現場が変わることも多く、短いものだと数か月スパンで現場が変わります。

正社員では入社難易度の高い企業のプロジェクトや、様々な業界を経験できるチャンスもあるため、特に経験の浅いエンジニアにとってはキャリアにプラスになる経験が積めるでしょう。

2.成果物に責任を負う契約ではない

SES契約では労働時間に対して対価が支払われるため、万が一顧客が求める成果物を納品できていなくても報酬が減額されることはありません。

もちろん、労働時間内でできる限りのパフォーマンスを発揮することは求められますが、責任がない点では、気持ちが楽に働けるでしょう。

3.未経験からスキルアップができる

SES契約では、未経験でもチームに入って作業できる可能性がありスキルアップが見込めます。

SES契約では、様々なスキルや経験を活かせる業務があり、特に大規模案件では受注企業がチームとして複数名で参画するため、未経験でもチーム入りできるチャンスがあります。

未経験者にとっては、実際のプロジェクトの中でスキルアップをする良いチャンスになるでしょう。

4.業務内容や条件が契約に明記されており安心

SES契約は業務内容や就業時間・場所・期間、指揮命令者など業務を行う上での条件が、全て契約書に明記されています。

事前に内容についてすり合わせを行った上で業務開始となるため、
「業務がいつのまにか増えていた」
「急遽就業場所が変わった」
など想定外のことが起こりづらい契約となっています。

SESで働くデメリットとは?

SES契約のメリットをご紹介しましたが、メリットの反面、以下のようなデメリットもあります。

  1. 直接契約に比べると給与が低い
  2. 参画するプロジェクトによって労働条件が異なる
  3. 任される業務が限定されている

ここからよりデメリットを詳しくご紹介しますので、契約形態を選ぶ際の参考にしてみてください。

直接契約に比べると給与が低い

エンジニアが受け取る給与は、受注金額に関わらず、所属する企業の給与制度に則って決定されます。

SES契約は業務を請けた会社の社員(正社員もしくは契約社員)として、発注元企業のプロジェクトに参画します。

そのため、個人事業主や派遣などプロジェクト毎に給与が変化する契約の方が、身に付けたスキルが直接給与アップに繋がることが多いでしょう。

参画するプロジェクトによって労働条件が異なる

SES契約での業務は全て発注元から請けた案件のため、プロジェクトが変わると就業場所や就業時間、服装など労働条件が変わります。

時には自宅から遠くなってしまったり、常駐先の社風が合わないと感じたりすることもあるかもしれません。

SES契約では、クライアントの仕事の進め方に柔軟に対応することが求められます。

任される業務が限定されている

任される業務が決まっていることから、業務の範囲を広げにくくなります。

メリットでご紹介した通り、SES契約で任される業務は契約上で定められています。

これをメリットと感じる方もいますが、色々な業務を任されて業務範囲を広げていきたい方にとっては、少し物足りなく感じるかもしれません。

SESで働く上で注意するポイントとは?

SES契約では、「契約上の業務体制がしっかりと機能しているか」が一番注意すべきポイントとなります。

特に、客先に常駐して発注元の社員と同じ空間で作業をするケースでは、発注元企業から業務指示を受けてしまうことがあります。

この場合契約が遵守されずに法令違反となってしまうため、自分がどのような契約で業務を行うのかをしっかりと理解する必要があります。

SESで働くにはどうしたらいいの?

SES契約で働きたい場合には、SES契約で案件を受注している企業へ入社する必要があります。

求人情報に業務内容として「SES契約でどのようなプロジェクトに参画するか」など記載があることが多い為、事前にチェックした上でエントリーをしましょう。

また派遣会社ではSES契約を扱っていないことも多いため注意が必要です。

まとめ

この記事をまとめると、

SES契約にはメリット・デメリットがありますが、未経験でITへの入り口として経験を積みたい方にはおすすめの働き方です。

指揮命令系統など曖昧になりがちな契約形態の為、会社任せではなく、自分でしっかりと確認して企業やプロジェクトを選びましょう。

この記事があなたの転職活動に役立てば幸いです。

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この記事の執筆者
「法人派遣マッチング」ならびに
転職エージェント「♯就職しよう」運営
株式会社アドバンスフロー 代表取締役 中塚 章浩

大手人材サービス会社在籍で2,000名以上の就業に携わり、
「自分に合った派遣会社や人材紹介会社を選ぶ重要性」 を肌で感じてきました。この記事の執筆を通して、派遣会社や人材紹介会社を選ぶ際のミスマッチを少しでも解消できればと思っています。
現在、派遣会社と企業をつなぐ「法人派遣マッチング」と求職者と企業をつなぐ「転職エージェントサービス」を運営しており、それらから得られる最新情報をお伝えするべく、随時、記事の編集や更新も行っています。

経歴
パーソルテンプスタッフ株式会社に在籍後、2010年に株式会社アドバンスフローを設立し、求職者向け情報サイト「♯就職しよう」を運営。現在、#就職しようの執筆とともに、転職・就職などHR領域に関するサービスを多数展開中。 ・執筆者の詳しい経歴はコチラ
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